ものづくり補助金平成24年度大阪府

顧客の利便性と業務効率化を目指したITシステムの導入

スリープウェル株式会社

この事例のポイント

  • スリープスコープの普及に伴い、従来にない大量の睡眠データが集まり、膨大なデータを効率的に集積・共有し、早く解析結果を納入することが課題となった。
  • データ送受信のクラウド化を図るため、クラウドによる情報共有システムの開発を最優先で進めた。
  • クラウドによる情報共有システムの導入により、計測した脳波データを迅速に処理できる体制を整えた。

事業者のプロフィール

事業者名スリープウェル株式会社
所在地大阪府 大阪市北区
業種専門サービス業(他に分類されないもの)
技術分野組込みソフトウェア
従業員数5人
資本金5,610万円

事業の背景

同社は小型脳波計「スリープスコープ」の製造販売や睡眠脳波解析業務の受託などを主力事業とする。従来の睡眠研究では体動計などのモーションセンサーが使われてきたが、睡眠の定義である脳活動の低下を直接捉えられないという課題があった。また、PSG検査は設備が大掛かりで導入できる医療機関が限られていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力スリープスコープの普及に伴い、従来にない大量の睡眠データが集まり、膨大なデータを効率的に集積・共有し、早く解析結果を納入することが課題となった。
  • 納期・工程医療機器認証の取得により医療機関からの依頼が増えることが予想され、週単位または一日単位で結果を返送できる仕組みづくりが急務となった。
  • 人手・技能機器はレンタルで運用されるため、機器ごとの製造・検査・出荷・返却を管理する必要があったが、表計算ソフトによるマニュアル管理で効率が悪かった。

やったこと

データ送受信のクラウド化を図るため、クラウドによる情報共有システムの開発を最優先で進めた。従来はSDカードなどで脳波データを送ってもらっていたが、迅速な処理ができなかった。睡眠脳波データの自動解析の開発も加速させた。機器ごとの製造・検査出荷・返却を管理するため、バーコードによる管理システムを構築し、管理業務の効率化を実現した。

新しい製品・サービス:小型脳波計「スリープスコープ」

事業の効果

クラウドによる情報共有システムの導入により、計測した脳波データを迅速に処理できる体制を整えた。睡眠脳波データの自動解析の開発を進め、医療機関の増加に対応できる週単位・一日単位での結果返送に備えた。バーコードによる機器管理システムの構築により、レンタル機器の管理業務が効率化された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    顧客とニーズの裏付け医療機関や研究機関が顧客として挙げられ、睡眠の質の可視化を武器に、医療機器認証を取得した製品の価値が具体的に整理されている。
  • 4
    イノベーションへの貢献クラウドによる情報共有や睡眠脳波の自動解析など先端的なデジタル技術の活用が具体的に書かれ、研究分野での貢献も示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標納期短縮や自動解析の必要性は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、数値目標は読み取れない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    JSTの独創的シーズ展開事業で睡眠研究成果を基に開発した経緯が書かれ、既存事業との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    PSGは大掛かりで導入医療機関が限られるという課題に対し、小型脳波計で自宅計測を可能にした点が書かれ、競争優位の根拠として読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    医療機器認証後に医療機関の増加が予想され、週単位・日単位の返送体制が急務と書かれ、課題認識はあるが定量的な計画は薄い。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    納期短縮や自動解析の必要性は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、数値目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    従業員5人の小規模体制で、新たな人材の採用や育成に注力していると書かれているが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療機関や研究機関が顧客として挙げられ、睡眠の質の可視化を武器に、医療機器認証を取得した製品の価値が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    睡眠脳波の完全自動解析が今後の目標とされ、残課題と方向性は示されているが、スケジュールや遂行方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    睡眠脳波の小型計測という分野で、従来のPSGに比べ自宅で測れる点が特徴として書かれているが、普及度や市場の高水準性を示す数値はない。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用2

    睡眠研究の発展や未病・予防分野への貢献が書かれているが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由を示す記述は限られる。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献4

    クラウドによる情報共有や睡眠脳波の自動解析など先端的なデジタル技術の活用が具体的に書かれ、研究分野での貢献も示されている。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    医療・健康・予防分野への進出が書かれているが、日本経済の構造転換に資するという観点の記述は乏しい。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

睡眠脳波の完全自動解析は今後の大きな目標であり、年齢や疾患に応じた自動解析の開発を進める。医療領域での精神疾患の診断補助ツールや、企業健診・人間ドックでの健康・予防領域への事業展開を目指す。

事業者の声

今回の補助事業により、システムの研究開発の機会をいただき、感謝しております。今後は、脳波計の改良と睡眠解析の自動化をさらに進め、企業健診や健康診断、人間ドックでの健康・予防領域において事業展開に取り組んで参ります。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。