ものづくり補助金平成26年度建設業東京都

下水道維持管理における複数会社リアルタイム総合管理システムの開発

下水道メンテナンス協同組合

この事例のポイント

  • 下水道管の老朽化が急速に進み、取り替えが必要な下水道管が今後増えていく。
  • 東京23区を3ブロックに分け、トラブル発生現場を中心に最も近い組合員へ出動要請できる仕組みを作った。
  • 組合員各社の情報を一元管理し、現場の情報をリアルタイムに可視化できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名下水道メンテナンス協同組合
所在地東京都 東京都千代田区
業種総合工事業
従業員数14人
資本金5,550万円
設立1976年

事業の背景

当組合は下水道管の詰まりや破損、道路陥没への対応などを、組合員約100社と連携して365日24時間体制で行っている。東京都の下水道管は老朽化が進み、今後20年で法定耐用年数50年を超える管の取り替えが必要となり、約8,900kmに達する。平成24年から28年度の5年間の道路陥没のうち下水道管の破損が原因のものは累計で約2,900件に上る。東京都下水道局は平成41年度までに都心区の再構築を完成させる計画で、従前の整備ペースに比べ約2倍近くに上がる見込みである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力下水道管の老朽化が急速に進み、取り替えが必要な下水道管が今後増えていく。
  • 人手・技能人手不足により、業務の効率化が喫緊の課題となっている。
  • 生産能力組合員の所在地で担当地域を分けていたため、現場に最も近い組合員が対応できず、最短時間で対応できない場合があった。
  • 人手・技能人材や資機材の保有状況がリアルタイムで共有されておらず、効率的な対応が難しかった。
  • 生産能力従来の管理システムは単なる現場監視で、施工会社名や担当者名などの報告に限られていた。
  • コスト・採算緊急対応の経費見積はすべて工事後となり、その算出もエクセルで行っていた。
  • 人手・技能下水道管の情報が人の記憶に頼っており、業務の引継ぎがスムーズにいかなかった。

やったこと

東京23区を3ブロックに分け、トラブル発生現場を中心に最も近い組合員へ出動要請できる仕組みを作った。全現場の情報と組合員各社の人材・資機材の情報を電子化し、地図上で24時間365日可視化できるMASシステムを開発した。スマートフォンのアプリで現場の写真をシステムサーバーに送信し共有できるようにした。GPS機能による位置情報と地図を連動させ、道路状況を反映した最短ルートの検索機能も備えた。

ソフトリアルタイム総合管理システム(MASシステム)
ソフトスマートフォンアプリ

新しい製品・サービス:MASシステム(リアルタイム総合管理システム)

事業の効果

組合員各社の情報を一元管理し、現場の情報をリアルタイムに可視化できるようになった。道路下の埋設物などの地下データを蓄積し、データベース化して技術継承や都市計画に役立てられる体制ができた。人材育成や作業員の社会保険加入、非正規雇用労働者をゼロにする取り組みにも活用する予定である。初期目標だったペーパーレス化は実現できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の現場監視システムからの発展として、組合の情報一元管理に取り組んだ経緯が書かれているが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    下水道管の老朽化や需要増、人手不足という外部環境は書かれるが、組合の強みと競争優位の関係は具体的に述べられていない。

  • 課題の認識と解決4

    業務管理の遅れ・事業社数の伸び悩み・人手不足という課題を挙げ、最短ルート検索や出動要請の仕組みで対応する計画が書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの数値目標は見当たらず、100%社会保険加入という目標がうかがえる程度。

  • 事業を進める体制3

    約100社の組合員との連携や365日24時間体制など体制の記述はあるが、補助事業の遂行体制は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    24時間365日の地図上可視化や写真共有など、製品の機能と組合・組合員の具体的な利用場面が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    初期段階の目標としてペーパーレス化を実現し、今後はデータ蓄積と発注者連携を進める流れが示されているが、期限や詳細手順は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    下水道維持管理の現場にデジタル管理を導入する点は書かれるが、分野の普及度や高付加価値化の水準は明示されていない。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用4

    東京都の下水道管約8,900kmの更新や陥没件数「0」目標など、社会インフラとしての必要性が数字で示されている。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す投入額や付加価値増の数値は書かれておらず、ペーパーレス化の実現のみ記されている。

  • イノベーションへの貢献4

    GPSと地図の連動やビッグデータ化、発注者との連携構想など、デジタル技術による業界のイノベーション構想が書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    都市計画や技術継承への貢献がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及3

    東京23区を3ブロックに分けた地域対応や地域インフラ維持の役割が書かれ、地域の特性への対応がうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は枝葉となる各種データを蓄積する段階に入る。将来的には発注者とも連携できれば、情報の共有化が進み、発注者と受注者の双方にとってより良いシステムになると考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。