ものづくり補助金平成29年度製造業奈良県

プラント向け特殊バルブ部品等の生産性向上をもたらす加工技術の高度化

成果リードタイム 40分→10分

この事例のポイント

  • 現有機の機械剛性により“ビビり”振動が発生し、理論上の加工速度が出ずボトルネックとなっていた。
  • 本事業において、独自技術を活用するための機能・剛性を有した機械を選定し導入した。
  • リードタイム 40分→10分。リードタイムが現状の40分から10分へ短縮され、生産効率は2倍以上に向上した。

事業者のプロフィール

所在地奈良県 天理市
業種はん用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数4人
設立1992年

事業の背景

当事業所は平成4年に創業し、もとは主要顧客であるアスカ工業㈱の外注協力業者として独立した。主軸は流体制御機器に使われる特殊バルブ部品で、金属加工業のなかでもニッチな領域である。近年はアジア・アフリカ系の新興国のインフラ整備を背景に、日本製特殊バルブの需要が増大し、要求仕様は年々高度化・大型化している。そのため主要顧客から生産力向上と大型化への対応を求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力現有機の機械剛性により“ビビり”振動が発生し、理論上の加工速度が出ずボトルネックとなっていた。
  • 品質・精度独自の切削加工技術を適用すると“ビビり”振動が生じ、想定通りの加工時間が出せなかった。
  • 生産能力現有機では治具固定サイズに限界があり、独自技術を十分に活用できなかった。
  • 生産能力対応できる加工サイズが直径60mm・長さ300mmまでと限られていた。
  • 生産能力従来は1ロット1点〜4点程度の対応で、量産に対応しきれなかった。

やったこと

本事業において、独自技術を活用するための機能・剛性を有した機械を選定し導入した。これにより独自技術を適用してもビビり振動が発生せず、想定通りの加工時間を達成した。リードタイムは現状の40分から10分へ短縮でき、生産効率は2倍以上に向上した。また長尺対応が可能となり、直径60mm・長さ300mmが上限だった対応サイズを直径70mm・長さ800mmまで拡大した。

加工機機能・剛性を有した機械(機種名は本文になし)

事業の効果

  • リードタイム 40分→10分
  • 最大直径 60mm→70mm
  • 最大長さ 300mm→800mm

リードタイムが現状の40分から10分へ短縮され、生産効率は2倍以上に向上した。ビビり振動が発生せず想定通りの加工時間を達成できるようになった。対応できる加工サイズも直径70mm・長さ800mmまで広がり、1点から量産ロットまで対応できる生産体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成4年創業で特殊バルブ部品を主軸に加工してきた経緯と、主要顧客からの生産力向上要請が記載されており、一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ビビり振動によりリードタイムを40分から10分へ短縮し、生産効率を2倍以上にする具体的な数字があり、特殊合金加工の強みも記載されている。

  • 課題の認識と解決5

    ボトルネック工程の課題を特定し、リードタイム40分から10分、生産効率2倍以上、対応直径60mmから70mm・長さ300mmから800mmという数値目標がある。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    リードタイム短縮や生産効率2倍以上、対応サイズ拡大など数値目標が示されているが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員4名(作業員3名)の少数体制と事業所の概要は記載されているが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    特殊合金の切削加工を得意とし、大型部品や特殊大型ネジに対応できる点、主要顧客からの大型化要請が記載されており、選ばれる理由は読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    独自技術を活かすため機能・剛性を備えた機械を導入する方針と、量産汎用部品への展開が書かれているが、スケジュールや課題解決の具体的方法は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    特殊バルブ部品に使われる一般に認知の少ない特殊合金の高精度切削を得意としており、ニッチ分野での高付加価値性がうかがえる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    新興国のインフラ整備を背景にプラント需要が増えている記述はあるが、雇用創出や波及効果の具体的な記載はない。

  • 費用対効果3

    リードタイム40分から10分、生産効率2倍以上という効果は書かれているが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    奈良県天理市に所在することは書かれているが、地域特性を活かした雇用創出や地域経済成長への言及はほぼ読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は人材の増員も踏まえ、事業の多角化・領域拡大を目指す。量産の汎用部品にも事業領域を広げていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。