ものづくり補助金平成24年度大阪府

固体酸化物型燃料電池用燃料昇圧ブロワの技術開発

株式会社テクノ高槻

成果最小流量制御範囲を0.5L/min(nor)以下まで拡大

この事例のポイント

  • 現在使われているエネファーム用の各種ブロワは、エネファームType-Sに最適とは言えず非効率であった。
  • エネファームType-S専用の燃料昇圧ブロワの技術開発に取り組んだ。
  • 最小流量制御範囲を0.5L/min(nor)以下まで拡大。エネファームType-S専用の燃料昇圧ブロワの試作により、微小流量の安定供給と耐久性の見通しが得られた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社テクノ高槻
所在地大阪府 高槻市
業種電気機械器具製造業
技術分野プラスチック成形加工
従業員数120人
資本金7,760万円
設立1947年

事業の背景

同社は1947年の創業以来、電動機の製造に携わってきた。1972年に浄化槽用エアーポンプを開発し、1976年に自社ブランド「HIBLOW」を誕生させ、電磁ダイヤフラム方式で業界のパイオニアとなった。これまでに1,400万台以上を生産し、1993年以降は海外にも拠点を展開している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力現在使われているエネファーム用の各種ブロワは、エネファームType-Sに最適とは言えず非効率であった。
  • 新製品・新技術エネファームType-S専用の燃料昇圧ブロワは存在せず、微小流量の安定供給と耐久性の向上が求められていた。

やったこと

エネファームType-S専用の燃料昇圧ブロワの技術開発に取り組んだ。微小流量制御のための流路改善、駆動部の発熱対策による耐久性向上、ブロワ全体の効率改善、試作機の実証評価の4つを進めた。1次試作機は切削部材で製作し、次に金型を製作して金型部材による2次試作機を完成させ、システムに搭載して実証試験を行った。特許技術を活用して構成パーツを設計し、気体圧縮部の構造と制御方法を最適化した結果、最小流量制御範囲を0.5L/min(nor)以下まで拡大することに成功した。素材を見直して試作品のコストダウンも実現し、1次試作機を5台、2次試作機を10台製造した。2次試作機は高温加速耐久試験を実施し、補助事業期間内に3,920時間を経過しても問題はなかった。

新しい製品・サービス:エネファームType-S専用の燃料昇圧ブロワ

事業の効果

  • 最小流量制御範囲を0.5L/min(nor)以下まで拡大
  • 年間2万台製造した場合、エネファーム用燃料昇圧ブロワに比べて約16%のコストダウンが可能となる見込み

エネファームType-S専用の燃料昇圧ブロワの試作により、微小流量の安定供給と耐久性の見通しが得られた。最小流量制御範囲が拡大し、試作品のコストダウンも実現した。年間2万台製造した場合、エネファーム用ブロワに比べて約16%のコストダウンが見込まれる。今後は量産モデルの開発を進め、燃料電池市場への展開を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    1972年の浄化槽用エアーポンプ開発から自社ブランドHIBLOW誕生、1,400万台の生産実績と一貫した電磁ダイヤフラム事業が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    世界で初めての電磁ダイヤフラム方式、40ヵ国以上への出荷、海外生産拠点の展開など強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    エネファームType-S特有の微小流量制御や耐久性という課題を挙げ、流路改善や発熱対策で解決する計画が書かれている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年間2万台製造時に約16%のコストダウン見込み、3,920時間の耐久試験合格など目標と根拠の数字が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員120人と記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    エネファームType-S向けの専用ブロワという製品価値と顧客像は読めるが、ニーズの裏付けや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    切削部材による1次試作、金型による2次試作、システム搭載の実証試験、量産モデル開発という段階的な進め方が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    家庭用燃料電池向け専用ブロワは従来存在せず、最少流量0.56L/min以下への拡大など高水準の性能を目指す点が書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    水素社会の早期実現や地球環境保全への貢献が述べられているが、雇用創出や波及効果の数字は書かれていない。

  • 費用対効果3

    約16%のコストダウンや試作品コストの大幅削減は書かれているが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    燃料電池システム向けの新製品開発が書かれているが、デジタル技術やビジネスモデルの構築には触れていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出4

    家庭用燃料電池や燃料電池自動車向け水素循環ブロワなど、水素社会という成長分野への進出が具体的に書かれている。

  • 地域経済への波及2

    高槻市に本社を置くことは分かるが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への言及はわずかにうかがえる程度。

今後の展望

家庭用燃料電池市場での展開を皮切りに、燃料電池自動車向け水素循環ブロワや、小規模業務用施設向けの定置型燃料電池コージェネレーション向けブロワなども開発している。海外市場へのプロモーションも進め、水素社会の早期実現を目指す。

事業者の声

ご要望以上の品質

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。