ものづくり補助金平成24年度大阪府

騒音下での通信機器における送受信ヘッドセットの開発

ゴールデンダンス株式会社

この事例のポイント

  • ヘルメット装着型の骨伝導通信機器しかなく、工事現場以外の幅広い用途に対応できていなかった。
  • ヘルメットを着用せずに使えるヘッドセット型の試作品を開発した。
  • ヘッドセット型の試作により、骨伝導デバイスの小型化と軽量化に成功した。

事業者のプロフィール

事業者名ゴールデンダンス株式会社
所在地大阪府 大阪市城東区
業種情報通信機械器具製造業
技術分野電子部品・デバイスの実装
従業員数6人
資本金4,400万円
設立2002年

事業の背景

同社は2002年の設立以来、骨伝導製品の企画・開発・製造を手掛けており、骨伝導関連の特許を20件以上保有している。骨伝導イヤホン「SOUND BONE」やヘッドホンなどを商品化してきた。2014年にはヘルメット装着型の骨伝導通信機器「阿」を自社開発し、工事現場の作業員に使われて注目を集めた。一方で、従来型イヤホンやヘッドホンの使用による若年層の難聴が社会問題になりつつあり、鼓膜への負荷が少ない骨伝導技術への潜在的ニーズが高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術ヘルメット装着型の骨伝導通信機器しかなく、工事現場以外の幅広い用途に対応できていなかった。
  • 新製品・新技術骨伝導デバイスは構造が複雑で大きく重いため、ヘッドセット型として小型化・軽量化する必要があった。

やったこと

ヘルメットを着用せずに使えるヘッドセット型の試作品を開発した。小型化に向けて部品の再選定を行うとともに、元々複雑だった構造を単純化してコンパクト化に成功した。あわせてシステム全体の軽量化も実現した。この基礎技術の開発により、他の骨伝導通信機器にも技術革新を広げられる見通しを得た。

新しい製品・サービス:ヘルメット型に続く初のイヤホン型モデル(阿-E)を開発し、販売を開始した。防水型の設計とした。

事業の効果

ヘッドセット型の試作により、骨伝導デバイスの小型化と軽量化に成功した。この基礎技術は他の骨伝導通信機器の技術革新にもつながる見込みである。防水型のイヤホン型モデルを製品化し、コンサートや各種現場の通信用途へ販路を広げられる。補聴器の開発にも技術を応用できる可能性がある。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性骨伝導特許を20件以上保有し、工事現場の騒音下での通信や難聴者の若年化といった市場動向を踏まえた強みが具体的に書かれている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けヘッドセット型への展開、防水型イヤホン「阿-E」、コンサートや工事現場といった用途と需要が具体的に書かれている。
  • 4
    新しさ・高付加価値骨伝導は一般的に普及していない分野で、CES2009イノベーションアワードや日経優秀製品・サービス賞など高付加価値の評価を受けている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    波及効果・雇用聴覚障害者や騒音環境の作業者への貢献がうかがえるが、国が補助する積極的理由は事例からは明確でない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    2002年設立以来の骨伝導製品の企画・開発・製造や、「阿」からの技術深化という流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    骨伝導特許を20件以上保有し、工事現場の騒音下での通信や難聴者の若年化といった市場動向を踏まえた強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    小型化・軽量化という課題と、構造の単純化による解決は書かれているが、高付加価値化や成長に結びつく数値計画までは示されていない。

事業の実現可能性3.3
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制3

    開発を担う体制として従業員6人の小規模体制と開発実績は書かれているが、補助事業を遂行する人材配置の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ヘッドセット型への展開、防水型イヤホン「阿-E」、コンサートや工事現場といった用途と需要が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    量産体制の構築や水平展開、補聴器の共同開発など方向性は書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は明示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    骨伝導は一般的に普及していない分野で、CES2009イノベーションアワードや日経優秀製品・サービス賞など高付加価値の評価を受けている。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用2

    聴覚障害者や騒音環境の作業者への貢献がうかがえるが、国が補助する積極的理由は事例からは明確でない。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    骨伝導技術の医療機器応用や関西医科大学との共同開発が書かれ、イノベーションへの貢献可能性がうかがえる。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    骨伝導という新技術分野への進出が書かれているが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    大阪市城東区の企業である点は書かれているが、地域の特性を活かした雇用創出や成長の記述は見当たらない。

今後の展望

ヘルメット型とイヤホン型それぞれの量産体制を構築し、事業の拡大と安定化を目指す。2020年の東京オリンピック開催に向けて、ヘルメット型の需要拡大も見込まれている。補聴器については将来を見越し、医療機器製造許可などを取得して準備を進めている。

事業者の声

「ゴールデンダンスの骨伝導]のデバイスは、従来の骨伝導とは全く違う!と、驚きの声をいただいています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。