ものづくり補助金平成24年度大阪府

災害対策用アルミ合金製折り畳める可搬橋の試作開発

星軽金属工業株式会社

成果最大15m展開可能なモバイルブリッジが完成

この事例のポイント

  • 災害時に現地組立不要で折り畳んで運べる世界初の緊急橋(モバイルブリッジ)を試作開発する必要があった。
  • 広島大学と共同研究で開発を進め、橋自体を折り畳んで持ち運べるモバイルブリッジを試作した。
  • 最大15m展開可能なモバイルブリッジが完成。モバイルブリッジにより、寸断された道路や橋を迅速に復旧させる技術の構築を目指している。

事業者のプロフィール

事業者名星軽金属工業株式会社
所在地大阪府 富田林市
業種金属製品製造業
技術分野鍛造
従業員数10人
資本金1,000万円
設立1977年

事業の背景

同社はアルミ合金製の渡り橋、門扉、昇降架台などアルミ製構造物の設計・製作を手掛け、エンドユーザーは港湾を管理する自治体が900%ほど(原文表記のまま)を占める。受注生産が大半で、アルミ橋は参入が難しいニッチな産業となっている。地震、津波、台風、集中豪雨で道路や橋が寸断された場合、早急な復旧が求められ、2014年8月の広島土砂災害では甚大な被害が出た。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術災害時に現地組立不要で折り畳んで運べる世界初の緊急橋(モバイルブリッジ)を試作開発する必要があった。
  • コスト・採算既存の仮設橋は大掛かりな工事で費用がかかり、使用後はスクラップとなるため非経済的だった。
  • 人手・技能既存の仮設橋は架橋に約2週間を要し、多数の作業員・運搬車両・クレーン車・組立ヤードが必要だった。

やったこと

広島大学と共同研究で開発を進め、橋自体を折り畳んで持ち運べるモバイルブリッジを試作した。小型・軽量化により、運搬用車両と最小1人の作業員で架橋まで行えるようにした。使用後は折り畳んで移動・保管し、繰り返し利用できるようにした。4トントラックで運搬でき、最大15m展開可能な可搬橋が完成した。

新しい製品・サービス:4トントラックで運搬でき、最大15m展開可能なモバイルブリッジ(折り畳み式の可搬橋)。

事業の効果

  • 最大15m展開可能なモバイルブリッジが完成

モバイルブリッジにより、寸断された道路や橋を迅速に復旧させる技術の構築を目指している。架橋作業の大幅な時間短縮と、使用後に繰り返し利用できる経済性が見込まれる。現在は官公庁を中心に営業を進めており、用途面では評価を得ている。今後は広域防災連合や都道府県単位での普及を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性港湾自治体が売上の900%ほどを占め、潮の干満への対応や強度面の経験がニッチ参入障壁と述べられ、強みが明示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け官公庁をターゲットとし、広域防災連合や都道府県単位での運用提案を明示しており、顧客像と選ばれる理由が読み取れる。
  • 4
    新しさ・高付加価値折りたたみ式で現地組立不要の世界初の緊急橋を目指し、既存仮設橋の2週間の架橋時間に対する差別化が明示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標最大15m展開や4トントラック運搬は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    1977年設立のアルミ構造物会社で、渡り橋や自治体向け納入実績があり、可搬橋の開発は既存事業の延長として読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    港湾自治体が売上の900%ほどを占め、潮の干満への対応や強度面の経験がニッチ参入障壁と述べられ、強みが明示されている。

  • 課題の認識と解決3

    仮設橋の架橋に2週間かかる課題を示し、折りたたみ式で1人架橋可能とするが、事業計画の収益面までは具体的に書かれていない。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    最大15m展開や4トントラック運搬は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    広島大学との共同研究で開発を進めている点はあるが、補助事業を遂行する人員体制や事務処理能力の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    官公庁をターゲットとし、広域防災連合や都道府県単位での運用提案を明示しており、顧客像と選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    30m展開の開発、一般人でも架橋できる改良、防災システムとしての提案など中長期の課題と方向性は示されるが、スケジュールは不明確。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    折りたたみ式で現地組立不要の世界初の緊急橋を目指し、既存仮設橋の2週間の架橋時間に対する差別化が明示されている。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用4

    広島土砂災害など災害による道路・橋の寸断という社会課題に対し、早急な復旧を可能にする点で国が補助する理由が読み取れる。

  • 費用対効果2

    使用後も折りたたんで繰り返し使えるため非経済的な既存仮設橋より有利とあるが、投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    折りたたみ式の緊急橋という新技術の開発は読み取れるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    地域特性を活かした雇用や地域経済の牽引は書かれておらず、防災用途での利用が中心とうかがえる程度。

今後の展望

海外(中国・ロシアなど)からの引き合いがあり、海外の河川対応には30m展開できる製品が必要で開発を進めている。また、一般人でも架橋できるよう改良を計画している。今後は防災全体のシステムとしての提案も進める方針である。

事業者の声

モバイルブリッジの開発は、資金的な負担が大きく、スムーズに進めることが厳しい面もありました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。