東京都のゼロエミ補助金とは?製品開発と販路拡大の助成の条件

この記事の要点

東京都のゼロエミ補助金は、脱炭素の製品やサービスを開発・販売する中小企業向けの助成で、自社の省エネ設備の入れ替えには使えません。公社の募集要項と採択事例をもとに、2つの助成の上限・助成率と国の補助金との使い分けを整理しました。

この記事の目次
  1. ゼロエミ補助金とは?
  2. 製品開発助成の上限と助成率
  3. 販路拡大助成の上限と助成率
  4. 自社設備の入れ替えは対象外
  5. 国の補助金との使い分け
  6. 申請前に決めておくこと
  7. 間違えやすい点
  8. 専門家から見たポイント
  9. よくある質問
結論

東京都のゼロエミ補助金は、脱炭素につながる製品やサービスを開発して売る中小企業向けの助成で、製品開発助成と販路拡大助成の2つがあります。自社の空調や照明を省エネ機器に替える費用には使えません。

脱炭素の製品づくりに東京都の助成が使えるか、自社の省エネ設備にも出るのか迷っている方に向けた記事です。2つの助成の上限と助成率、対象になる会社の線引きを公社の募集要項をもとに整理します。

ゼロエミ補助金とは?

東京都のゼロエミ補助金は、東京都中小企業振興公社が行う「ゼロエミッション推進に向けた事業転換支援事業」のことです。脱炭素につながる新しい製品やサービスへ事業を広げる中小企業を、開発と販売の両方で支えます。

助成は次の2つに分かれています。

  • 製品開発助成:脱炭素につながる製品やサービスを開発する費用
  • 販路拡大助成:できた製品やサービスを展示会への出展や広告で売り出す費用

製品開発助成の対象分野は、エネルギー、建築物、運輸、サーキュラーエコノミー、フロン対策、気候変動の6分野です。販路拡大助成の対象は、東京都内の本店又は支店で実質的な事業活動を引き続き1年以上行っている中小企業者です。

出典:東京都中小企業振興公社「ゼロエミッション推進に向けた事業転換支援事業(製品開発助成)」「同(販路拡大助成)」

東京都のほかの助成とあわせて探す場合は、東京都の助成金の一覧から比べられます。

製品開発助成の上限と助成率

製品開発助成は、単独で申請すると上限1,500万円・助成率2/3以内です。ほかの会社と共同で申請する場合、上限は3,000万円です。

項目 製品開発助成
申請の形 単独、またはほかの会社との共同
助成の期間 交付決定日(令和9年2月1日予定)から最長1年6か月
受付期間 令和8年6月1日(月)から9月8日(火)17時まで(受付は終了)

出典:東京都中小企業振興公社「ゼロエミッション推進に向けた事業転換支援事業(製品開発助成)」

試作品をつくる段階の助成には、テーマを決めて募集する課題解決型製品・サービス等の試作品開発・改良助成もあります。

販路拡大助成の上限と助成率

販路拡大助成は、上限150万円・助成率2/3以内です。脱炭素につながる製品やサービスを売り出すための、展示会への出展や広告などの費用が対象です。

項目 販路拡大助成
主な費用 展示会への出展、広告など
助成の期間 令和8年11月1日から令和9年11月30日まで
受付期間 8月10日(月)10時から8月31日(月)17時まで(令和8年度の受付は終了)

出典:東京都中小企業振興公社「ゼロエミッション推進に向けた事業転換支援事業(販路拡大助成)」

展示会やECの費用で使える助成は、課題解決型製品・サービス等の販路拡大助成でも整理しています。

展示会の費用に使える国と都の制度は、展示会出展に使える補助金で比べています。

自社設備の入れ替えは対象外

東京都のゼロエミ補助金は、自社の設備を省エネ機器に替える費用には使えません。店舗や工場の空調・冷蔵庫・照明を取り替える費用は、この助成の対象ではありません。

対象になるのは、脱炭素につながる製品やサービスを開発して売る事業です。自社の設備を新しくする場合は、設備投資を助成する制度を探します。

省力化の機器をつくって売る会社は、中小企業省力化投資補助金の製造事業者登録で自社製品を登録する道もあります。

国の補助金との使い分け

国の補助金にも、新しい製品の開発や設備の導入を支える制度があります。東京都のゼロエミ補助金と違い、脱炭素の製品に限りません。

新製品を作って売るならものづくり補助金、既存事業と別の市場に出るなら新事業進出補助金が目安です。自社の人手不足を設備で補うなら、中小企業省力化投資補助金を使います。

補助金 向いている使い方(枠) 補助上限の目安 補助率
ものづくり補助金 新しい製品・サービスの開発と、そのための設備(革新的新製品・サービス枠) 750万円〜2,500万円(従業員数で変わる) 1/2(小規模企業は2/3)
新事業進出補助金 既存事業と別の市場に向けた新しい製品・サービス(新事業進出枠) 2,500万円〜7,000万円(従業員数で変わる) 1/2
中小企業省力化投資補助金 人手不足を補うオーダーメイドの設備(一般型) 750万円〜8,000万円(従業員数で変わる) 1/2(小規模企業は2/3)

