ものづくり補助金平成24年度大阪府

障がい者施設向け万能型電線剥離機の研究・試作開発。

株式会社アスク

この事例のポイント

  • 細いものや太いもの、曲がったものなど多種多様な電線に1台で対応できる多機能な電線剥離機が求められていた。
  • 多種多様な電線に1台で対応できる多機能な電線リサイクルマシンの開発を目指した。
  • 多種多様な電線に1台で対応する電線剥離機は期間内に開発できなかったが、機械性能の限界点を把握するなどのノウハウを蓄積できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アスク
所在地大阪府 枚方市
業種金属製品製造業
技術分野動力伝達
従業員数38人
資本金9,900万円
設立1989年

事業の背景

同社は1989年設立の試作部品・精密部品の加工会社である。電線剥離機「電線マン」は2010年に販売を開始し、販売台数を伸ばしていった。対応範囲を広げるため機種を増やした結果、8機種まで発売したが、ユーザーからは1台で多種多様な電線に対応できる機種を求める声が増えていた。電線のリサイクルは産廃業者や解体業者の大型設備が中心だったため、同社の軽量小型の電線マンは画期的な商品だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術細いものや太いもの、曲がったものなど多種多様な電線に1台で対応できる多機能な電線剥離機が求められていた。
  • その他障がい者施設で利用されるケースが増え、安全かつ簡単に使えるように仕上げることが求められていた。

やったこと

多種多様な電線に1台で対応できる多機能な電線リサイクルマシンの開発を目指した。太い電線を剥離するにはパワーのあるモーターが必要で、卓上型(小型)にするのは現段階では困難だった。ねじ曲がった電線への対応も試みたが、詰まりの原因となり、さらなる開発期間が必要となった。障がい者施設で働く人が安全かつ簡単に使えるよう、刃の間隔(高さ)の自動調整を検討したが、最適解は見つからなかった。数々のトライ&エラーを重ねて機械性能の限界点を把握するなどのノウハウを蓄積し、その知見を活かして二重被覆のVVFケーブルから1回で被覆を剥離でき、ねじれ曲がった電線もそのまま剥離できる剥離機(ADM-V1-S「一発くん」)を開発した。

新しい製品・サービス:ADM-V1-S「一発くん」:二重被覆のVVFケーブルから1回で被覆を剥離でき、ねじれ曲がった電線もそのまま剥離できる剥離機。

事業の効果

多種多様な電線に1台で対応する電線剥離機は期間内に開発できなかったが、機械性能の限界点を把握するなどのノウハウを蓄積できた。その知見から、ねじれ曲がった電線にも対応する剥離機「一発くん」を開発し、2016年までに販売実績を上げたいとしている。また、2015年度にタイの機械商社とパートナーシップを締結し、海外での販売実績も上がり始めた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性2010年販売開始の電線マンを8機種まで展開し、ユーザー要望から1台対応機へ発展させる流れで、既存製品との一貫性が明確。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性累計販売800台超、全国販売実績があり、小型・軽量という希少性から同分野を牽引する優位性が読み取れる。
  • 4
    課題の認識と解決機種増加による負担とユーザーの1台対応要望という課題を認識し、機種を減らすための改良方針を示している。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、売上増の見通しも海外販売台数の増加という方向性の言及にとどまる。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    2010年販売開始の電線マンを8機種まで展開し、ユーザー要望から1台対応機へ発展させる流れで、既存製品との一貫性が明確。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    累計販売800台超、全国販売実績があり、小型・軽量という希少性から同分野を牽引する優位性が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    機種増加による負担とユーザーの1台対応要望という課題を認識し、機種を減らすための改良方針を示している。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、売上増の見通しも海外販売台数の増加という方向性の言及にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    技術面では国家技能検定資格保有者が複数おり、試作開発の実績がある体制が読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大型設備利用が主流の中で軽量小型の電線マンが画期的と評価され、障がい者施設での利用ニーズも具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    トライ&エラーで機械性能の限界を把握し、VVF対応の一発くんを開発するなど課題解決の道筋が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    小型電線剥離機を開発する会社がほとんどなく、同社が分野を牽引するとされ、高付加価値・高価格化の根拠がある。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    電線リサイクルや障がい者施設の自立支援・就労環境向上に貢献する点が示され、社会的意義の説明がある。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値額や生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果は判断しにくい。

  • イノベーションへの貢献2

    電線の銅リサイクルという取組はあるが、先端デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    海外需要に注力する方針は示されるが、成長分野への進出による日本経済の構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及3

    枚方市の地域の技術集積を活かし、障がい者施設での利用拡大や雇用面への貢献を目指す点が示されている。

今後の展望

小型化を維持しながら機種を減らせるよう、現行の電線マンに改良を加えていく。累計販売台数は800台を突破しており、今後は需要がある海外、東南アジアやインド向けに直接販売も含めて販売台数を増やしたいとしている。

事業者の声

「今後も電線に含まれる銅のリサイクル技術向上と、障がい者施設における自立支援と就労環境の向上に力を注ぎ、 吉村への目指します」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

岡山県平成24年度

小信号トランジスタ及び大電流テスタ試作開発

既存小信号トランジスタテスタの全回路を見直して再設計し、4枚のプリント基板を2枚に集約するとともに、2つの電源ブロックを1つに集約して実装…

効果:設置面積 100%→40%

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。