「機械を入れ替えたい」「基幹システムをリプレースしたい」「AIを組み込んだ新ラインを立ち上げたい」——設備投資の計画はあっても、数千万〜数億円規模の資金調達がネックになっている中小企業は少なくありません。金融機関からの借入だけでは返済負担が重く、投資に踏み出せないままでいる経営者も多いはずです。
本記事では、助成率の区分・対象経費・申請の流れ・採択のポイント・よくある質問まで、申請前に把握しておくべき情報を網羅的に解説します。
目次
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業とは
「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」は、東京都中小企業振興公社が実施する設備投資系助成金の中で、助成限度額が最大2億円・助成率最大4/5という都内最大規模の支援制度です。
機械設備の導入だけでなく、ソフトウェア・ITシステムの導入にも対応しており、製造業からサービス業・小売業まで幅広い業種が活用できます。生産性向上、業務効率化、新事業展開など、様々な目的での設備投資に対応しています。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 助成限度額 | 2億円 |
| 助成率 | 4/5以内(区分によって2/3または3/4の場合あり) |
| 対象者 | 都内中小企業者・個人事業主・中小企業団体等 |
| 主な対象経費 | 機械装置費・ソフトウェア費・システム導入費など |
| 担当 | 設備支援課(TEL:03-3251-7884) |
助成率の区分について
本事業は申請区分によって助成率が異なります。
| 区分 | 助成率 | 主な条件 |
|---|---|---|
| 通常区分 | 2/3以内 | 標準的な設備投資 |
| 賃上げ区分 | 3/4以内 | 賃上げ計画を策定している場合 |
| 優遇区分 | 4/5以内 | 賃上げ策定かつ小規模事業者等の条件を満たす場合 |
助成率の区分・要件の詳細は募集要項で必ず確認してください。要件を満たせば、より高い助成率での申請を検討する価値があります。
「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」は、そうした設備投資の資金負担を公的支援で大幅に軽減できる制度です。助成限度額は最大2億円、助成率は最大4/5と、東京都中小企業振興公社が実施する助成金の中で最大規模を誇ります。返済不要の助成金で設備投資コストの最大80%をカバーできるため、手元資金や借入への依存を大きく減らせます。
機械・設備だけでなく、ERPや生産管理システムといったITシステム・ソフトウェアの導入にも対応しており、製造業から小売・サービス業まで幅広い業種が活用できます。さらに賃上げ計画を策定することで助成率が段階的に上がる仕組みもあり、経営戦略と連動した設備投資計画が採択の鍵になります。
2026年度の申請スケジュール
本事業は「回次制」で複数回の申請機会があります。最新の募集情報は公社公式サイトで確認してください。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 随時 | 複数回の申請機会あり(回次ごとに締切) |
| 秋以降 | 追加回次の募集予定あり |
対象となる主な経費
機械装置費
- 製造ライン・加工機械の導入
- 検査・測定機器の購入
ソフトウェア・システム費
- 生産管理システム・ERPの導入
- 受発注・在庫管理システム
- セキュリティソフトウェア(※サイバーセキュリティ助成金との重複不可)
その他
- 上記に付随する設置・設定費用
- 導入に必要な専門家費用(一定条件あり)
対象とならない主な経費
- 汎用性の高いPC・タブレット・スマートフォン単体
- 中古品の設備
- 建物・内装・外装工事費
- 土地の取得・賃借費用
- 消費税(課税事業者)
- 運転資金・仕入費用
- 交付決定前に発注・支払いした経費
- 自社・関連会社・役員親族からの購入
申請の主な流れ
- 申請予約(エントリー)(オンライン)
- 書類申請(事業計画書・設備導入計画書・収支予算書などを提出)
- 書類審査
- 採択・交付決定通知
- 設備の発注・導入(交付決定後から実施)
- 実績報告・助成金の請求
最重要: 交付決定通知が届く前に発注・契約した設備は、全額対象外になります。採択連絡後も「内定」であり、正式な「交付決定通知」が届くまで動かないようにしてください。
申請のポイント
設備導入の「目的」と「効果」を明確に 審査では「なぜこの設備が必要か」「導入によって何がどれだけ改善されるか」が重視されます。現状の課題と、導入後の定量的な改善目標(生産量○%向上、コスト○万円削減など)を具体的に記載しましょう。
見積書は複数社から取得 原則として2社以上の見積書が必要です。単一見積もりでは適正価格の証明が難しくなります。
賃上げ計画の検討 賃上げ計画を策定することで、助成率が2/3→3/4または4/5に上がります。助成額が大きくなるため、積極的に検討する価値があります。
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よくある質問(FAQ)
Q. ソフトウェアだけでも申請できますか? A. はい、ソフトウェア・システムのみの申請も対象です。ただし、汎用的すぎるソフト(Office製品単体など)は対象外になる場合があります。
Q. リース設備は対象ですか? A. 原則として購入(所有権が移転するもの)が対象で、リース・レンタルは対象外です。
Q. 設備の見積金額と実際の購入価格が変わった場合は? A. 申請時の計画と実績が大きく乖離する場合は、事前に担当課へ相談が必要です。
Q. 複数の設備をまとめて申請できますか? A. 可能です。ただし、全てが助成要件を満たしていること、事業計画との整合性が求められます。
Q. 助成金を受け取るまでの期間はどのくらいですか? A. 採択から実績報告・精算まで含めると、通常1年〜1年半程度かかります。資金繰りに余裕を持った計画が必要です。
問い合わせ先・関連リンク
- 担当: 公益財団法人 東京都中小企業振興公社 設備支援課
- TEL: 03-3251-7884
- 公式ページ: https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/setsubijosei/yakushin.html
- 公社TOP: https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/index.html
まとめ
「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」は、最大2億円・助成率最大4/5という都内最大規模の設備投資助成金です。機械設備からITシステムまで幅広く対応しており、生産性向上や新事業展開を検討している中小企業にとって強力な資金支援になります。
申請にあたっては以下の3点が最重要です。
- 交付決定前に発注しない
- 見積書を2社以上から取得する
- 賃上げ計画の策定で助成率アップを狙う
秋以降にも追加の申請機会が予定されています。早めに担当課へ相談し、事業計画書の準備を進めましょう。
公式サイトで最新の募集情報を確認: https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/setsubijosei/yakushin.html
PROFILE

- 中小企業診断士 / 資金調達・補助金コンサルタント / 外資系戦略コンサルティングファーム出身。独立後、事業再構築補助金・ものづくり補助金を中心に200社超の資金調達を支援し、採択率80%以上を継続して維持しています。補助金申請において最も難しいのは「書類を書くこと」ではなく、「審査員に刺さる事業計画を設計すること」です。戦略コンサルとしての経験を活かし、単なる申請代行ではなく、事業計画の立案から採択後の実行フェーズまでを一気通貫でサポートすることを強みとしています。これまでの支援先は製造業・小売業・サービス業など幅広く、初めての補助金申請から複数回採択の実績づくりまで対応しています。また、補助金メディアの執筆者として1,000本超の記事を執筆。最新の制度情報・審査傾向を常にアップデートしながら、読者と支援先の双方に正確な情報を届けることを使命としています。
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