事業承継・引継ぎ補助金とは?補助額や申請要件、採択傾向をわかりやすく解説!(2023年最新)

事業承継引継ぎ補助金

事業承継・引継ぎ補助金は、事業承継を契機として新しい取り組み等を行う中小企業者等及び、事業再編、事業統合に伴う経営資源の引継ぎを行う中小企業者等を支援する制度です。

2022年12月の中小企業庁の発表により、令和5年度も実施されることが決定しています。そこで今回は、その内容について紹介していきたいと思います。

事業承継・引継ぎ補助金の基礎知識

多くの中堅企業、中小企業が抱えているのが、事業承継の悩みです。オーナーや社長から誰を後継者にして事業を引き継ぐのかを、経営課題としている企業は多いでしょう。

事業承継・引継ぎ補助金は、事業承継をきっかけに新しい取り組みをスタートする中小企業や、事業再編・事業統合に伴って経営資源の引継ぎを進める中小企業を支援する制度です。
具体的には、費用負担の軽減して承継後の積極的な投資を促進するために、中小企業者の事業承継・経営資源引継ぎに要する費用を、一部補助しています。

事業承継・引継ぎ補助金の申請期間

事業承継・引継ぎ補助金の申請期間は以下のようになっています。

  申請受付期間 交付決定日 事業完了報告期間 交付手続き
1次募集 2021年6月11日(金)~7月12日(月)18:00 2021年8月中旬(予定) 交付決定日~2022年1月中旬(予定)まで 2022年3月下旬(予定)
         
2次募集 2021年7月13日(火)~8月13日(金)18:00 公式ホームページでの追加情報を参照

事業のスケジュールについては、公式ホームページで逐次更新されます。利用する予定がある場合には、小まめにチェックしてください。

事業承継・引継ぎ補助金 補助上限額

補助金の上限額は以下のようになっています。
事業承継・引継ぎ補助金は、その内容によって「経営革新」・「専門家活用」の2つの類型に分けられています。どちらに該当するのか確認しておきましょう。

  補助上限 補助率
経営革新 400~800万円(上乗せ額:200万円) 2/3
専門家活用 400万円(上乗せ額:200万円) 2/3

事業承継・引継ぎ補助金 補助対象者となる条件

経営革新と専門家活用では、補助対象になる条件や支援対象者が違います。それぞれの違いを見ていきましょう。

経営革新

経営革新コースの支援対象は、事業承継や経営資源を引き継いだ創業を含むM&Aをきっかけにして、経営革新などにチャレンジする中小企業や小規模事業者です。支援対象には、個人事業主も含みます。経営革新はさらに、創業支援型・経営者交代型・M&A型の3種類に分類され、該当するものを選びます。
例えば、新しい商品の開発やサービスを作りたい、新しいターゲット層の開拓を目指す、新ジャンルのビジネスをスタートするといった事業者にもおすすめです。

専門家活用

専門家活用は、M&Aによって経営資源を誰からか引き継いだ、もしくは引き継ぐ予定がある、中小企業や小規模事業者が対象です。こちらも個人事業主も含めて対象としています。専門家活用はM&Aの予定がある、M&Aへの取り組みを進めている事業者におすすめしたいコースです。専門家活用は、買い手支援型と売り手支援型の2種類があるので、どちらのコースに該当するかチェックしてから申し込みましょう。

事業承継・引継ぎ補助金 交付までの流れ

補助金申請から補助金交付までの流れは以下の通りです。

事業承継・引継ぎ補助金 経営革新型の概要

類型によって3つに分けられています。それぞれの違いを確認しておきましょう。

【Ⅰ型】創業支援型

【Ⅰ型】創業支援型は、廃業を予定している人から、”有機的一体として機能する経営資源”を引き継いで創業した事業者が対象です。有機的一体としての経営資源とは、人や工場、店舗などの資産のほか、販路や顧客を指します。経営資源を事業譲渡や株式譲渡で引き継いで創業した場合に対象となります。

例えば、不動産賃貸を営んでいて後継者不足から廃業を予定している場合、不動産や従業員を引き継いで新しく不動産賃貸を営む場合は、事業承継として補助の対象です。一方で、売りに出されている投資用のマンションを購入して不動産賃貸を営んだとしても、有機的一体として機能する経営資源とは認められないので、事業承継にはなりません。

【Ⅰ型】創業支援型に該当するのは以下の2つの要件を満たした場合です。

1.創業を契機に引き継いだ経営資源を活用して、経営革新などに取り組む者
2.産業競争力強化法に基づいた認定市区町村、または、認定連携創業支援事業者により特定創業支援事業を受ける者など、一定の実績や知識などを有している者

