【2026年】東京都中小企業振興公社の助成金一覧の要件・助成対象・対象者を解説
この記事の要点
東京都中小企業振興公社(以下、公社)の助成金は、都内の中小企業・個人事業主が創業、設備投資、サイバーセキュリティ対策、BCP、販路開拓、展示会出展に使えます。この記事の用途別の早見表で、自社に合う助成金を絞り込めます。どの助成金も、交付決定の前に発注した経費は対象外です。

この記事の目次
東京都中小企業振興公社(以下、公社)の助成金は、都内の中小企業・個人事業主が創業、設備投資、サイバーセキュリティ対策、BCP、販路開拓、展示会出展に使えます。この記事の用途別の早見表で、自社に合う助成金を絞り込めます。どの助成金も、交付決定の前に発注した経費は対象外です。
「補助金を使いたいけど、種類が多すぎてどれを選べばいいかわからない」そう感じている都内の中小企業経営者・担当者は少なくありません。国の補助金だけでも数十種類あり、そこに都道府県・市区町村の制度が重なると、全体像を把握するだけで一苦労です。
東京都には、公益財団法人東京都中小企業振興公社(以下「公社」)が実施する独自の助成金制度があります。国の補助金と比べて都内事業者に特化しているという特徴があります。さらに、返済不要で受け取れるため、融資と異なり将来の資金繰りを圧迫しません。
この記事では、2026年度に申請が多いと見込まれる6つの助成金を、用途別の選び方、共通の対象外経費、よくある質問とあわせて紹介します。
東京都中小企業振興公社とは?
公益財団法人東京都中小企業振興公社は、東京都が設立した中小企業支援の専門機関です。資金・技術・販路・人材などの面から、都内の中小企業や個人事業主の経営を支援しています。
公社の助成金事業は返済不要の資金支援で、毎年多くの企業が申請します。国の補助金(新事業進出・ものづくり補助金、デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)など)と違い、対象を都内の事業者に絞っています。
2026年度に注目の助成金は6つ
2026年度(令和8年度)に申請が多いと見込まれる6つの事業を、下の表にまとめました。
| 助成金名 | 助成限度額 | 助成率 | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| ① 創業助成事業 | 400万円 | 2/3以内 | 創業予定・設立5年未満 |
| ② 設備投資支援事業 | 2億円 | 最大4/5 | 中小企業・個人事業 |
| ③ サイバーセキュリティ助成金 | 500万円 | 1/2以内 | 中小企業・個人事業 |
| ④ BCP実践促進助成金 | 1,000万円 | 最大2/3 | 中小企業・個人事業 |
| ⑤ 市場開拓助成事業 | 300万円 | 1/2以内 | 評価実績のある企業 |
| ⑥ 展示会出展助成事業 | 150万円 | 2/3以内 | 都内中小企業・個人事業主 |
2026年度(令和8年度)も、創業・設備投資・セキュリティ対策・BCP・販路開拓に使える助成金が用意されています。制度ごとに申請期間が異なるため、公社の最新の募集要項で確認してください。
① 創業助成事業は都内で創業する人向け
創業助成事業は、起業・創業時に必要な経費の一部を最大400万円助成する制度です。東京で創業を考えている方が、最初に検討する制度です。
- 助成限度額:400万円(下限100万円)
- 助成率:2/3以内
- 申請期間:第1回 4月(終了)/第2回 2026年9月29日(火)〜10月8日(木)(終了)
- 担当:創業支援課(TEL:03-5220-1142)
→ 詳細は「創業助成事業とは?」へ
② 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業は設備全般に使える
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業は、機械・システム・ソフトウェアなどの設備導入に使える、公社で最大規模の助成金です。製造業、IT、小売業などの業種が対象になります。
- 助成限度額:2億円
- 助成率:4/5以内(賃上げ要件等による区分あり)
- 申請:随時受付中(回次制、詳細は公社サイト参照)
- 担当:設備支援課(TEL:03-3251-7884)
→ 詳細は「設備投資支援事業とは?」へ
③ サイバーセキュリティ対策促進助成金はセキュリティ製品に使える
サイバーセキュリティ対策促進助成金は、セキュリティ製品・サービスの導入費用に使える助成金です。サイバー攻撃のリスクが高まる中、中小企業の経営者やIT担当者から注目されています。
- 助成限度額:500万円(下限10万円)
- 助成率:1/2以内
- 申請:随時受付中(回次制)
- 担当:設備支援課(TEL:03-3251-7889)
→ 詳細は「サイバーセキュリティ対策促進助成金とは?」へ
④ BCP実践促進助成金はBCPを実践する設備に使える
