ものづくり補助金平成26年度製造業宮城県

スカルメルト法による酸化ガリウム単結晶育成の為の融解技術の開発

株式会社ジー・イー・エス

この事例のポイント

  • 国内ではスカルメルト法による酸化物の溶解の実例がほぼなく、溶解技術を確立する必要があった。
  • 同社の理化学事業部では2012年からスカルメルト法と呼ばれる結晶作成技術の開発を行ってきた。
  • スカルメルト法とCZ法を組み合わせることで、世界に例のない単結晶作成技術が実現する見込みである。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ジー・イー・エス
所在地宮城県
業種生産用機械器具製造業
技術分野材料製造プロセス

事業の背景

株式会社ジー・イー・エスは産業用機械と理化学機器の設計・製作を行い、主力の電子機器や自動車機器分野ではファクトリーオートメーションの設計・製作を手がけている。性能・コスト・納期を高いレベルで満たす提案型の営業により、国内大手メーカーや部品サプライヤーから厚い信頼を得ている。製品の納入先は欧米諸国やアジアなどにも及んでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術国内ではスカルメルト法による酸化物の溶解の実例がほぼなく、溶解技術を確立する必要があった。

やったこと

同社の理化学事業部では2012年からスカルメルト法と呼ばれる結晶作成技術の開発を行ってきた。この方法は高価な白金るつぼを使わずに酸化物を溶解して結晶を作り出すもので、2014年にはニオブ酸リチウムの溶解に成功した。次の段階として酸化ガリウムの溶解を目指し、コールドコンテナとワークコイルの形状、高周波発信器の周波数、酸化ガリウムの形状など多様な面から溶解テストを実施して最適条件を探っている。溶解を始めるためのイニシエーター(着火剤)も検討の対象とした。

新しい製品・サービス:スカルメルト法とCZ法を組み合わせた酸化ガリウムの単結晶作成技術

事業の効果

スカルメルト法とCZ法を組み合わせることで、世界に例のない単結晶作成技術が実現する見込みである。高価な白金るつぼが不要で、2000度以上の高温にも対応し、大型で高純度の結晶を安価に作成できる。酸化ガリウムの単結晶が可能になれば、省エネルギーや新エネルギーの効率化に大きく貢献できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成24年からスカルメルト法の開発を行い、平成26年にニオブ酸リチウムの溶解に成功したと経緯が具体的に書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    産業機械と理化学機器の双方の技術力や、大手メーカーからの信頼という強みは書かれているが、市場動向との関係の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    溶解に最適な条件を見いだすため開発を重ねていると課題と取組は書かれているが、事業計画の数値や具体的な高付加価値化の見通しは示されていない。

事業の実現可能性36%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    開発体制や人材、事務処理能力について記述はなく、研究開発を継続していることのみうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    酸化ガリウムが次世代パワーデバイス用材料として注目され、高純度・低コストの結晶が作れる点が書かれ、選ばれる理由の一端は読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    次のステップとして酸化ガリウムの溶解を目指すとあるが、スケジュールや課題解決方法の具体的記述はほぼない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    国内では溶解の実例がほぼなく、スカルメルト法とCZ法の組み合わせは世界に例を見ない新技術と書かれ、新規性がうかがえる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    酸化ガリウムの省エネルギー・新エネルギーの効率化への貢献が述べられているが、経済波及や雇用創出の数値はない。

  • 費用対効果3

    高価な白金るつぼが不要で安価に高純度結晶が作れると書かれているが、投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    新しい結晶作成技術により新半導体材料の製造に貢献し得る点がうかがえるが、サプライチェーンへの広がりの記述は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    次世代パワーデバイス用新半導体材料の製造技術という成長分野への進出が書かれ、構造転換への寄与がうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    地域に根付いた国際企業を目指すとあり、宮城の技術を活かす点はうかがえるが、地域の雇用や成長への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

技術ライセンスの販売を展開する予定で、メイド・イン・ミヤギの技術と製品により、地域に根付いた国際企業を目指している。

事業者の声

スカルメルト法の溶解技術はロシアやドイツで確立されていますが、国内では溶解に関しての実例がほぼありません。当社では、絶縁性酸化物をスカルメルト法で溶解し、当社保有技術であるCZ法で単結晶を作成する技術開発を継続しており、次のステップとして酸化ガリウムの溶解を目指しました

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。