ものづくり補助金平成24年度三重県

無塩発酵技術(弊社特許)を利用した無塩・減塩調味料の商品開発と生産体制の確立

合資会社西村商店

成果50%減塩醤油を試作開発した

この事例のポイント

  • 少子高齢化の進展により健康志向や食品の安全・安心を求める傾向が見られ、これらへの適合が企業として求められていた。
  • 無塩調味料(原料名HFS-F)の品質特性を研究し、品質の安定性と熱安定性は一般醤油と同等で問題ないことを確認した。
  • 50%減塩醤油を試作開発した。無塩調味料の特異な味をマスキングすることに成功し、旨みのある美味しい減塩醤油・減塩だしつゆを試作品として完成させた。

事業者のプロフィール

事業者名合資会社西村商店
所在地三重県 玉城町
業種食料品製造業
技術分野金型
従業員数50人
資本金300万円

事業の背景

当社は天然醸造にこだわる醤油等調味料製造の老舗で、定番商品に加え、牡蠣・あおさなど地域の食材を使った商品を企画・製造販売している。減塩の必要性は9割の人が認識しているものの、実際の減塩への取組み率は低く、味が要求品質に達していないことが要因と考えられた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑少子高齢化の進展により健康志向や食品の安全・安心を求める傾向が見られ、これらへの適合が企業として求められていた。
  • 新製品・新技術無塩調味料は醤油の風味と旨み・コクが強い利点がある一方、苦み・えぐみ・後味の悪さがあり、そのままでは減塩調味料に使えなかった。

やったこと

無塩調味料(原料名HFS-F)の品質特性を研究し、品質の安定性と熱安定性は一般醤油と同等で問題ないことを確認した。醤油および副原料との組合せによるマスキング効果を検討し、苦み・えぐみ・後味の悪さをマスキングする副原料の組合せと配合率を決定した。50%減塩醤油と30%減塩だしつゆの処方を試作開発し、品質安定性を確認した。調合・ろ過・充填工程での作業性や品質への影響を把握するため量産試作を行い、機械導入と環境整備を整えた上で製法を検証した。試作品は品質確認と安定性確認、料理における味評価を実施した。

新しい製品・サービス:無塩調味料を使った50%減塩醤油および30%減塩だしつゆ

事業の効果

  • 50%減塩醤油を試作開発した
  • 30%減塩だしつゆを試作開発した

無塩調味料の特異な味をマスキングすることに成功し、旨みのある美味しい減塩醤油・減塩だしつゆを試作品として完成させた。料理評価では一般醤油や一般だしつゆと同等レベルの美味しさと品質が確認された。原料の品質は特異な味以外は安定していることが判明し、課題点が明確になった。大手ラーメンチェーンと減塩ラーメンスープを共同開発中で、化学調味料無添加シリーズの展開も進めている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の醤油醸造技術と老舗の強みを活かした減塩調味料開発で、過去の取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    健康志向という市場変化を踏まえ、無塩醸造技術という自社の強みで旨みの強い減塩醤油を開発した点が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    減塩の物足りなさが課題と整理され、マスキングや配合率の検討で解決した経緯が具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高い付加価値創出や賃上げの数値目標は書かれていないため、わずかにうかがえる程度にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    量産試作や品質確認を行った旨は読めるが、人材や事務処理体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    他社商品との比較や一般醤油と同等の味という目標設定、料理評価の結果などから顧客ニーズへの対応が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    試作、量産試作、今後の展開としてラーメンチェーンとの共同開発などが書かれるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    無塩醸造による旨みの強い減塩調味料という、他社と差別化された高付加価値の商品開発が具体的に書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    少子高齢化や健康志向への対応は書かれているが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は読み取れない。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す付加価値額や生産性の数値は書かれておらず、わずかにうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献2

    大手ラーメンチェーンとの共同開発に言及はあるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    健康志向の市場に対応する減塩商品の開発という点で、成長分野への進出がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及3

    地域の食材を使う商品開発や福岡県醤油醸造協同組合との連携が書かれるが、地域経済への波及は具体的でない。

今後の展望

大手ラーメンチェーン店と減塩醤油を使った減塩ラーメンスープを共同開発しており、醤油以外の課題点を調整中である。化学調味料無添加商品の追加と減塩つゆの発売に向けて準備中で、こだわり店舗やドラッグストアへの展開を強化する予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。