成長加速化補助金の100億宣言とは?書く項目と掲載までの日数
この記事の要点
成長加速化補助金に申請するには、売上高を大きく伸ばす目標を掲げた「100億宣言」を、申請までにポータルサイトで公表しておく必要があります。公式サイトをもとに、宣言の中身と書き方、公表までの手順と期限の確かめ方を整理しました。
この記事の目次
「売上高100億円を目指す宣言」(100億宣言)は、売上高10億円以上100億円未満の中小企業が、100億円を達成する年と道筋を公表する制度で、成長加速化補助金に申請するには申請の時点で宣言がポータルサイトに載っている必要があります。
宣言はjGrantsで出し、事務局の確認を経て掲載されるまで日数がかかるため、補助金の締切から逆算して先に出しておきます。
成長加速化補助金を考えていて、100億宣言で何を書くのか、いつまでに出せば間に合うのか、宣言だけ先に出してよいのかを知りたい方に向けた記事です。
宣言できる会社の範囲、様式に書く5つの項目、提出から掲載までの日数、補助金の申請との関係、グループで宣言するときの決まりを、100億宣言の申請要領と成長加速化補助金の公募要領で整理します。補助金の審査の進み方は成長加速化補助金の申請方法と審査対策で取り上げています。
100億宣言とは?補助金の申請前に必須の公表
100億宣言とは、中小企業が売上高100億円を目指すことと、そのための目標・課題・取り組み・体制を自ら書き、中小機構のポータルサイトで公表するものです。成長加速化補助金では、この公表が申請の条件になっています。
公募要領は「補助金の公募の申請時までに100億宣言が100億宣言ポータルサイトに公表されていること」と定めています1。宣言を出しただけで掲載前の会社は、補助金の申請の条件を満たしません。
補助金のほうの条件は、宣言に加えて「補助対象経費のうち投資額が1億円以上(税抜き)」と、賃上げの計画です。今の公募回の締切は2026年11月12日(木)15:00(3次公募)で、補助率は1/2、上限は5億円です。採択後の流れは成長加速化補助金の採択後の流れで取り上げています。
御社がこの補助金の対象になるかは、会社のURLを入れるだけでAIが確かめます。
宣言できるのは売上高10億円以上の中小企業
宣言できるのは、売上高10億円以上100億円未満の中小企業で、上場しているかどうかやみなし大企業かどうかは問いません。グループで宣言する場合は、子会社と孫会社を合わせた売上高で判断します。
対象は「売上高10億円以上100億円未満の中小企業(グループ申請はグループ全体の売上高合計)」で、売上高は決算書で確かめます2。基本は直近の決算の売上高で見て、10億円に届かない年がある場合は直近3期分の内容で判断されます。
資本関係のない会社どうしで売上高を足して宣言することはできません。グループの範囲は「企業グループの範囲は子会社及び孫会社。全てを含める必要があり、ひ孫会社等は含められない。親会社が代表して宣言」と決まっているので、海外の子会社がある会社は日本語訳の決算書も用意します。GビズIDの取り方はGビズIDの取得方法で取り上げています。
様式に書く5つの項目と書き方の決まり
宣言の様式には、企業概要、企業理念と経営者のメッセージ、100億円の目標と課題、具体的な取り組み、自由記載の5つを書き、ひな形の項目は全部が必須です。1つでも欠けると掲載されません。
| 項目 | 書くこと | 書き方の決まり |
|---|---|---|
| ① 企業概要 | 本社所在地、事業概要、従業員数、今の売上高、法人番号、Webサイト | 白字で書き、売上高は億円単位で四捨五入する |
| ② 企業理念・経営者メッセージ | 代表権のある経営者の考えと決意 | 黒字で枠の中に収める |
| ③ 目標と課題 | 100億円を達成する年、売上の伸びの道筋、課題 | 売上高100億円の達成予定年を「20〇〇年に」と「年」表記で明記(「~年までに」はNG) |
| ④ 具体的措置 | 成長の手段、先進性、実施体制、外部の協力 | ③の目標と食い違わないように書く |
| ⑤ 自由記載 | グループの体制図など | グループで宣言する場合は体制図が必須 |
出典:成長加速化補助金 100億宣言 申請要領 p.4『100億宣言の記載のポイントと留意点』台帳で見る
書いた内容は「記載内容は全て特設サイトに公表。一部非公表にする対応はできない」とされ、取引先や採用の応募者も読みます。他社の批判や自社製品の宣伝は書けないので、数字と取り組みを淡々と並べます。達成までの期間はおおよそ10年以内が目安で、売上の推移はグラフで示すよう求められています。宣言に書いた取り組みを支援者探しにも使う方法は成長加速マッチングサービスの加点で取り上げています。
提出から掲載までの日数と締切の逆算
宣言はjGrantsで出したあと、事務局の確認を経てポータルサイトに掲載されるまで日数がかかり、補助金の締切が近いと申請が集中してさらに延びます。
- GビズIDプライムを取る(jGrantsで申請(GビズIDが必要。取得に2週間程度要する場合あり))
- ポータルサイトから様式1と様式2をダウンロードし、決算書を3期分そろえる
- 様式を書き、指定のファイル名にしてjGrantsで出す
- 事務局の確認を受け、不備があれば直す
- ポータルサイトに掲載されたことを確かめてから、補助金の申請書に宣言のURLを書く
補助金のよくある質問には、宣言の時期について次の問答があります(成長加速化補助金 3次 よくあるご質問 p.27『Q77』)。「Q:100億宣言を補助金応募と同時に申請できるか → A:3次公募では申請時に宣言が公表済みであることが必要。公表手続は通常2〜3週間かかり、不備があればさらにかかるので早めに進める。」
