ものづくり補助金平成29年度製造業島根県

海外営業力強化に伴う洗瓶・瓶詰ライン設置による生産性向上事業

一宮酒造有限会社

成果瓶詰・計量・検品の必要人数 8人→4人

この事例のポイント

  • 洗瓶機は1升瓶や720ml瓶などの定型瓶しか洗えず、1回の洗浄ではラベルが取れないため2回の洗浄工程となっていた。
  • 洗瓶機JRS-2400SH型を導入し、蔵で使用する約20種の形状の瓶をすべて洗えるようにした。
  • 瓶詰・計量・検品の必要人数 8人→4人。瓶詰作業のスピードと衛生面が向上し、品質も上がった。

事業者のプロフィール

事業者名一宮酒造有限会社
所在地島根県 大田市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境,機械制御
従業員数5人
資本金5,000万円
設立1896年

事業の背景

1896年創業の清酒蔵で、三瓶山の伏流水を使い、幻の酒米「改良八反流」を100%使った特別純米酒「石見銀山」や発泡性低アルコール清酒「雪香」などが県内外で人気である。2017年に蔵元の次女が杜氏となり、原材料の米をすべて県内産に変更して酒質の向上に取り組んできた。高品質の酒を生み出してきた一方で、海外需要の拡大に対応する製造工程の効率化が課題だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力洗瓶機は1升瓶や720ml瓶などの定型瓶しか洗えず、1回の洗浄ではラベルが取れないため2回の洗浄工程となっていた。
  • 生産能力充填機は火入れ後の酒を1升瓶に詰める作業しかできず、他サイズの瓶や生酒なども1本ずつ手作業で計量しながら入れており、相当な時間を費やしていた。
  • 生産能力搾りが相次ぐピーク時には瓶詰め作業が追い付かず、タンクのやりくりなど余分な作業が加わっていた。
  • 新製品・新技術海外需要の拡大が顕著な中で、製造工程の効率化が課題となっていた。

やったこと

洗瓶機JRS-2400SH型を導入し、蔵で使用する約20種の形状の瓶をすべて洗えるようにした。充填打栓ラインとして、TF-8本立フレキシブル充填機、TDP-1フレキシブル打栓機、ラベラー前新設コンベアを導入した。新設した充填打栓ラインにより、酒の温度や瓶の形状に関わらず、あらゆる商品を仕上げられるようになった。薄濁りの雪香を詰める場合、従来は計8人必要だった濁り酒混ぜ、800ml瓶詰め、計量・検品が、機械導入後は半分の4人でできるようになった。

加工機TF-8本立フレキシブル充填機
加工機TDP-1フレキシブル打栓機
加工機ラベラー前新設コンベア
加工機洗壜機JRS-2400SH型

事業の効果

  • 瓶詰・計量・検品の必要人数 8人→4人

瓶詰作業のスピードと衛生面が向上し、品質も上がった。雪香の薄濁り瓶詰めは計8人から4人に減り、省力化が進んだ。機械化は衛生面にも大きな効果をもたらした。提供できる商品のバリエーションも増やせる見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    2017年に杜氏就任、米の県内産化や麹づくりの見直しなど過去からの酒造りの取組はあるが、経営戦略上の位置付けは記載が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外需要の拡大が課題とされ、受賞歴や人気銘柄の記載はあるが、自社の強みと市場動向の関係を示す具体的な分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    瓶詰め作業の追いつかなさや洗瓶の2回洗浄、計8人が4人に減るなど現状課題と解決の方向が具体的に示されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産性や品質向上は述べられているが、付加価値額や賃上げの目標値、数値は事例紹介には示されていない。

  • 事業を進める体制2

    杜氏や副杜氏など担当者はうかがえるが、補助事業を遂行する人材・事務体制の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    発泡性低アルコール清酒「雪香」など商品特性と、あらゆる商品を仕上げられる点、SNS発信など選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は他業種との連携や情報発信に力を入れるとあるが、スケジュールや課題解決方法の具体的な記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    発泡性低アルコール清酒など特色ある商品はあるが、同分野の中での高価格化や高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    海外需要拡大への対応や地域の蔵としての役割がうかがえるが、国が補助する積極的理由や波及効果の記述は乏しい。

  • 費用対効果2

    8人から4人になった作業効率化は読み取れるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    海外需要拡大への対応として、製造工程の効率化が課題とされ、成長分野への進出がうかがえる程度。

  • 地域経済への波及3

    三瓶山の伏流水や県内産米の使用、地域の活性化への貢献が述べられ、地域特性を活かした事業であることが読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

提供できる商品のバリエーションを増やせる見込みで、他業種との連携による新たなファンづくりにも力を入れる方針である。

事業者の声

“とりあえずビール”ではなく、“とりあえず特純(特定純米酒)”と言ってもらえるよう頑張りたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。