ものづくり補助金は、機械やシステムを入れるだけで新製品の開発を伴わない事業は対象になりません。

ものづくり補助金の採択事例

ものづくり補助金の採択事例です。

1新製品の量産と通販

2デザインの内製化と海外販路

ほかの取組の例は、ものづくり補助金の採択事例の一覧から探せます。

製造業で使われた経費や課題は、製造業の採択事例の傾向にまとまっています。

東京都のゼロエミ補助金と国の3つの補助金のうち、どれが自社に合いそうかは、会社のURLを入れるとAIで確かめられます。

AIで対象か確認する

申請前に決めておくこと

東京都のゼロエミ補助金は、募集が始まる前の準備で差がつきます。次の順に確かめておくと、受付期間に間に合いやすくなります。

  1. 製品開発助成と販路拡大助成のどちらから使うかを決めます。
  2. 公社の募集要項で、自社が「中小企業者」に当たるかを確かめます。
  3. 単独で申請するか、ほかの会社と共同で申請するかを決めます。
  4. 開発や出展の計画を立て、見積もりを集めます。
  5. 契約や発注は、交付決定を待ってから行います。

地域の産品を生かした開発の助成は、地域資源活用製品等の開発・販売促進事業で取り上げています。

申請までの準備の流れは、「補助金ガイドブック」で順を追って確かめられます。

申請準備の資料を無料で受け取る

間違えやすい点

東京都のゼロエミ補助金は、名前に「ゼロエミ」と付く東京都のほかの支援と取り違えやすい制度です。

  1. 使う側の設備費は出ない:製品やサービスをつくって売る側の会社のための制度です。省エネ機器を買って使う側の設備費は対象になりません。
  2. 受付の時期が別:製品開発助成と販路拡大助成は、受付の時期が別です。片方の受付が終わっていても、もう片方は受け付けていることがあります。
  3. 事業名を確かめる:申請先の公社のページで、事業名が「ゼロエミッション推進に向けた事業転換支援事業」かを確かめます。
注意

助成の対象になるのは、交付決定の後に契約・発注した費用です。決定の前に始めた開発や出展の費用は対象になりません。

東京都のほかの助成の受付の時期は、東京都の助成金の一覧でまとめて見られます。

専門家から見たポイント

東京都のゼロエミ補助金で問われるのは、脱炭素の製品が御社のこれまでの事業からどうつながるかです。今の技術や取引先を生かした事業転換の筋道を、数字で示せるかが分かれ目になります。

新事業進出補助金の採択事例97件でも、新しい市場への進出を課題に挙げた事例は45.4%でした。国の補助金でも、既存事業からの筋道が計画の軸になっています。

向いている会社

省エネ部品や再生素材など、すでに持っている技術で脱炭素の製品をつくれる会社です。開発の後に売る先の見込みまで計画に書けると、製品開発助成から販路拡大助成へ続けて使えます。

迷う会社

製品のアイデアはあっても、脱炭素にどれだけ役立つかを数字で示せない会社は迷います。CO2がどれだけ減るのかを、使う人の目線で説明できるかを先に確かめます。

自社に足りない技術を補う場合は、東京都の知的財産活用製品化支援助成事業で開放特許を使う道もあります。

東京都のゼロエミ補助金で製品を開発するか、国の補助金で設備から整えるかで、準備する書類も時期も変わります。迷う場合は、専門家に無料で相談するのが早いです。

専門家に無料で相談する

よくある質問

個人事業主も申請できますか?

募集要項で「中小企業者」に当たるかを確かめます。都内で事業を営む個人事業主が対象に入る助成もありますが、条件は事業ごとに違うため、申請の前に公社の募集要項で確かめます。

製品開発助成と販路拡大助成は両方使えますか?

それぞれ別の募集なので、条件に合えば両方に申請できます。同じ費用を2つの助成で重ねて受けることはできません。

国のものづくり補助金でも脱炭素の製品は開発できますか?

ものづくり補助金の革新的新製品・サービス枠は、新しい製品・サービスの開発を伴う事業が対象です。脱炭素に限った制度ではないため、計画書では新製品の新しさを具体的に示します。

次の募集はいつですか?

公社の公式ページで発表されます。開発の計画や見積もりは、募集が始まる前から用意しておくと間に合いやすくなります。

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出典

公募の受付状況(たとえばこの補助金)

新事業進出・ものづくり補助金

公募回
第1回
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公募要領の台帳より(2026年10月30日確認)

よく採択されているテーマ

ものづくり補助金で採択された計画39,169件を、やりたいことで分けました。

ものづくり補助金では「設備導入」が24%で一番多く、次が「新事業・研究開発」(17%)です。

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「設備導入」で採択された計画名の例

  • ウォーターPPP対応の下水道管理・運営サービス向け設備の導入
  • 匠の技の技術承継と自動化による生産性向上を実現する
  • 最新ベンダー導入によるボイラー向け大型特殊煙道の製品化事業

ものづくり補助金の採択事例

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VOICE

この補助金を使った人の声

出典:国・省庁などの公開情報をもとに当社が加工

中小機構「補助金活用ナビ」の事例記事にある事業者の発言を引用しています。

まだ相談は早いと感じる方は、まず資料で全体をつかんでください。

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