新事業進出補助金の採択率は? 過去3回のデータと第4回公募を解説

中小企業新事業進出補助金

中小企業庁が2025年度に新設した「中小企業新事業進出補助金」は、事業再構築補助金の後継として誕生した大型支援制度です。最大9,000万円(大幅賃上げ特例時)の補助を受けられる一方、採択にはどの程度の競争があるのか。結論からお伝えすると、第1回・第2回ともに採択率はおよそ35〜37%。3社に1社強が採択されている計算です。決して易しくはありませんが、正しく準備すれば十分に狙える水準でもあります。

この記事では採択データの読み方から第4回の申請ポイントまでを解説します。

【公募スケジュール】
第4回公募 応募期間:令和8年5月19日(火)~6月19日(金)18:00

中小企業新事業進出補助金とは?

中小企業新事業進出補助金は、今行っている事業で培ったノウハウを活かしながら、新たな市場や高付加価値分野への進出を目指す際に必要となる設備投資等の費用の一部を支援する制度です。

申請時には「新事業進出」の定義を満たしているだけでなく、従業員に対して一定額の賃上げの実施が求められます。予算規模は既存基金を活用して1,500億円程度です。

中小企業新事業進出補助金| 帯広市ホームページ 十勝

なお、本制度は2026年度中にものづくり補助金と一本化され、「新事業進出・ものづくり補助金」として公募が予定されています。統合後も新事業進出の要件は内容は大きく変わらないと考えられますが、2026年度中の申請を検討している方は、最新情報も確認しておきましょう。

詳しくはこちら:【2026年最新】新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは?

この補助金は、今ある事業とは別の「新しい事業」にチャレンジする中小企業を支援する制度です。たとえば、「飲食店をしているけど、冷凍食品のネット販売を新しく始めたい」「製造業だけど、サブスクサービスを立ち上げたい」といった新しい挑戦を後押しする目的で作られています。

新事業進出補助金 第4回公募

新事業進出補助金の第4回公募、2026年5月19日から申請受け付け | ツギノジダイ

第4回公募スケジュール

第4回公募の申請受付期間は2026年5月19日(火)から2026年6月19日(金)18時です。採択結果の発表は2026年9月頃を予定しています。

項目 日程
公募要領公開 2026年3月27日(済)
申請受付開始 2026年5月19日(本日)
申請締切 2026年6月19日(金)18:00 厳守
採択発表(予定) 2026年9月頃
交付申請締切 採択発表日から2ヶ月以内
補助事業実施期間 交付決定日から14ヶ月以内

第4回公募以降は制度が変わる?

本制度は2026年度中にものづくり補助金と一本化され、「新事業進出・ものづくり補助金」として公募が予定されています。現行の新事業進出補助金として申請できるのは、この第4回が最後となる見込みです。新制度への移行前に現行枠組みでの申請を検討されている方は、準備を急いでください。

詳しくはこちら:【2026年最新】新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは?

GビズIDの取得はお急ぎを

申請にはGビズIDプライムアカウントの取得が必須です。発行には1週間程度かかります。また、ワークライフバランス要件を満たすために必要な一般事業主行動計画の公表手続きにも1〜2週間程度を要します。申請期限は延長されません。未取得の方は今すぐ手続きを開始してください。

詳しくはこちら:GビズIDとは?プライムアカウントの取得方法と注意点

新事業進出補助金の基本要件

新事業進出補助金の基本要件や補助上限、補助率等は以下のとおりです。

1. 企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦(新規性)

  • 成長や事業拡大に向けた新たな事業展開を計画している。
  • 新規性があり、既存事業との差別化が明確である。
    (付加価値額の年平均成長率+4%以上増加)

2. 賃金要件

  • 事業所内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上水準。
  • 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表
    (賃上げ要件を規定)