【Ⅱ型】経営者交代型

【Ⅱ型】経営者交代型は事業承継(事業再生を伴うものを含む)を行う中小企業者などで次の3つの要件をすべて満たす者です。
1.事業承継を契機として、経営革新などに取り組んでいる者
2.産業競争力強化法に基づく認定市区町村、または、認定連携創業支援事業者により特定創業、支援事業を受ける者など、一定の実績や知識などを有している者
3.地域の雇用をはじめ、地域経済全般を牽引する事業など創業を契機にして、引き継いだ経営資源を活用して経営革新などに取り組む者
また、【Ⅱ型】経営者交代型の補助対象になるには、代表者が交代した期間や、承継者の経営経験、新事業展開など要件か生産性向上要件も満たさなければいけません。補助対象かどうかは、事業承継・引継ぎ補助金のサイトで確認しましょう。

【Ⅲ型】M&A型

【Ⅲ型】M&A型は、事業再編・事業統合などを行う中小企業者で下の3つの要件をすべて満たした場合に補助の対象となります。

1.事業再編・事業統合などをきっかけに、経営革新に取り組む者
2.産業競争力強化法に基づく認定市区町村、または、認定連携創業支援事業者によって特定創業、支援事業を受ける者など、一定の実績や知識などを有している者
3.地域の雇用をはじめ、地域経済全般を牽引する事業や事業承継を契機として、経営革新などに取り組む者

【Ⅲ型】M&A型についても、事業再編、事業統合の時期や承継者の経営経験、新事業展開など要件か生産性向上要件を満たさなければ対象になりません。
経営革新コースは、どれも補助率が補助対象経費の2/3以内で補助下限が100万円です。
【Ⅰ型】創業支援型と【Ⅱ型】経営者交代型の補助上限は400万円以内なのに対して、【Ⅲ型】M&A型は800万円以内です。廃業にかかる費用として200万円の上乗せも可能ですが、それぞれ認められる費用が違うので注意してください。

事業承継・引継ぎ補助金 専門家活用型の概要

事業承継・引継ぎ補助金の「専門家活用」型は【Ⅰ型】買い手支援型と【Ⅱ型】売り手交代型の2種類があります。それぞれ補助上限額も違うので、どちらに該当するのか確認しておきましょう。

【Ⅰ型】買い手支援型

事業再編・事業統合などに伴って経営資源の引継ぎを行う予定の中小企業者などが該当します。要件は以下の2つです。

1.事業再編・事業統合などに伴って経営資源を譲り受けた後に、シナジーを活かした経営革新などを行うと見込まれる
2.事業再編・事業統合などに伴い経営資源を譲り受けてから、地域の雇用をはじめとして、地域経済全体を牽引する事業を行うことが見込まれる

【Ⅱ型】売り手支援型

事業再編・事業統合などに伴って自社が有する経営資源を譲り渡す予定の中小企業者などが該当します。具体的には以下の要件です。
・事業再編・事業統合により、事業がが第三者により継続されることが見込まれること

どちらも補助率は2/3以内、補助額は50万円~400万円以内です。ただし、【Ⅱ型】売り手支援型に限って廃業費用の上乗せがあり、補助上限が200万円です。

まとめ

日本の経営者が高齢化している状況への対応として、事業承継、引継ぎ推進策として事業承継・引継ぎ補助金が提供されています。事業承継・引継ぎ補助金は事業の引継ぎを考える事業者にとっては心強いサポートです。ぜひ該当する事業者はご活用をご検討ください。

補助金申請をご検討中の方へ

本日ご紹介した補助金の活用には審査に採択されることが必須です。一般的に採択率は30%~40%となっています。たとえ不採択の場合でも、審査のために事業計画書の作成や各種申請書類の準備・交渉等が発生し、経営者の方の多大な時間とコストが掛かります。

そのため、当社では成功報酬型でご支援させて頂いております。また、補助金は原則返済不要なため、中小企業様のおすすめの資金調達先としておすすめです。補助金による資金調達をご検討してはいかがでしょうか。

初回相談は無料です。ぜひお気軽にお問い合せください。

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PROFILE

稲野 健夫(代表取締役)
稲野 健夫(代表取締役)
兵庫県出身、関西学院大学卒。調達件数100社以上、成功確率80%超。
東証プライム上場の事業会社→コンサルファームを経て2023年起業。経営者の新たな挑戦をサポートするため、事業再構築補助金やものづくり補助金、融資等を活用した資金調達支援やインキュベーション事業、イベント事業を提供しています。

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