ものづくり補助金平成27年度製造業静岡県

日本国内販売普及を目指す低コスト超小型電気自動車の試作開発

株式会社エフテーシー

成果ホイールベース100mmの延長に対し、最小旋回半径は0.45m短縮

この事例のポイント

  • 自動車部品の市場の見通しが不透明になっており、電気自動車関連の新事業を模索する必要があった。
  • 日本国内での販売普及を目指す低コスト超小型電気自動車の試作開発に取り組んだ。
  • ホイールベース100mmの延長に対し、最小旋回半径は0.45m短縮。開発した超小型EVは、パーツの使い分けと足回りの快適性に注力した結果、小回りと乗り心地が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社エフテーシー
所在地静岡県 浜松市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野機械制御
資本金1億円
設立1961年

事業の背景

浜松市に本社を置く同社は、自動車・輸送機械向けの部品製造を主に行っており、主力はアフターパーツ向けの各種自動車用フィルターの製造・販売である。プレス加工から濾過体部品の加工、塗装までを内製化し、短納期・低コスト・高品質を実現している。自動車開発では軽量化競争が激化し、自動車部品の市場の見通しは不透明になっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術自動車部品の市場の見通しが不透明になっており、電気自動車関連の新事業を模索する必要があった。
  • 生産能力今後の電気自動車や燃料電池車の普及によりエンジン回りのフィルター類が減産する恐れがあった。
  • 新製品・新技術国内外の電気自動車市場は既に形成されており、闇雲に参入しても成功する可能性は低かった。
  • 新製品・新技術海外の格安超小型EVは基本性能が低く、国産EVは機能不足や一充電走行距離の短さなど課題があった。

やったこと

日本国内での販売普及を目指す低コスト超小型電気自動車の試作開発に取り組んだ。元電気自動車部門の責任者である顧問の知識・ノウハウと、同社の技術力を融合させて製品を設計した。パーツは基本部品に導入しやすい中国製を活用し、品質・強度面や動力部分には信頼性の高い日本製を採用した。足回りではナックルアームを設計してフロントアスクルの切れ角を増大させ、ホイールベース100mmの延長に対して最小旋回半径を0.45m短縮した。リヤアスクルにはラテラルロッド付トレーリングアーム方式を採用し、タイヤの接地圧変動を軽減して乗り心地を改善した。

新しい製品・サービス:日本国内販売普及を目指す低コスト超小型電気自動車

事業の効果

  • ホイールベース100mmの延長に対し、最小旋回半径は0.45m短縮
  • コスト低減の結果、価格を80万円代から設定することが可能となった

開発した超小型EVは、パーツの使い分けと足回りの快適性に注力した結果、小回りと乗り心地が向上した。コスト低減により80万円代の価格設定が可能になり、販売店を20社確保して営業・販売を行っている。今後も改良を進め、国内での普及を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    自動車部品製造からの新分野挑戦と電気自動車関連事業の模索が記載され、過去の事業との関連は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自動車産業の市場の不透明さや、フィルター減産の恐れに触れ、一貫生産体制が強みとされている。ただし競争優位の具体的な分析は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    フィルター減産の恐れという課題認識と、電気自動車事業への転換の方向性は読み取れる。ただし事業計画の数値や実効性は示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高い付加価値や賃上げを実現する目標値は書かれておらず、わずかに販売店20社確保や価格80万円代の記載がうかがえる程度。

  • 事業を進める体制3

    顧問の佐藤氏が電気自動車部門の責任者経験を持つ点や、社内の技術部門の存在が記載され、体制の一部がうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    海外製の低価格だが性能の低い車と国産車の課題を整理し、バイク感覚で使える基本性能とユーティリティを狙うと明確に記載されている。

  • 事業化までの道筋3

    パーツの使い分けや足回りの設計など開発方法は書かれているが、中長期の検証やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    国内の超小型EV市場は既に形成されているとしつつ、価格80万円代で国産の利便性を高める差別化が示されている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    地域の自動車産業やサプライチェーンへの影響は触れられておらず、国が補助する積極的理由はわずかにうかがえるにとどまる。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加は書かれていないが、コスト低減により80万円代の価格を実現した点がわずかにうかがえる。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    電気自動車という先進分野への進出が記載され、構造転換との関連はうかがえるが、日本経済への言及は薄い。

  • 地域経済への波及2

    浜松市の自動車産業集積地での立地はわずかにうかがえるが、地域の経済成長への具体的な牽引効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も更なる改良を進め、国内での普及を目指していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。