GビズIDの取得から数えると1か月半ほどかかることもあるので、締切の2か月前には宣言の準備に入ります。
出す書類は「100億宣言(様式1)、100億宣言申請書(様式2)、決算書等(前々期・前期・最新決算期分)」です。補助金の申請書類全体は成長加速化補助金の必要書類で取り上げています。
グループで宣言するときと共同申請の関係
グループで宣言するときは親会社が代表し、子会社と孫会社を全部含めて宣言します。補助金をグループの一部の会社だけで共同申請する場合も、宣言はグループ全体のものが必要です。
公募説明会の資料は「企業グループの一部での共同申請では、売上高要件はコンソーシアムを形成する企業の売上高合計で判定する。100億宣言は補助事業と関係のない会社も含めたグループ全体で必要」と説明しています(成長加速化補助金 3次 公募説明会資料 p.30『2.共同申請③企業グループの一部』)。子会社が自社の親会社を含めたグループを代表して宣言することはできません。
すでに公表した宣言を補助金の公募回ごとに書き直す必要はありませんが、投資計画に関わる方針の変更があれば変更を出すよう勧められています。掲載をやめた会社は「掲載が取りやめられた企業は、取りやめ日から1年間は再び宣言の掲載を申請できない」とされるので、取りやめは慎重に判断します。入金までの資金の考え方は補助金の入金時期と立て替えの準備で取り上げています。
間違えやすい点
間違えやすいのは、掲載の時期、達成年の書き方、グループの範囲の3つです。
補助金の申請の時点で宣言がポータルサイトに掲載されていないと、申請の条件を満たしません。「jGrantsで出した日」ではなく「掲載された日」で締切に間に合うかを考えます。
100億円を達成する年は「20〇〇年に」と書きます。「20〇〇年までに」と書くと、事務局から直しを求められて掲載が遅れます。
グループで宣言するときは、子会社と孫会社を一部だけ選んで含めることはできません。全部を含め、それぞれの決算書を3期分出します。
補助金のほうの申請条件の全体は成長加速化補助金の申請方法と審査対策で確かめられます。
どこで評価が分かれるかは、事業の中身によって変わります。御社の計画でどう書けばよいかは、専門家に無料で相談して確かめられます。
申請の流れは、資料で先につかめます。
専門家から見た100億宣言のポイント
100億宣言は出すだけなら手間は大きくありませんが、補助金の審査では宣言の目標と投資計画がつながっているかが見られるため、宣言を先に雑に出すと後で計画との食い違いが残ります。数字を見ると、宣言の申請は「各公募締切時の100億宣言の申請数は1次公募1517件(2025年6月9日)、2次公募3091件(2026年3月26日)」で、補助金の応募は2次で872件、採択率は25.6%でした。
宣言の数に比べて補助金の応募は少なく、宣言を先に出して投資計画は後から固める会社が多いことがうかがえます。宣言そのものは、補助金の公募回と切り離して早めに出せます。
宣言を急いだほうがよい会社
工場や物流拠点の新設など、税抜1億円以上の設備投資をすでに具体的に考えている会社です。宣言の掲載が締切に間に合わないと、投資計画が固まっていても申請できません。
経営者が交代したばかりの会社も、宣言の経営者メッセージを新しい代表者の言葉で書けるので、交代を機に出すと社内外への説明にもなります。
宣言の前に計画を固めたほうがよい会社
M&Aや新しい事業で売上を伸ばすつもりで、まだ相手や時期が決まっていない会社です。宣言の全文が公表されるため、交渉中の内容は書けず、目標の年だけが先に出てしまいます。
成長加速化補助金の公募回ごとの採択の推移は採択事例のデータで確かめられます。
成長加速化補助金の採択データ
中小企業成長加速化補助金の2次の採択率は25.6%でした。
採択率の推移
よくある質問
100億宣言について、相談でよく聞かれる問いと答えです。
宣言すると補助金以外に何かありますか?
ロゴマークを名刺や自社サイトで使え、宣言企業向けの経営者ネットワークや支援策の案内を受けられます。日本政策金融公庫の宣言企業向けの融資も、宣言が条件の1つです。
子会社だけで宣言できますか?
親会社の規模を問わず、子会社が自社として宣言することはできます。ただし親会社を含めたグループの代表として宣言できるのは親会社だけです。
宣言と補助金の申請を同時に出せますか?
同時に出すと間に合いません。補助金の申請の時点で宣言が公表済みであることが条件なので、宣言を先に出し、掲載を確かめてから補助金を申請します。
宣言に掲載期間はありますか?
決まった掲載期間はありません。100億円を達成した会社は「100億達成企業」として掲載が続く予定とされています。
ほかの質問はよくある質問にまとめています。
出典(2件)
- 成長加速化補助金 3次 公募要領 p.1『1.(3)Ⅰ 補助事業の要件②』
- 成長加速化補助金 100億宣言 申請要領 p.3『宣言にあたっての留意事項2』
いま申請できる回
中小企業成長加速化補助金
- 公募回
- 3次公募
- 締切
- 2026年11月12日(木)15:00
- 補助上限
- 5億円3次公募
公募要領の台帳より(2026年10月30日確認)
まだ相談は早いと感じる方は、まず資料で全体をつかんでください。
この記事の更新履歴
- 最新の公募要領と照らして、数字や制度名を直しました
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