ものづくり補助金平成24年度愛知県

CAD/CAMシステムの顧客との統一化と生産管理システム導入により、生産リードタイムを大幅に短縮し、受注と収益を拡大する計画

株式会社富窪精機

成果ITツール導入により、標準的な金型の製作リードタイムは16.2%短縮した。

この事例のポイント

  • 自動車メーカーのコストダウンや新型車開発期間の圧縮が進み、二次サプライヤーである同社も金型製作のコストダウンが必須になっていた。
  • 取引先の防振ゴムメーカーと同じCAD/CAMシステム(TOPSOLID)を導入し、データを共有できるようにした。
  • ITツール導入により、標準的な金型の製作リードタイムは16.2%短縮した。CAD/CAMシステムの導入により、取引先とデータを共有できるようになり、データ変換ロスによる再作図の作業が省かれた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社富窪精機
所在地愛知県 春日井市
業種金属製品製造業
技術分野金型
従業員数30人
資本金1,000万円
設立1981年

事業の背景

同社は創業以来30年にわたり金型の設計・製作を主力事業としており、自動車用防振ゴム金型、ホース金型、燃料電池車(FCV)向け高精度ゴム金型などを手がけている。主要取引先の一つは自動車用防振ゴムメーカーである。リーマン・ショック以降、自動車メーカーのコストダウンと新型車開発期間の圧縮が特に顕著になり、同社のような二次サプライヤーにも影響が及んでいた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算自動車メーカーのコストダウンや新型車開発期間の圧縮が進み、二次サプライヤーである同社も金型製作のコストダウンが必須になっていた。
  • 納期・工程金型製作のリードタイム短縮が求められていた。
  • 納期・工程生産計画は1週先までしか立てられなかった。
  • 人手・技能製作工程をホワイトボードに書いて管理しており、管理者の経験と勘に頼っていた。
  • 人手・技能金型の設計と加工の技術が熟練技術者の経験と技術力に依存していた。
  • その他取引先の防振ゴムメーカーとCADデータを共有できず、データ変換で失われた分の加工用プログラムを再度作図する作業が発生していた。

やったこと

取引先の防振ゴムメーカーと同じCAD/CAMシステム(TOPSOLID)を導入し、データを共有できるようにした。設計と加工という金型の重要基盤技術を、熟練技術者の経験に頼らずデータベース化した。加工技術では高速ミーリングの技能を形式知化し、データベース化を進めた。生産管理には従来の生産管理ソフトに加えて、バーコードを読み取るハンディターミナルを導入し、作業工程を管理するシステムに切り替えた。導入時には同社独自の生産管理手法を提供してデータベース化し、本社工場と小牧工場を含む3拠点の進捗をリアルタイムで確認できる体制を構築した。

  • ソフトTOPSOLIDCAD/CAMシステム生産管理システム
  • その他ハンディターミナル

事業の効果

  • ITツール導入により、標準的な金型の製作リードタイムは16.2%短縮した。
  • 生産計画の先行期間 1週→24週

CAD/CAMシステムの導入により、取引先とデータを共有できるようになり、データ変換ロスによる再作図の作業が省かれた。これにより短納期対応力が高まった。生産管理システムの導入により、3拠点の進捗をリアルタイムで確認できるようになり、生産計画の先行期間も大きく延びた。設計と加工の技術をデータベース化したことで、熟練技能への依存が減った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    30年にわたる金型設計・製作が主力で、自動車向け防振ゴム金型など既存取引との一貫性がうかがえる。ただ経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自動車メーカーのコストダウン・開発期間圧縮という外部環境と、20数機の加工機や高精度金型という強みを結びつけて書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    標準的な金型の製作リードタイムを16.2%短縮、生産計画が1週先から24週先に伸びたと数字で示され、課題と成果が対応している。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    売上高を現状の1.5倍、営業利益を2倍にする目標が示されているが、付加価値額や賃上げの目標ではない。

  • 事業を進める体制3

    ISO9001取得や管理体制の構築、社長の役割は読み取れるが、人員計画や補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車メーカーの二次サプライヤーとして短納期化が必須という顧客ニーズと、顧客の立場に立った納入が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    2年後の新工場建設と3年後の売上目標が示されるが、遂行スケジュールと課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    金型の高精度化や高速ミーリング技術に触れるが、高水準の高付加価値化や高価格化を示す記述は薄い。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果3

    補助金により負担が軽減されたとあるが、投入額に対する付加価値増や生産性の具体数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    CAD/CAMと生産管理のITデータ連携やサプライチェーン内のデータ共有が書かれ、取引先との連携が見られる。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    愛知県の拠点や地域の取引がうかがえるが、地域特性を活かした雇用創出や経済成長への言及は明確でない。

今後の展望

2年後に新工場を建て、3拠点を1カ所に集約する計画である。短納期対応力を武器に受注を拡大し、3年後には売上高を現状の1.5倍、営業利益を2倍に伸ばすことを目標としている。

事業者の声

ITツールは高額なだけに、負担が軽減され、たいへん助かった

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。