ものづくり補助金平成25年度建設業高知県

高精度ドリルマシン導入による生産力・品質強化

有限会社 福原鉄工

成果孔明け時間(1部材あたり) 890秒→390秒

この事例のポイント

  • 旧ドリルマシンは加工速度が遅く、孔明け位置の精度誤差もあるなど機械制御面の課題が複数あった。
  • 高知県内初となる最新機種のNCオートドリルマシン「DNFⅡ1050」を導入した。
  • 孔明け時間(1部材あたり) 890秒→390秒。孔明け加工時間が大幅に短縮され、加工速度のバランスが改善して生産力が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 福原鉄工
所在地高知県 高岡郡佐川町
業種総合工事業
技術分野機械制御,精密加工
従業員数15人
資本金500万円
設立1990年

事業の背景

高知県内の建設工事を中心に建築鉄骨構造物を製作する会社で、創業以来「適切な品質と対応」を最重要視してきた。建築鉄骨構造物の製作工場では低価格化・短納期化が進み、設計強度を満たす品質で早く製作できるかが重要な課題になっている。数年前から依頼を受ける部材の大きさが大きいものにまで広がっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力旧ドリルマシンは加工速度が遅く、孔明け位置の精度誤差もあるなど機械制御面の課題が複数あった。
  • 生産能力一次加工ライン上で他工程との加工速度のバランスが悪く、孔明け後の作業に待ち時間が生じていた。
  • 人手・技能旧ドリルマシンは設置後24年が経過し、部材の大型化に対して性能の限界を感じていた。
  • 品質・精度ウェブの孔明けが終わるまで次の孔明けができず動作ロスがあり、材料の送材も歪んだ材料では空転して常時監視が必要だった。
  • 品質・精度孔明け位置の測定を随時調整しなければ許容範囲(±1.5mm)を超えてしまう状態だった。
  • 生産能力幅150mm未満の材料は手作業で加工しなければならなかった。

やったこと

高知県内初となる最新機種のNCオートドリルマシン「DNFⅡ1050」を導入した。ドリルは左・右・上が独立して材料の横断方向と長手方向に動き、ドリル相互の待ち時間がなくなった。材料の送材は、材料のフランジ外面を駆動ローラと従動ローラで挟むピンチローラ方式とし、歪んだ材料でも空転せず送れるようにした。材料の側面と上面にある押えバイスが反った材料も押え込み、固定後に孔明け位置を自動測定・補正するため正確な孔明けができる。加工最小サイズは100mm×50mmとなり、加工可能サイズは1,025mm×500mmになった。導入後は、図面データから出力されたNCデータをUSBメモリで直接入力できるようにし、操作担当者にはメーカーによるオペレーター教育を行った。

加工機NCオートドリルマシン(DNFⅡ1050)

事業の効果

  • 孔明け時間(1部材あたり) 890秒→390秒

孔明け加工時間が大幅に短縮され、加工速度のバランスが改善して生産力が向上した。入力時間の短縮と入力ミスの防止により品質も強化された。工場内に一次加工品をストックできるようになり、作業員が他工程の加工作業を行えるようになった。精度の良い製品を供給することで取引先からの評価が高まり、一度受注した顧客はほぼ100%再受注に繋がっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    旧機の設置後24年経過や大型部材への需要拡大など経緯は書かれるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    地場ゼネコンへの好印象や再受注ほぼ100%など強みに触れるが、市場動向との関係の分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    孔明け時間14分50秒が6分30秒と半分以下になったなど課題と効果が数値で示され、高付加価値化につながる計画と読める。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    賃上げ目標は書かれず、受注量拡大を目指すとあるが、付加価値向上の数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    操作担当者への教育や従業員を交えた検討会は書かれるが、体制全体の具体性は限定的。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大型部材や小部材への対応、短納期物件への対応など顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    設置から試運転、教育までの流れは書かれるが、中長期の検証や今後の段階的スケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    H形鋼の孔明け加工は一般的な分野で、高水準の高付加価値化を示す記述は弱い。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    地域社会への貢献や雇用増加が目標に挙がるが、波及効果の具体的な規模は示されていない。

  • 費用対効果4

    孔明け時間が半分以下になり、雇用1名採用など投資効果の一端が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    NCデータの図面からの自動出力などデジタル化がうかがえるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    高知県内初の導入や地域社会への貢献が書かれ、地域での役割はうかがえるが具体性は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

導入したドリルマシンを活用し、大きなサイズの部材や短納期の物件にも対応して受注工事量の増加を実現していく。一次加工のみの依頼にも柔軟に対応したいと考えている。今後は更なる社員教育と新規雇用を進めたい。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。