「人を採用したいけど、人件費が重い…」、そんな悩みを抱える中小企業・個人事業主の方は多いはずです。実は、国や自治体の補助金の中には、条件付きで“人件費”が対象になる制度も存在します。
そこで今回の記事では、2026年の最新の動向を踏まえ、人件費が対象となる補助金の考え方と制度を解説します。
目次
人件費は補助金の対象になる?
結論から言うと、人件費が対象となる補助金はあります。
しかし、多くの補助金は、「設備投資・広告・開発費」などの一時的な支出を支援する制度です。そのため、毎月発生する人件費のような継続的コスト(ランニングコスト)は対象外とされるケースが一般的です。
人件費が補助対象となる3パターン
近年の補助金制度では、単なる設備投資支援だけでなく、「人への投資」を重視する流れが強まっています。そのため、一定の条件を満たす場合には、人件費が補助対象として認められるケースも増えてきました。
① 研究開発・技術開発
新製品開発や研究開発型プロジェクトでは、開発に直接関与する人材の人件費が補助対象となることがあります。
② 創業・スタートアップ支援
創業支援系の補助金・助成金では、事業立ち上げ初期に必要となる人件費が対象になることがあります。
③ 事業転換・GX(脱炭素)対応
近年増えているのが、「GX(グリーントランスフォーメーション)」や新規事業転換に伴う人材投資です。
2026年 人件費に使える補助金一覧
人件費に使える主な補助金は以下の通りです。それぞれ解説します。
- 東京都創業助成事業
- 新製品・新技術開発助成事業
- ゼロエミッション推進に向けた事業転換支援事業
- 安全・安心な東京の実現に向けた製品開発支援事業
①東京都創業助成事業
概要
東京都内で創業予定または創業から5年未満の中小企業や個人事業主を対象に、販路開拓や事業立ち上げに必要な経費の一部を助成する制度です。
対象経費
- 事業費(広告・備品・家賃など)
- 従業員の人件費
- 委託費(市場調査や分析など)
※人件費のみでの申請は不可で、必ず事業費を含む必要があります。
助成条件と制限
- 正社員:月額上限35万円
- パート・アルバイト:日額上限8,000円
- 創業者本人やその親族、役員の給与は対象外
https://startup-station.jp/m2/services/sogyokassei/
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②新製品・新技術開発助成事業
東京都が実施する「新製品・新技術開発助成事業」は、都内の中小企業による製品開発や技術革新の取り組みを支援する補助金制度です。開発に必要な資材費や外注費はもちろん、研究開発に従事する社員の人件費も補助対象になる点が特徴です。「東京都内で開発型の新規事業を立ち上げたい」、「人件費込みで補助金を活用したい」とお考えの中小企業にとって、非常に実用性の高い制度です。
補助対象となる主な経費
- 原材料・部品等の原材料費
- 機械・装置・測定機器などの設備費
- 試作品の試作や検証などの委託費・外注費
- 特許出願や知財取得に関する費用
- 技術面のサポートを受けるための専門家指導費
- 研究開発に従事する従業員や役員の人件費(※上限あり)
補助率・助成上限額
- 通常枠:補助率 1/2以上
賃上げ要件を満たす場合: - 中小企業:補助率 3/4以内
- 小規模企業:補助率 4/5以内
- 人件費の補助上限額は最大1,000万円
こんな企業におすすめ
- 新たな製品・サービスを自社開発して販路拡大したい
- 技術革新による差別化を図りたい
- 研究・開発費用やエンジニアの人件費を補助金でまかないたい
- 特許取得や外部専門家との連携を強化したい
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/shinseihin.html
③ゼロエミッション推進に向けた事業転換支援事業
東京都が実施する「ゼロエミッション推進に向けた事業転換支援事業」は、都内中小企業による脱炭素型ビジネスへの転換を後押しする補助金制度です。GXやサーキュラーエコノミーに取り組む企業が、研究開発や人件費、販路開拓費用まで幅広く活用できるのが特長です。
補助対象となる主な経費
- 脱炭素型ビジネスに必要な設備費
- 原材料費・外注費・試作費
- 展示会出展・広告費などの販売促進費
- 研究開発従事者の人件費(上限あり)
- 特許出願などの知的財産関連費用
