ものづくり補助金平成24年度宮城県

原料処理作業の正確化及び効率化を図る設備の導入と研究による付加価値・競争力の向上

千田酒造株式会社

この事例のポイント

  • 洗米浸漬工程は浸漬時間の設定が難しく、人手が多くかかり、洗米作業が重労働で、作業が集中する。
  • 既存の洗米浸漬工程に、洗米機の出口から落ちる米を数個に分けて受け、適正な時間の後に一気に排水するジャンボックス(浸漬槽)を導入した。
  • 設備導入後、洗米浸漬工程と蒸きょう工程の両方で作業が平準化され、重労働が軽減された。

事業者のプロフィール

事業者名千田酒造株式会社
所在地宮城県 栗原市
業種食料品製造業
技術分野電子部品・デバイスの実装
従業員数3人
資本金1,000万円
設立1929年

事業の背景

宮城県栗原市の清酒製造業者で、栗駒山系伏流水を使いキレの良いすっきりとした酒造りにこだわっている。代表銘柄は「栗駒山」。原料処理は酒造りの第一歩であり、その良し悪しが後工程に大きく影響する。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能洗米浸漬工程は浸漬時間の設定が難しく、人手が多くかかり、洗米作業が重労働で、作業が集中する。
  • 品質・精度蒸きょう工程では蒸気圧・蒸気温度の制御が容易でなく、こしき内の蒸米の品質が均一になりにくい。
  • 人手・技能蒸きょう工程では重労働になる蒸し掘り作業の軽減が必要だった。
  • 納期・工程岩手・宮城内陸地震と東日本大震災で割れた炉への対策が急務だった。

やったこと

既存の洗米浸漬工程に、洗米機の出口から落ちる米を数個に分けて受け、適正な時間の後に一気に排水するジャンボックス(浸漬槽)を導入した。浸漬された米を甑に入れたままつり上げて吸水歩合を算出できるホイスト用架台レールとチェーンブロック付クレーンスケールを設置した。蒸きょう工程には、蒸気温度と蒸気圧を制御できる蒸気ボイラーと二重蒸気槽を導入した。米粒の芯まで麹菌が入る蒸し米に仕上げるため、蒸米機の蒸気圧を計測・調整できる体制を整えた。蒸し上がり後にもクレーンスケールで吸水歩合を算出している。

その他ジャンボックス(浸漬槽)
その他ホイスト用架台レール
検査測定チェーンブロック付クレーンスケール
その他蒸気ボイラー
その他二重蒸気槽

事業の効果

設備導入後、洗米浸漬工程と蒸きょう工程の両方で作業が平準化され、重労働が軽減された。原料処理米の重量、浸漬時間、蒸米機の蒸気圧などのデータを蓄積し、醸造工程で活用できるようにしている。高品質の純米酒・純米吟醸酒を安定して醸造できるようになった。今後は蓄積したデータを再現性の高い酒造りと職人技の継承に役立て、純米酒・純米吟醸酒の売り上げ向上を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性4

    既存の課題(洗米浸漬・蒸きょうの改善)を以前から抱え、同業者の情報を受けて取り組んだとあり、過去からの課題継続が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    市場や競合の動向は書かれていないが、競争力強化を狙い競合にない優位点とすると述べている。外部環境分析は読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    洗米浸漬と蒸きょうの課題(重労働、作業集中、品質均一化)を明示し、設備導入で高品質の純米酒・純米吟醸酒の安定醸造に結びつけたと読める。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値や賃上げの具体的な数値目標は書かれていない。純米酒等の売り上げ向上を目指すとのみ述べている。

  • 事業を進める体制3

    応募書類作成で課題を明文化し論理的に認識できたと述べるが、人材や事務処理体制の具体は薄い。従業員数3人の記載のみ。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    掲げるコンセプト「搾りたてのようにフレッシュで爽やか、キレの良いすっきりとした酒」と、栗駒山系伏流水を使う特色が明確に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    次のステップとしてデータ活用方法を模索し、職人技の継承にも役立てたいと述べるが、スケジュールや具体的な解決方法は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    純米吟醸酒など高品質酒の安定醸造を目指すとあるが、ジャンルの普及度や高価格化の水準は具体的に書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の伏流水や栗原市の蔵という点はあるが、波及効果や雇用創出の記述はなく、国が補助する理由は読み取りにくい。

  • 費用対効果3

    洗米浸漬と蒸きょうで作業平準化と重労働軽減が図られたとあるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    蒸気圧や浸漬時間などのデータ蓄積と活用が述べられるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は具体的ではない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    栗駒山系伏流水を仕込み水とする地域性を活かした酒造りと記載があり、地域資源の活用は読み取れるが雇用や成長の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

蓄積したデータを競争力強化と職人技の継承に活かし、純米酒・純米吟醸酒の売上向上を目指す。

事業者の声

大切な第一歩だからこそ、「浸す」「蒸す」に注力

公式の事例集より(原文のまま)

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効果:非熟練者でも平行度0.02mm以内及び平面度0.02mm以内の寸法精度を出せるようになった。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。