BCP実践促進助成金は、策定済みのBCP(事業継続計画)を実践するための設備・物品の導入に使えます。連携型では最大1,000万円と金額が大きく、複数社でのグループ申請にも対応しています。
- 助成限度額:単独型500万円 / 連携型1,000万円(下限10万円)
- 助成率:1/2以内(小規模事業者は2/3以内)
- 申請:随時受付中(回次制)
- 担当:設備支援課(TEL:03-3251-7889)
→ 詳細は「BCP実践促進助成金とは?」へ
⑤ 市場開拓助成事業は評価を受けた製品の販路開拓に使える
市場開拓助成事業は、公社や都から評価を受けた製品・成長産業分野の製品を対象に、展示会出展や広告宣伝の費用を助成します。国内外の見本市・展示会への出展を考えている企業に向いています。
- 助成限度額:300万円
- 助成率:1/2以内
- 申請期間:2026年5月15日〜5月29日(終了)/次回の募集は公社の発表で確認
- 担当:助成課(TEL:03-3251-7895)
→ 詳細は子記事「市場開拓助成事業とは?」へ
⑥ 展示会出展助成事業は出展が決まった時点で申請できる
展示会出展助成事業は、対象製品の要件が無く、都内の中小企業・個人事業主が使える展示会の助成金です。最大の特徴は年間10回の申請機会で、出展予定の展示会が決まったタイミングで申請できる使い勝手の良さが魅力です。助成率は2/3と⑤市場開拓助成事業(1/2)より高く、出展費用が225万円以下の場合は本事業のほうが助成額が大きくなります。
- 助成限度額:150万円(下限10万円)
- 助成率:2/3以内
- 申請期間:2026年4月〜2027年1月(月次で年10回)
- 申請条件:GビズIDプライム取得・無料経営分析の受診(要事前準備)
- 担当:助成課(TEL:03-3251-7895)
→ 詳細は「展示会出展助成事業とは?」へ
どの助成金を選べばいい?
助成金は、使いたい用途から選びます。用途ごとの候補は次の表のとおりです。
| やりたいこと | おすすめ助成金 |
|---|---|
| これから起業・創業したい | ① 創業助成事業 |
| 機械・設備・システムを導入したい | ② 設備投資支援事業 |
| セキュリティ対策をしたい | ③ サイバーセキュリティ助成金 |
| 災害・リスクへの備えを強化したい | ④ BCP実践促進助成金 |
| 展示会に出展したい(評価製品あり・大型) | ⑤ 市場開拓助成事業 |
| 展示会に出展したい(評価製品不要・使いやすさ重視) | ⑥ 展示会出展助成事業 |
| 新製品・新技術を開発したい | 新製品・新技術開発助成事業(令和8年度は募集終了、次年度要確認) |
| デジタルツールを導入したい | 経営力強化に向けた創意工夫チャレンジ促進事業(業務改善コース) |
どの助成金でも対象外になる経費は5種類
公社のどの助成金でも、人件費、消費税などの税金、建物・土地、中古品・汎用品などは対象外の経費です。主なものは次のとおりです。
主な対象外経費一覧
人件費・労務費
- 自社従業員の給与・賞与・社会保険料
- 代表者・役員報酬
消費税・税金
- 消費税(課税事業者は対象外。免税事業者は助成対象となる場合あり)
- 固定資産税・印紙税・登記費用
建物・不動産関連
- 建物の建設・購入費用
- 土地の取得・賃借費用
- 内装・外装工事(一部事業を除く)
中古品・汎用品
- 中古設備・中古品の購入費
- 汎用性の高い備品(PC・スマートフォン・一般家電など)
その他
- 保険料・担保費用
- 接待交際費・慶弔費
- 助成対象期間外に発生した経費
- 他の補助金・助成金との重複申請分(原則不可)
- 自社・関連会社・代表者の親族が営む業者への発注分
ポイント: 「助成対象期間」は交付決定日以降が原則です。交付決定前に発注・契約・支払いをした経費は対象外になります。交付決定通知を受け取るまで発注しないよう注意してください。
申請前に確認する注意点は5つ
公社の助成金では、交付決定の前に発注した経費は全額が対象外になります。申請前に、次の5点を確かめます。
1. 交付決定前の発注はNG
助成金は「交付決定通知」を受け取った後でないと、助成対象経費の発注・契約・支払いができません。「採択されるだろう」という見込みで先行発注すると、全額が対象外になります。
2. 事業実施期間を守る
各助成金には定められた事業実施期間があります。期間外の経費は対象外です。
3. 都税の滞納がないこと
公社の助成金は、都税(法人事業税・都民税など)の滞納がある場合は申請できません。事前に納税状況を確認してください。
4. 他の助成金との併用
同一経費への複数助成金の重複申請は原則認められていません。ただし、異なる経費への別々の申請は可能な場合があります。個別に担当課へ確認することを推奨します。
5. 書類の不備・虚偽申告
書類の不備や虚偽申告が判明した場合、採択後でも交付決定が取り消され、違約金が発生することがあります。
よくある質問
複数の助成金を同時に申請できますか?
