ものづくり補助金平成28年度製造業山形県

偏芯加工可能多軸旋盤導入による生産性向上と異分野進出事業

有限会社三泰工業所

成果609%以上のリードタイムの削減

この事例のポイント

  • 偏芯加工部品は1次加工後に2次加工が必要で、1次加工以降は1本ずつチェッカー機に専属オペレーターが手差しで対応しており、リードタイムが増加している。
  • 偏芯加工可能多軸旋盤としてシチズンマシナリー製D25MIIを1台導入した。
  • 609%以上のリードタイムの削減。偏芯加工が1次加工のみで完成品にでき、2次加工以降の偏芯治具製作が不要になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社三泰工業所
所在地山形県 河北町
業種業務用機械器具製造業
技術分野デザイン,機械制御,情報処理,精密加工
従業員数11人
資本金500万円
設立1973年

事業の背景

当社は精密金属加工を行い、小さい製品や薄い製品、難削材の加工を得意としている。偏芯加工の案件が多数ある一方で、増加傾向にある偏芯加工部品を取り込むには現状の加工方法を見直す必要があった。医療・航空機器などの複雑な加工技術を要する最先端製品への対応も求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力偏芯加工部品は1次加工後に2次加工が必要で、1次加工以降は1本ずつチェッカー機に専属オペレーターが手差しで対応しており、リードタイムが増加している。
  • 人手・技能手差し対応に人員が取られ、マンパワーが不足している。
  • コスト・採算2次加工側の偏芯治具の製作が必要で、製造コストと納期がかかっている。
  • 品質・精度人的なバラつきや装着のズレが生じ、加工精度に課題があった。

やったこと

偏芯加工可能多軸旋盤としてシチズンマシナリー製D25MIIを1台導入した。本機1台で偏芯部品を1次加工のみで完成品とし、2次加工以降の偏芯治具製作を不要にした。導入により609%以上のリードタイム削減が見込まれ、新規受注にも対応できるとしている。

  • 加工機偏芯加工可能多軸旋盤シチズンマシナリー製 D25MII

事業の効果

  • 609%以上のリードタイムの削減

偏芯加工が1次加工のみで完成品にでき、2次加工以降の偏芯治具製作が不要になった。これにより製造コストと納期が大幅に短縮され、治具とマンパワーを使わない高精度な偏芯加工が可能になった。偏芯加工の無人化が実現し、余剰人員を多能工として活用できるようになり、設備の効率利用と生産性向上につながった。今後は高付加価値・高精度な偏芯部品や異分野事業への新規参入を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    課題の認識と解決1次加工以降の手差し対応によるリードタイム増とマンパワー不足を課題に挙げ、609%以上のリードタイム削減という数字で解決効果が示されている。
  • 5
    付加価値・賃上げの目標リードタイムの609%以上削減という具体的な数値目標が示され、本機導入で実際に1次加工のみで完成品となる結果も記載されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け医療機器業界の内視鏡内部品など微細部品の需要、大手医療メーカーからの受注という顧客ニーズの裏付けが具体的に記載されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員11名の体制は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述は見当たらない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の偏芯加工案件が多いことと、精密金属加工の事業内容が書かれ、継続的な取組との関係はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    医療・航空機器など高難度分野への対応と、難削材加工の強みが記載され、競争優位の方向性は読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    1次加工以降の手差し対応によるリードタイム増とマンパワー不足を課題に挙げ、609%以上のリードタイム削減という数字で解決効果が示されている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標5

    リードタイムの609%以上削減という具体的な数値目標が示され、本機導入で実際に1次加工のみで完成品となる結果も記載されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員11名の体制は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療機器業界の内視鏡内部品など微細部品の需要、大手医療メーカーからの受注という顧客ニーズの裏付けが具体的に記載されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として新規分野参入や高付加価値化が述べられるが、遂行方法やスケジュールは具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    医療機器の偏芯部品を1次加工のみで完成させる高難度加工として、同分野で高付加価値化を図る方向性が読み取れる。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    医療機器の国内生産や新興国展開への言及はあるが、雇用創出や波及効果を国が支援する理由としての記述は乏しい。

  • 費用対効果4

    治具製作不要やマンパワー解消、無人化など、費用対効果に関わる工程削減の成果が具体的に書かれている。

  • イノベーションへの貢献2

    複合型NC旋盤や多軸化は示されるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    医療機器業界など成長分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見られない。

  • 地域経済への波及2

    山形県河北町という地域の立地は書かれるが、地域特性を活かした雇用や経済成長への記述は乏しい。

今後の展望

新たな偏芯加工技術を既存の医療機器業界にアピールし、大手医療メーカーの内視鏡内部品など微細化する部品への対応を進める。新規開拓や新たな領域の産業を取り込み、付加価値が高く高度化が進む製品の製造を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。