補助率・上限額
- 通常枠:補助率 1/2以内
- 賃上げ要件を満たす場合:
中小企業:補助率 3/4以内
小規模企業:補助率 4/5以内 - 人件費の補助上限額:最大1,000万円
こんな企業におすすめ
- 脱炭素・再エネ分野で新規事業を立ち上げたい
- GX関連のサービス・製品を開発したい
- 従業員の研究開発工数や人件費も支援対象にしたい
- 地方や海外へ販路を広げたい
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/zeroemi_kaihatsu.html
④安全・安心な東京の実現に向けた製品開発支援事業
「安全・安心な東京の実現に向けた製品開発支援事業」は、防災・防犯・医療・福祉など公共性の高い分野における製品・技術の開発を行う中小企業を支援する東京都の補助金制度です。
社会課題の解決に貢献する新製品開発に対して、研究開発費・外注費・人件費などが幅広く補助対象となるため、社会インパクトのある事業を検討している企業には非常に有効です。
補助対象となる主な経費
- 試作品開発のための原材料・設備費
- 検証や検査のための外注費・委託費
- 研究開発従事者の人件費(上限あり)
- 製品開発に伴う専門家指導料・技術導入費
- 特許出願など知的財産権関連費
補助率・上限額
- 通常枠:補助率 1/2以内
- 賃上げ要件を満たす場合:
中小企業:補助率 3/4以内
小規模企業:補助率 4/5以内 - 人件費の助成上限額:最大1,000万円
こんな企業におすすめ
- 医療・防災・福祉領域で新製品を開発したい
- 高齢化・災害対策など、社会課題に貢献する技術を広めたい
- 開発スタッフの人件費を補助対象にしたい
- 東京都内で新たな公共性ある事業を検討している
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/anzen-anshin.html
【重要】人件費を申請する際の注意点
人件費対応の補助金は便利ですが、審査は厳しめです。よくある落とし穴はこちら👇
- ❌ 人件費だけで申請しようとする
- ❌ 業務内容と人件費の紐付けが曖昧
- ❌ 工数管理(誰が何時間働いたか)が不明確
特に重要なのは、この人件費がなぜ必要か」を説明できるかどうかです。
人件費が補助されるポイント
人件費を補助対象にする場合は、単なるコストではなく、「事業成長のための投資」として設計することが重要です。
- 新規事業の立ち上げ人材
- 開発・マーケティング担当
- DX・効率化推進人材
こうしたストーリーがあると、採択率は大きく変わります。
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参考・引用資料
本記事は以下の公式資料をもとに作成しています。
⚠️ 免責事項・ご注意
本記事について
本記事は、各公的機関が公表している公式資料をもとに、情報提供を目的として作成しています。特定の補助金・助成金の採択を保証・推奨するものではありません。
制度変更について
各制度は年度ごとに、公募時期・補助率・助成上限額・対象要件などが変更される場合があります。申請を検討する際は、必ず最新の公募要領・公式サイトをご確認ください。
申請の際は必ずご確認ください
- 各制度の最新公募要領・募集要項
- 各公式サイトの申請要件
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PROFILE

- 中小企業診断士 / 資金調達・補助金コンサルタント / 外資系戦略コンサルティングファーム出身。独立後、事業再構築補助金・ものづくり補助金を中心に200社超の資金調達を支援し、採択率80%以上を継続して維持しています。補助金申請において最も難しいのは「書類を書くこと」ではなく、「Googleや審査員に刺さる事業計画を設計すること」です。戦略コンサルとしての経験を活かし、単なる申請代行ではなく、事業計画の立案から採択後の実行フェーズまでを一気通貫でサポートすることを強みとしています。これまでの支援先は製造業・小売業・サービス業など幅広く、初めての補助金申請から複数回採択の実績づくりまで対応しています。また、補助金メディアの執筆者として1,000本超の記事を執筆。最新の制度情報・審査傾向を常にアップデートしながら、読者と支援先の双方に正確な情報を届けることを使命としています。