同一経費への重複申請は不可ですが、異なる経費・異なる事業に対しての申請は原則可能です。ただし審査の状況によるため、担当課への事前確認を推奨します。
個人事業主でも申請できますか?
ほとんどの助成金は個人事業主も対象です。一部事業は法人限定の場合があるため、各事業ページで対象者を確認してください。
採択率はどのくらいですか?
公社は採択率を公表していないケースが多いですが、創業助成事業のような人気事業では倍率が高くなる傾向があります。申請書類の完成度が採否を左右するため、事前相談の活用が有効です。
申請前に相談できる窓口はありますか?
各担当課への電話相談のほか、公社の「ワンストップ相談窓口」でも対応しています。応募前の書類確認や相談を積極的に活用しましょう。
消費税は助成対象になりますか?
課税事業者は消費税が対象外、免税事業者は助成対象となる場合があります。インボイス登録の有無も含め、担当課に確認してください。
ほかの質問も見る補助金のよくある質問
まとめ
公社の助成金は、創業・設備投資・展示会出展など用途ごとに分かれています。「自社が何に使いたいか」を決めてから、用途別の早見表で助成金を絞り込みます。
申請のポイントは以下の3点です。
- 交付決定前に発注しない(最重要)
- 都税の滞納がないか事前に確認する
- 申請期間・締切を見落とさない(短期募集が多い)
公社の助成金は無料で相談できます
助成金は、時間をかけて申請しても採択されなければ1円も入りません。採択の可能性を高めるには、事業計画の検討や助成金の選び方を専門家に助言してもらうのが近道です。
公式サイト: https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/index.html
参考資料・出典
本記事の作成にあたり、以下の公式資料を参照しています。
- 令和8年度 助成金事業一覧(公益財団法人 東京都中小企業振興公社)
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/index.html - 令和8年度 創業助成事業 募集要項(公社 創業支援課)
https://startup-station.jp/m2/services/sogyokassei/ - 令和8年度 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業 募集要項(公社 設備支援課)
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/setsubijosei/yakushin.html - 令和8年度 サイバーセキュリティ対策促進助成金 募集要項(公社 設備支援課)
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/setsubijosei/cyber.html - 令和8年度 BCP実践促進助成金 募集要項(公社 設備支援課)
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/setsubijosei/bcp.html - 令和8年度 市場開拓助成事業 募集要項(公社 助成課)
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/shijo.html - 令和8年度 展示会出展助成事業 募集要項(公社 助成課)
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/tenjikai/r8/index.html - 中小企業基本法における中小企業者の定義(中小企業庁)
https://www.chusho.meti.go.jp/soshiki/teigi.html
免責事項
本記事は、2026年10月13日時点で公開されている公式資料をもとに作成した情報提供を目的としたものです。東京都中小企業振興公社が実施する各助成金の制度内容・助成率・申請スケジュール・対象経費等は、予告なく変更される場合があります。
申請にあたっては、必ず各制度の最新の募集要項および公式サイトをご確認のうえ、各担当課へお問い合わせください。本記事の情報に基づいて行動した結果生じたいかなる損害についても、当サイトは責任を負いかねます。
| 制度 | 担当課 | 連絡先 |
|---|---|---|
| 創業助成事業 | 創業支援課 | TEL:03-5220-1142 |
| 設備投資支援事業 | 設備支援課 | TEL:03-3251-7884 |
| サイバーセキュリティ助成金 | 設備支援課 | TEL:03-3251-7889 |
| BCP実践促進助成金 | 設備支援課 | TEL:03-3251-7889 |
| 市場開拓助成事業 | 助成課 | TEL:03-3251-7895 |
| 展示会出展助成事業 | 助成課 | TEL:03-3251-7895 |
公社公式サイト: https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/index.html
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