ものづくり補助金平成27年度建設業山口県

砕石製造プロセスの改善による生産性の向上と IoTを用いた効率的な維持管理計画

住吉工業株式会社

この事例のポイント

  • 一次破砕と二次破砕を別日に行って電力使用量を分割していたため、生産日数が増え生産能力が低下していた。
  • 電動自走式ジョークラッシャNE300Jを導入し、固定式から移動式へ改善して生産能力を向上させるとともに、一次破砕と二次破砕の同時運転を可能にして生産プロセスをワンストップ化した。
  • 一次破砕と二次破砕の同時運転が可能となり、生産性が飛躍的に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名住吉工業株式会社
所在地山口県
業種総合工事業
技術分野機械制御,材料製造プロセス,情報処理,測定計測

事業の背景

砕石製造部門の古石製品は、道路・橋梁・鉄道・港湾・空港など社会インフラや様々な建造物に広く使われている。一方で、その需要は政治や景気動向に色濃く反映されてきた。このため、本事業の前から生産日の分割やエネルギー監視システムの導入に取り組み、電力デマンド値を意識した生産管理を行ってきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力一次破砕と二次破砕を別日に行って電力使用量を分割していたため、生産日数が増え生産能力が低下していた。
  • コスト・採算電力使用量は機器ごとに見える化していたが、突発的な電力デマンド値の超過を防ぐ手段や、過大な負荷による機器の損傷を予防する手段が不足していた。
  • 生産能力生産能力の問題から、建設廃棄物のがれき類を原料とする再生砕石の製品種類を拡充できていなかった。

やったこと

電動自走式ジョークラッシャNE300Jを導入し、固定式から移動式へ改善して生産能力を向上させるとともに、一次破砕と二次破砕の同時運転を可能にして生産プロセスをワンストップ化した。各製品ホッパーのON・OFFによる信号回路から開閉状態を把握し、単位時間あたりの流出量を実測して監視システムに取り込み、品種別の生産量を管理する技術を確立した。スマートフォンで個別機器ごとの電流を監視できる仕組みを構築し、電力デマンド値超過を防ぐ限界値検知による自動警告(スマートフォン、パトライトによる異常の周知)も組み込んだ。電動自走式ジョークラッシャは機器に搭載された発電機を電源とするため、稼動時に電力デマンド値が増えない。さらに制御システムを自社システムと連携させ、メンテナンス性と維持管理手法を改善した。

  • 加工機電動自走式ジョークラッシャNE300J
  • ソフト当社独自のスマートフォン用アプリケーション

新しい製品・サービス:再生砕石の製品種類の拡充

事業の効果

一次破砕と二次破砕の同時運転が可能となり、生産性が飛躍的に向上した。一次破砕設備が砕石位置にあるため、積込作業者が破砕作業を兼務でき、作業効率も大幅に改善した。制御システムの連携によりメンテナンス性が向上し、整備作業の負担も大幅に軽減された。リアルタイム生産量管理により、品種別に正確な生産量の管理と異常の見える化が実現した。

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均2.8 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決生産日分割で日数増加と能力低下という課題を明示し、一次・二次破砕の同時運転で生産性を飛躍的に向上させる解決策を示している。
  • 4
    イノベーションへの貢献IoTとスマートフォンアプリによる生産量・エネルギーのリアルタイム管理を構築し、業界の生産管理の見える化に貢献し得る。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値や賃上げの目標値は記載がなく、生産性向上の定性的な記述にとどまる。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    従来から電力デマンド管理と生産日分割、エネルギー監視を続けてきた経緯があり、それを発展させた設備導入として一貫性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    砕石需要の変動や建設廃棄物増加を踏まえ、移動式設備とIoTで生産能力を高める方向で自社の既存施設とも組み合わせている。

  • 課題の認識と解決4

    生産日分割で日数増加と能力低下という課題を明示し、一次・二次破砕の同時運転で生産性を飛躍的に向上させる解決策を示している。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値や賃上げの目標値は記載がなく、生産性向上の定性的な記述にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    自社独自のアプリ開発や自社システムとの連携を進めており、導入機器を運用する体制の記述がある。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    リサイクル製品の需要増や建設廃棄物量の増大という社会ニーズを踏まえ、再生砕石の種類拡充を目的としている。

  • 事業化までの道筋3

    リアルタイム監視によるジャストインタイム生産の手法確立を今後の方針として示し、段階的な進め方が読み取れる。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    電動自走式ジョークラッシャの特徴は述べられているが、分野での普及度や高付加価値化の水準に関する記述は薄い。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    道路・橋梁・港湾などの社会インフラに用いられる砕石の安定供給と、リサイクル率向上という社会ニーズへの対応が示されている。

  • 費用対効果2

    投入額に対する付加価値額の増加や費用対効果を示す数字が記載されておらず、弱い。

  • イノベーションへの貢献4

    IoTとスマートフォンアプリによる生産量・エネルギーのリアルタイム管理を構築し、業界の生産管理の見える化に貢献し得る。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    生産性向上や循環型社会形成への言及はあるが、成長分野への進出による構造転換との関係は明確でない。

  • 地域経済への波及2

    地域の雇用創出や経済成長を牽引する記述は見当たらず、社員教育への言及にとどまる。

今後の展望

再生砕石の種類を拡充し、今後の砕石需要の増加や建設廃棄物量の増大に伴うリサイクル率の向上といった社会ニーズに対応していく。IoTを活用した生産プロセスの最適化を発展させ、ジャストインタイムを実現する手法の確立を目指す。生まれた時間を社員の教育やワークライフバランスの充実に充て、社員のモチベーションや質の向上につなげる方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。