ものづくり補助金平成25年度製造業千葉県

ソーラーシェアリングでの太陽電池を太陽に追尾させる装置の開発

有限会社エムエスイー

この事例のポイント

  • 時間軸の実験設備が影などに影響されず、データを得られるようにする。
  • 千葉市稲毛区の会社近くの自社用地400坪を購入し、2015年4月に50kW連系を行った。
  • 2015年7月から2016年5月までの結果では、②は①に対して誤差を計算した上で13.2%の売電効果が見られた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社エムエスイー
所在地千葉県 千葉市稲毛区
業種電気機械器具製造業
技術分野機械制御
従業員数17人
資本金500万円
設立1989年

事業の背景

有限会社エムエスイーは制御盤製造と太陽光発電関連事業を営み、得意分野は制御技術である。電力会社の電力買取価格は当初の40円/kWhから24円/kWhとかなり減少し、さらに下がる傾向にある。また農業従事者が減少している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度時間軸の実験設備が影などに影響されず、データを得られるようにする。
  • 品質・精度固定架台と時間軸駆動架台との違いが明確に分かるようにする。
  • コスト・採算時間軸駆動に季節軸調整の要素を入れた場合の費用対効果を考える。
  • 生産能力1、2kWの小規模ではなく、低圧発電最大の50kWでの駆動を行う。
  • コスト・採算実験に使うモーター、制御機器、センサー等を安価でベストなものにする。
  • 新製品・新技術太陽電池の大きさを影、重量、取り付ける単管のことも考えてベストなものを選定する。
  • 新製品・新技術シーケンサ等で開発した制御機構を小型化、盤化して汎用品化する。
  • 生産能力目標売電量を、時間軸駆動架台では固定架台と比べて40%アップさせる。
  • コスト・採算目標販売価格は50kW施工で1800万円以内とする。

やったこと

千葉市稲毛区の会社近くの自社用地400坪を購入し、2015年4月に50kW連系を行った。高さ6m、幅5m、長さ18mの大屋根を作り、その上に高さ6mで1.2kWのソーラーシェアリング型装置3基を設置した。①は15度に傾斜してほぼ南向きに6.3kW、②は100Wのやや細長いパネルを6.4kW東西に駆動、③は70Wのかなり細長いパネルを6.16kW東西に駆動する構成とした。駆動部はデンマーク製のモートアクチュエータと電動ウインチを使い、制御方式は自社で開発してセンサーも取り付けた。

その他デンマーク製モートアクチュエータ
その他電動ウインチ
その他自社開発の制御機構・センサー
その他太陽光パネル(100W・70W)

新しい製品・サービス:太陽光パネルを東西に追尾させるソーラーシェアリング用の追尾型装置

事業の効果

2015年7月から2016年5月までの結果では、②は①に対して誤差を計算した上で13.2%の売電効果が見られた。③は①に対して3%程度の売電効果しか得られなかった。当初期待していた25%程度の発電効率アップには届かず、建物の影と電動ウインチの不作動が理由と考えられた。現時点では一定期間ではあるが東西に追尾することのメリットは大きいとしている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    制御盤製造が主力で、太陽光関連は実証研究の延長として位置づけられるが、経営戦略上の位置づけは事例から明確に読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    制御技術が得意分野と記載があり、自社の強みを活かした制御機構開発と読み取れるが、市場動向との関係は具体的に述べられていない。

  • 課題の認識と解決3

    売電量が減る課題と固定架台との比較を挙げ、追尾による売電効果13.2%という数字で効果を示すが、事業化の計画は薄い。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    目標として時間軸駆動で売電量40%アップ、販売価格1800万円以内と数字が示され、実績13.2%との対比もある。

  • 事業を進める体制3

    研究を遂行した体制は読み取れるが、人材や事務処理能力について具体的な記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    農業従事者の収入面や地方創生の観点からの価値は述べられるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    課題を列記し実験の進行と今後の15%アップ見込みに触れるが、スケジュールや課題解決の方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ソーラーシェアリングは普及途上と読めるが、高付加価値化・高価格化の水準は事例からは具体的に示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    農業者の収入増や地方創生に触れており、国が補助する理由として一定の記述があるが、波及効果は数字で示されていない。

  • 費用対効果3

    少ない投資で10%以上の収入アップが可能とあるが、補助金額に対する費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    ソフト変更による制御の改善や農業への提案が述べられ、技術によるイノベーションの可能性はうかがえるが具体性は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    再生可能エネルギーと農業の両立に触れるが、日本経済の構造転換への寄与は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    地方創生の観点に言及し、農業者の励みになるとしているが、地域経済の成長への効果は具体的に示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ソーラーシェアリングは今後の農業を行う人たちに収入面で大きな希望を与え、活力となると考えている。地方創生の観点からも注目されると考えている。今後は効率を高める研究を進め、ソフト変更により15%アップも可能と考えている。自社農場での設置を活かし、農業へのより良い提案とシステム販売につなげたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。