補助上限・補助率

本補助金における補助率・補助金額は以下のとおりです。

補助額

    • 従業員数20人以下:2,500万円(3,000万円)
    • 従業員数21~50人:4,000万円(5,000万円)
    • 従業員数51~100人:5,500万円(7,000万円)
    • 従業員数101人以上:7,000万円(9,000万円)
      ※補助下限750万円 ※大幅賃上げ特例適用事業者(事業終了時点で①事業場内最低賃金+50円、②給与支給総額+6%を達成)の場合、補助上限額を上乗せ。(上記カッコ内の金額は特例適用後の上限額。)

補助率

  • 1/2(賃上げ要件や小規模事業者は2/3)

補助対象経費

以下のような、新事業を立ち上げるための費用が対象になります。

  • 新しく購入する機械や設備
  • 建物の改修やリース費用
  • 外注やシステム開発費
  • 宣伝広告費(チラシやWEB広告など)
  • 商品の運搬費
  • クラウドサービス利用料 など

過去3回の採択結果

第1回公募(2025年4〜7月)

応募者数は3,006者、採択者数は1,118者で、採択率はおよそ37.2%でした。制度開始直後ということもあり、補助上限の高さに注目した事業者が多く集まりました。採択件数1,118件のうち関税加点の対象は590件と、採択者の半数超が加点項目を活用していた点も注目に値します。

第2回公募(2025年9〜12月)

応募者数は2,350者、採択者数は832者で、採択率はおよそ35.4%でした。第1回から応募数が約22%減少しています。制度への理解が深まるにつれ、「要件を満たせない」と判断した事業者が一定数離脱したと考えられます。採択率はほぼ横ばいで推移しており、審査水準の安定感がうかがえます。

第3回公募(2025年12月〜2026年3月)

申請締切は2026年3月26日で、採択発表は2026年7月頃の予定です。現時点では審査中のため、採択率は未発表です。本記事は判明次第更新いたします。

採択結果まとめ表

公募回 応募数 採択数 採択率
第1回 3,006者 1,118者 約37.2%
第2回 2,350者 832者 約35.4%
第3回 審査中
第4回 受付中

採択のために押さえるべきポイント

1. 「新事業進出」の定義を正確に理解する

審査で最も厳しく問われるのが新規性の定義です。公募要領上は「事業者自身にとっての新規性」とされていますが、実際の審査では「社会における一般的な普及度や認知度が低いものか」という観点からも評価されます。単に「他社がやっていることを自社でも始める」だけでは、高い付加価値があると認められません。既存の技術・ノウハウと掛け合わせた独自の強みを、事業計画書でロジカルに説明することが求められます。

2. 賃上げ要件を軽視しない

本補助金は賃上げと一体の制度設計になっています。補助事業終了後3〜5年間で、一人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上が求められます。この目標が未達の場合、補助金の一部または全額返還を求められる可能性があります。申請時点で現実的に達成可能な計画かどうか、慎重に検討してください。

3. 加点項目を積極的に活用する

「くるみん認定」「えるぼし認定」「健康経営優良法人認定」は加点対象となり、人材採用や他の補助金申請においても有利に働きます。また「成長加速マッチングサービス」は登録のみで加点対象となります。取得に時間がかかるものもあるため、早めの準備が重要です。

4. 認定支援機関との連携は必須

申請には認定支援機関(税理士、中小企業診断士、金融機関など)の関与が必要です。事業計画書の質は認定支援機関の経験値にも左右されます。補助金申請の実績が豊富な機関を選ぶことが採択率向上につながります。

審査で加点となる項目

  • パートナーシップ構築宣言加点
    取引先と公平・協力的な関係を作る宣言を出した企業に与える加点。
  • くるみん加点
    社員の子育てを積極的にサポートしている企業に与える加点。
  • えるぼし加点
    女性が働きやすい環境を整えている企業に与える加点。
  • アトツギ甲子園加点
    後継者が新しいビジネスアイデアを競うイベントに参加した企業に与える加点。
  • 健康経営優良法人加点
    社員の健康増進に力を入れている企業に与える加点。
  • 技術情報管理認証制度加点
    技術情報やノウハウをきちんと管理している企業に与える加点。
  • 成長加速化マッチングサービス加点
    他社との協業や連携を支援するサービスを利用している企業に与える加点。
  • 再生事業者加点
    経営状況の改善や再建に取り組んでいる企業に与える加点。

