ものづくり補助金平成27年度製造業山口県

柑橘類の香り成分(リモネン)の抽出や果皮および果汁を利用した新商品開発

有限会社たけなか

この事例のポイント

  • リモネンを抽出するには外部委託しており、最終商品の製造を自社で完結できない状況だった。
  • 柑橘類の果皮を薄く削る相橘果皮切削機を導入し、水をかけながら表皮を削ることで、リモネンの飛散を防ぎ水の中にリモネンを取り込めるようにした。
  • 柑橘類の果皮からリモネンと芳香蒸留水を効率よく抽出できるようになり、リモネンを列車内の芳香剤などとして利用できる見通しが立った。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社たけなか
所在地山口県 山口市
業種食料品製造業

事業の背景

当社は夏みかん等の柑橘類の栽培・加工・販売を通じて6次産業化を25年前から行っている。夏みかん丸漬け、ゼリー、マーマレード、ジュースなどを製造し、直営店や県内外の土産店、専門店、量販店などに販売している。大手コスメショップから柑橘類のリモネンを使った商品化の打診もあり、試作品まで製作していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力リモネンを抽出するには外部委託しており、最終商品の製造を自社で完結できない状況だった。
  • コスト・採算製造工程で柑橘類の残渣(皮など)が大量に排出され、環境対応や処理費用が増加していた。
  • 新製品・新技術柑橘類の果皮に豊富に含まれるリモネンと芳香蒸留水を、より効率的に抽出できる設備がなかった。

やったこと

柑橘類の果皮を薄く削る相橘果皮切削機を導入し、水をかけながら表皮を削ることで、リモネンの飛散を防ぎ水の中にリモネンを取り込めるようにした。相橘搾汁スライサーを導入し、品種ごとに大きさが異なる柑橘に対応でき、レンチ1本で搾汁圧の変更が可能になった。真空式レオニーダーと冷却凝縮装置を導入し、真空状態で蒸留することで低い沸点での蒸留が可能になり、熱による原料の劣化を抑えられるようになった。気化したリモネンを含む蒸気を冷却して液体化させる工程も装置の導入により解決した。

  • 加工機相橘果皮切削機相橘搾汁スライサー真空式レオニーダー冷却凝縮装置

新しい製品・サービス:柑橘類のリモネンと芳香蒸留水(フローラルウォーター)の抽出

事業の効果

柑橘類の果皮からリモネンと芳香蒸留水を効率よく抽出できるようになり、リモネンを列車内の芳香剤などとして利用できる見通しが立った。残渣の有効活用により環境対応や処理費用の課題も改善に向かっている。真空蒸留により原料の劣化も抑えられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性既存の加工ノウハウを活かし、大手コスメショップから商品化打診を受け試作まで進んだ点から、市場ニーズと自社資源の結びつきが読み取れる。
  • 4
    課題の認識と解決残渣の多量排出による処理費用増加を課題と認識し、リモネン抽出の設備導入で有効活用へ解決する計画になっている。
  • 4
    新しさ・高付加価値柑橘残渣由来のリモネン・フローラルウォーター抽出は一般的でなく、減圧や真空式で劣化を抑える高付加価値化を図っている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    波及効果・雇用残渣処理の環境課題への対応は触れられているが、地域への経済波及や雇用創出の記述は薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    25年前からの夏みかん等の6次産業化と、リモネン・フローラルウォーター抽出の前段成功が既存事業の延長にあり、一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    既存の加工ノウハウを活かし、大手コスメショップから商品化打診を受け試作まで進んだ点から、市場ニーズと自社資源の結びつきが読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    残渣の多量排出による処理費用増加を課題と認識し、リモネン抽出の設備導入で有効活用へ解決する計画になっている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制3

    既存の生産・加工ノウハウを確立しており、製造工程を社内で完結させる体制を整える計画が読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    「斉つうビジネス」市場の高まりを背景に、大手コスメショップの打診や鉄道車内での芳香剤利用など顧客ニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋3

    アロマオイル・食品香料・石鹸への商品化検討やギフトショー出品などの今後の進め方が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    柑橘残渣由来のリモネン・フローラルウォーター抽出は一般的でなく、減圧や真空式で劣化を抑える高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用2

    残渣処理の環境課題への対応は触れられているが、地域への経済波及や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    残渣を有効活用するリモネン抽出と新たな製造設備の導入により、サプライチェーン内の資源循環に貢献し得る。

政策面3.0
  • 成長分野への進出3

    「斉つうビジネス」として香りを付加価値とする市場の成長分野へ進出する点が示されている。

  • 地域経済への波及3

    山口県産の柑橘を活かし、地域資源から新たな事業分野へ展開する計画となっている。

今後の展望

リモネンを使ったアロマオイル、食品香料、石鹸などの商品化を検討し、ギフトショー等への出品によりプロモーションを行う。芳香蒸留水はポン酢や飲料水の加工材料としての利用を考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。