ものづくり補助金平成27年度製造業三重県

高齢者、障がい者、幼児のための麺の開発販売

この事例のポイント

  • 古くからのうどん店が閉店し、取引先のうどん店が減少している。
  • 製麺機を新たに導入し、製麺機を改良して輪状型の麺を製造できる体制を整えた。
  • 輪状型の麺の導入により、高齢者、障がい者、幼児など、これまで自分でフォークにひっかけて麺を食べられなかった人が食べられるようになった。

事業者のプロフィール

所在地三重県 桑名市
業種食料品製造業
従業員数5人
設立1931年

事業の背景

昭和6年創業の老舗製麺業者で、生めん・半生めん・乾麺を製造し、うどん店や有名ホテル・旅館への卸のほか、個人客への店頭販売も行っている。古くからあるうどん店は店舗の老朽化や店主の高齢化、チェーン店との競争によって閉店が増えており、取引先のうどん店も減少した。桑名市では数年間、個人経営のうどん店の出店がない状況である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑古くからのうどん店が閉店し、取引先のうどん店が減少している。
  • 集客・繁閑従来の個人客は高齢化しており、売上は伸びず減少しているため、新しい顧客層の獲得が必要である。
  • 新製品・新技術高齢者や障がい者がすすって食べにくいうどんに応える商品がなく、輪状型の麺を開発する必要がある。
  • 生産能力輪状型の麺を製造する専用機械がないため、製麺機を改良して導入する必要がある。

やったこと

製麺機を新たに導入し、製麺機を改良して輪状型の麺を製造できる体制を整えた。従来のうどんは麺帯を切断する工程だったが、輪状型の麺は押し出しによって麺を打つ新たな工程を構築した。機械メーカーの指導のもとで試験稼働を実施し、製品のでき具合を確認した。美味しく食べられるよう小麦粉の配合を変えながら、繰り返し試食を行った。

新しい製品・サービス:輪状型の麺(仮称)

事業の効果

輪状型の麺の導入により、高齢者、障がい者、幼児など、これまで自分でフォークにひっかけて麺を食べられなかった人が食べられるようになった。障がい福祉施設での試食では、麺がすくいやすくフォークに絡んで食べやすいという感想が得られた。新たに販売先となった老健施設からは、うどんやラーメンだけでなくお好み焼きやサラダなど他のメニューの食材としても使えるという反応があった。新しい顧客層への販売の機会が広がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性高齢者・障がい者向けにうどん店が減少する中、同業他社と販売先が異なり競合していないと具体的に述べられており、強みを生かす根拠がある。
  • 4
    課題の認識と解決従来顧客の高齢化で売上減少、うどん店15件から5件へ減少という課題が具体的に示され、新顧客層獲得で解決を図る構成になっている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け輪状麺の対象顧客は高齢者・障がい者・幼児と明確で、施設ヒアリングで食べやすさの感想を得ており、ニーズの裏付けがある。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標高付加価値や賃上げの具体的な目標値は示されておらず、わずかに新顧客獲得の期待がうかがえるのみである。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の直営うどん店や個人客向け販売を背景に、高齢者・障がい者向け輪状麺の開発が位置づけられているが、経営戦略上の明確な位置づけ記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    高齢者・障がい者向けにうどん店が減少する中、同業他社と販売先が異なり競合していないと具体的に述べられており、強みを生かす根拠がある。

  • 課題の認識と解決4

    従来顧客の高齢化で売上減少、うどん店15件から5件へ減少という課題が具体的に示され、新顧客層獲得で解決を図る構成になっている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値や賃上げの具体的な目標値は示されておらず、わずかに新顧客獲得の期待がうかがえるのみである。

  • 事業を進める体制3

    勤続30年以上の職人や機械メーカー指導下の試験稼働など体制の記述はあるが、人員や事務処理体制の具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    輪状麺の対象顧客は高齢者・障がい者・幼児と明確で、施設ヒアリングで食べやすさの感想を得ており、ニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋3

    試食会、アンケート、展示会出展、ホームページ充実など今後の進め方は示されているが、スケジュールや期間の記載は乏しい。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    輪状型の麺は一般に普及していない分野で、施設にも同種製品がないと述べられ、新分野での取り組みとして具体的に読み取れる。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    高齢者・障がい者の食の要望に応えるとの社会的意義は述べられているが、雇用や波及効果の数値的根拠は薄い。

  • 費用対効果2

    投資額や付加価値増加額などの費用対効果を示す数値は書かれておらず、わずかに効果がうかがえるのみである。

  • イノベーションへの貢献2

    新たな製造工程の構築など技術的工夫はあるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    桑名市での個人うどん店の出店がないという地域の状況は述べられているが、地域の特性を生かした雇用や成長への言及は乏しい。

今後の展望

今後は試食会を実施した施設から紹介を受ける活動を展開する。介護関係の展示会にも出展し、介護士や関係者に試食してもらうことを検討している。アンケートで集めた声をもとに商品を改良していく。全国に情報発信するため、ホームページの充実も図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。