申請に必要な準備事項

  • ① GビズIDプライムアカウントの取得
    申請には「GビズIDプライムアカウント」が必須です。取得には1〜2週間程度かかる場合がありますので、未取得の場合は早めに手続きを行いましょう。
  • ② 事業計画書の作成
    事業計画書には自社の強み、新事業の必要性や市場のニーズを具体的に記載しましょう。特に、補助対象経費が明確で妥当か、新事業の実現可能性があるかが審査の重要なポイントになります。
  • ③ 見積書およびスケジュール表の準備
    補助対象経費に関する見積書を準備します。複数社からの見積書があると経費の妥当性が高まります。また、事業開始から完了までのスケジュールを明確に記載しましょう。
  • ④ 財務書類の整備
    直近の決算書(損益計算書・貸借対照表)の提出が必要です。最新年度の決算書類を準備・確認しておきましょう。
  • ⑤ 加点要素の確認と対応
    パートナーシップ構築宣言、健康経営優良法人認定など、各種加点要素を満たしているか確認しましょう。申請までに認定取得が可能な場合は、積極的に対応することで採択率が向上します。

中小企業新事業進出補助金に関するお悩みやご質問がございましたら、以下のフォームからお気軽にご相談ください。


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よくある質問(FAQ)

Q. 個人事業主でも申請できますか?

申請可能です。公募要領上、「会社または個人」が補助対象者として定められており、個人事業主も対象に含まれます。ただし、補助対象者の要件を公募開始日時点で満たしている必要があります。

Q. 補助金額の下限はありますか?

補助下限は750万円に設定されています。補助率が1/2のため、最低でも1,500万円の投資を行う事業でなければ補助対象となりません。小規模な投資を予定されている場合は他の補助金との比較をお勧めします。

Q. 採択後に補助金を返還しなければならないケースはありますか?

収益納付(利益が出た場合の返納)は求められません。ただし、賃上げ要件が未達の場合は補助金の一部または全額返還を求められる場合があります。また、実績報告は補助事業完了から30日以内が厳守で、期限を過ぎると交付決定が取り消されるリスクがあります。

Q. 第3回の採択率はいつわかりますか?

2026年7月頃に採択結果が発表される予定です。本記事は公表後に更新します。

Q. 第4回の採択率はどの程度になると予想されますか?

現時点では予測困難ですが、第1回・第2回の実績(35〜37%)が一つの参考になります。第4回が現行制度の最終回となる見込みのため、駆け込み申請が増え競争率が高まる可能性もあります。早めに質の高い事業計画書を仕上げることが重要です。


参考資料

  • 中小企業新事業進出補助金 公式サイト(中小機構):shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp
  • 第1回公募 採択結果概要(公式PDF):shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/docs/shinjigyou_koubo_gaiyou_01.pdf
  • 第2回公募 採択結果概要(公式PDF):shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/docs/shinjigyou_koubo_gaiyou_02.pdf
  • 補助金公募情報(中小企業庁):chusho.meti.go.jp/koukai/hojyokin/kobo.html
  • 新事業進出指針の手引き(中小機構):公式サイト内「資料ダウンロード」より入手可

免責事項

本記事は公開情報をもとに作成した情報提供を目的としたものであり、法的・財務的アドバイスを構成するものではありません。採択率・補助金額・スケジュールは変更される場合があります。申請にあたっては必ず最新の公募要領および公式サイトをご確認のうえ、認定支援機関・専門家にご相談ください。本記事の情報を利用して生じた損害について、当方は一切の責任を負いかねます。

最終更新:2026年5月19日

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