ものづくり補助金平成29年度製造業神奈川県

養殖業に向けた連続的に大量のナノバブル水が製造できる装置の開発

株式会社リスニ

この事例のポイント

  • 既存の小型機はナノバブル発生量が少なく、養殖場や池の規模に対応できなかった。
  • 補助金を活用して、養殖業向けに大型化したナノバブル水製造機の開発に着手した。
  • ナノバブル水は魚やエビなどが酸素を取り入れやすい水となり、成長促進に役立つ。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社リスニ
所在地神奈川県
業種電気機械器具製造業
技術分野デザイン,デザイン

事業の背景

当社はJR東日本との事業で駅トイレの尿石除去に使う小型ナノバブル発生機の製造実績を持っていた。ナノバブル水は洗浄力や浄化作用が高く、環境、農業、水産業、工業、食品製造業など幅広い分野での応用が期待されていた。一方で、白く見えるマイクロバブルが中心の装置が多く、ナノバブルを大量に作る手段は限られていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存の小型機はナノバブル発生量が少なく、養殖場や池の規模に対応できなかった。
  • コスト・採算市販の装置は導入コストが高く、養殖への活用が広がっていなかった。
  • 新製品・新技術養殖向けに必要な大型化したナノバブル水製造機はまだ存在せず、開発が必要だった。

やったこと

補助金を活用して、養殖業向けに大型化したナノバブル水製造機の開発に着手した。既存製品の小型機は6L/分のナノバブル発生量だったが、家庭用電源AC100Vで大量発生させる装置を目指した。これまでの実績の約10倍にあたる600トン程度の養殖場や池に対応する能力を開発目標とした。もともとの水に酸素が不足している場合に備えて、空気や酸素等を注入する機構も備えた。試作機は約2ヶ月半の期間で概ね順調に完成した。

新しい製品・サービス:養殖場や池の水を浄化する大型ナノバブル水発生装置

事業の効果

ナノバブル水は魚やエビなどが酸素を取り入れやすい水となり、成長促進に役立つ。池の濁った水を浄化し、黒ひげ苔の除去にも効果が出ている。水質浄化作用により共食いのない過密養殖が実現している。ベトナムのエビ養殖の実証実験でも効果が出ており、本格的な導入が期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    JR東日本との事業で小型ナノバブル発生機を開発・製造した実績があり、過去の取組との連続性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    既存小型機は6L/分で、家庭用電源で大量発生させる装置を開発したとあり、自社の強みと課題は読めるが市場動向の記述は少ない。

  • 課題の認識と解決3

    養殖向けに600トン規模対応を目標とした課題認識は読み取れるが、高付加価値化や成長への道筋は具体的に書かれていない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    既存の約10倍となる600トン対応を目標としたと書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    約2ヶ月半の補助事業期間で概ね順調に開発が進んだとあるが、体制や人材、事務処理能力についての記述はうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ナノバブル水が養殖で成長促進や水質浄化に効果があり、ベトナムのエビ養殖で実証されたと具体的に書かれ、顧客ニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋3

    試作機は順調に完成し、那覇市の識名園などで導入実績があるとされるが、中長期の課題検証や遂行スケジュールの詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    導入コストの課題が指摘されているが、財務状況や金融機関からの資金調達についてはうかがえる程度の記述である。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ナノバブル水は養殖分野で広く普及していなかったとされ、市販装置の制限を超える大量発生という高水準の性能を目指している。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    環境分野や農業、水産業など幅広い応用が期待されると書かれているが、雇用創出や波及効果の具体的な数字はない。

  • 費用対効果2

    補助事業の期間や目標規模は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    ナノバブル技術で水質浄化や過密養殖を実現する点は読み取れるが、デジタル技術や新ビジネスモデルへの言及は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    水の応用が環境や水産業など幅広い分野に期待されると書かれ、成長分野への進出がわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及2

    那覇市の識名園など地域での導入例はあるが、地域特性を活かした雇用創出や地域経済成長への言及は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ベトナムのエビ養殖での実証結果を受け、本格的な導入が期待されている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。