ものづくり補助金平成24年度岩手県

ペン型Bluetoothオシロ‐スマホを表示機として使用するオシロスコープの試作開発

有限会社エー・ディー・ディー

この事例のポイント

  • 据え置き型で大きく重く電源も必要な従来のオシロスコープは、使用場所が限られることが長年の課題だった。
  • 携行できるペン型端末のソフトウェア開発、筐体、基板、データを表示するスマートフォン・タブレットのアプリケーション開発を実施した。
  • 据え置き型の従来製品から、コードレスで携行できるペン型のオシロスコープを試作した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社エー・ディー・ディー
所在地岩手県 盛岡市
業種電気機械器具製造業
技術分野組込みソフトウェア
従業員数10人
資本金300万円
設立1992年

事業の背景

当社は製造現場における製品、設備、管理システムなどの設計支援を行い、省力化機器の開発や設計に携わっている。メカトロニクス設計、ハード設計、ソフトウェア設計の技術者が揃っている。オシロスコープと回路テスターの市場は、高価な製品と安価な製品との二極化の傾向にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術据え置き型で大きく重く電源も必要な従来のオシロスコープは、使用場所が限られることが長年の課題だった。
  • コスト・採算従来のオシロスコープは高価なものが多かった。
  • 新製品・新技術携行可能な回路テスターは測定した瞬間の数値しか表示できず、測定値の波形を見ることができなかった。

やったこと

携行できるペン型端末のソフトウェア開発、筐体、基板、データを表示するスマートフォン・タブレットのアプリケーション開発を実施した。通信はBluetoothを採用し、信号線を必要としないため狭い作業現場でも計測しやすくした。試作用基板は手組みで一次試作基板を作成し、その後プリント基板の二次試作を進めた。筐体は軽量化のため樹脂製とし、既成品にペン型はないため3Dプリンターで製作することにした。当初使用したABS樹脂は冷えると反りが大きくなり筐体が歪んだため、材料をPLA樹脂に変更して5台の試作品を製作した。

新しい製品・サービス:ペン型Bluetoothオシロスコープ

事業の効果

据え置き型の従来製品から、コードレスで携行できるペン型のオシロスコープを試作した。当初目標だった胸ポケットに差せるサイズには届かず、長さ20.7cm、幅3.3cm、高さ3.3cm、重量125gの試作となったが、計測範囲やチャンネル数など当初の事業計画は概ね達成した。オシロスコープの波形表示機能と回路テスターの携行性を併せ持つ、中間の価格帯の製品を目指す成果となった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    製造現場の設計支援や省力化機器開発に携わるとの記載はあるが、事業戦略上の位置付けや過去取組との一貫性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    据え置き型オシロスコープの課題と、中間価格帯を狙う市場の二極化傾向が示されており、外部環境への言及はあるが自社強みの説明は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    据え置き型の使用場所制約という課題認識と、ペン型・低価格化による解決方針が書かれているが、事業計画の成長性や数値目標は示されていない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値や賃上げの目標値は書かれておらず、製品の価格帯や販売規模の見通しも示されていない。

  • 事業を進める体制3

    メカトロ・ハード・ソフトのエキスパートが揃うと書かれ、担当者も示されているが、体制の具体的な人数や役割分担は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    回路テスターとオシロの利点を併せ持つ携行性、機械製造者や電気技術者をターゲットとする点は書かれているが、選ばれる理由の裏付けは弱い。

  • 事業化までの道筋3

    今後の課題として基板・筐体改良、表示高速化、販売サイト構築が挙がるが、スケジュールや解決方法は明確に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    オシロスコープの携行型は据え置き型が一般的との記載があり、中間価格帯の高度化を狙う点は同分野で新しい取組として読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    製造現場の計測作業の効率化は示唆されるが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    従来品より小型・低価格化を目指すとあるが、補助金額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    Bluetoothによるスマートフォン連携やクラウド共有が書かれ、デジタル活用の要素はあるが地域やサプライチェーンへの貢献は示されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    盛岡市の企業であることは示されるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用への言及は書かれていない。

今後の展望

製品化後は機械製造者、電気技術者、組み込みソフトウェア開発者などメカトロニクス関連の市場をターゲットとする。今後は基板と人筐体の改良、アプリケーション表示の高速化、販売サイトの構築に努める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。