ものづくり補助金平成27年度製造業鳥取県

鏡面化向上、低コスト化を実現するバレル方式ステンレス用電解研磨処理の実用化

株式会社アサヒメッキ

この事例のポイント

  • 従来のステンレス研磨方法では、低コスト化と生産効率の改善が難しかった。
  • 小型バレル用電解研磨処理設備の付随設備機器と、SUS用電解研磨装置を導入した。
  • 量産試作の精密ドリルなどで、刃先性能など求められる品質基準を十分に満たす結果が得られた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アサヒメッキ
所在地鳥取県 鳥取市
業種その他の製造業
技術分野精密加工,表面処理
設立1958年

事業の背景

昭和21年に鳥取市内で自転車販売修理と電気めっきを始め、めっき加工を主力として生産設備の拡充と工場の新築移転を経て現在に至る。亜鉛メッキ、SUS電解研磨、化学研磨、アルマイト処理を得意とし、山陰最大手格の総合金属表面処理業者である。自動車、機械、電気機器、建築金物、服飾金具など多様な部品を手がけ、中国地方随一の規模・シェアを持つライン設備を備える。受注先の6割以上は県外需要である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算従来のステンレス研磨方法では、低コスト化と生産効率の改善が難しかった。
  • 品質・精度小物精密器具の研磨では鏡面化と品質精度の向上が求められていた。

やったこと

小型バレル用電解研磨処理設備の付随設備機器と、SUS用電解研磨装置を導入した。バレル式電解研磨処理で医療用ドリルなどの試作を行い、表面粗さRa0.05未満、バリ0.1の除去などを実現した。傾斜バレルや蓋なしバレルを用い、精密部品の混合均一性を考慮した。180°揺動、斜め回転、回転速度低下などの動かし方を検討し、部品の動きを最適化した。バレル形状、電極接点、回転条件の考案と原材料組成の最適化により、バラつきのないサブミクロン研磨と確実な電気接点の確保を実現した。

  • 加工機小型バレル用電解研磨処理設備の付随設備機器SUS用電解研磨装置

新しい製品・サービス:中四国地区で唯一の、バレル方式ステンレス用電解研磨処理

事業の効果

量産試作の精密ドリルなどで、刃先性能など求められる品質基準を十分に満たす結果が得られた。バレル式電解研磨により、鏡面化の向上と低コスト化を両立する処理を実用化した。自社開発のステンレス発色技術も医療・自動車・建築分野への用途拡大に活用される見込みである。医療分野など新分野の開拓にもつながる設備となった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性創業以来のめっき事業からSUS電解研磨を得意分野として育て、医療分野への展開を経営上の方向性として示している。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性中国地方随一の規模・シェアのライン設備と自社開発のステンレス発色技術を強みとし、受注の6割以上が県外である点を示している。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け医療用ドリルを試作品とし、刃先性能など顧客の求める品質基準を満たしたという具体的な結果が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標試作の表面粗さRa0.05未満などの結果は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性4

    創業以来のめっき事業からSUS電解研磨を得意分野として育て、医療分野への展開を経営上の方向性として示している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    中国地方随一の規模・シェアのライン設備と自社開発のステンレス発色技術を強みとし、受注の6割以上が県外である点を示している。

  • 課題の認識と解決3

    低コスト化や鏡面化向上という課題は示されているが、高付加価値化や成長に結びつく数値の見込みは書かれていない。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    試作の表面粗さRa0.05未満などの結果は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    創業からの沿革や設備保有は書かれているが、本事業を担う人材や体制の具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療用ドリルを試作品とし、刃先性能など顧客の求める品質基準を満たしたという具体的な結果が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    開発の方向性は書かれているが、スケジュールや課題解決の段取りは具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    自社開発のステンレス発色技術を「世界初のオンリーワン」と位置付け、他にない高付加価値の分野を目指している。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    医療・自動車・建築分野への用途拡大が示されているが、雇用創出や波及効果の数値や記述はない。

  • 費用対効果2

    低コスト化の狙いは書かれているが、補助金投入額に対する効果を示す数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    ステンレスの発色技術で医療・自動車など多用途への展開を図る点は読み取れるが、デジタル技術の活用は書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出3

    医療分野など新分野への進出を図る方向性は示されているが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及3

    鳥取市の地場企業として山陰最大手格であることは書かれているが、地域経済への波及効果は具体的に示されていない。

今後の展望

県外需要先の拡大と海外の新規需要開拓を積極的に進める計画である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。