ものづくり補助金平成26年度製造業高知県

おかずみその殺菌方法の変更による安全性、作業環境改善、コストダウンの実現

だるま味噌株式会社

成果ボイラー燃料費(年間) 256万円→84.9万円

この事例のポイント

  • 殺菌の条件を満たすことが難しく、殺菌の精度にバラつきがあり、品質を一定に保つことが困難だった。
  • 温水加熱ニーダー等3機種を導入し、製品の湯煎殺菌とどぶ漬け殺菌の方法を新たな独自の殺菌方法に変更した。
  • ボイラー燃料費(年間) 256万円→84.9万円。自動制御により確実に菌が死滅する温度・時間を管理できるようになり、殺菌不足と製品不良がなくなった。

事業者のプロフィール

事業者名だるま味噌株式会社
所在地高知県 高知市
業種食料品製造業
従業員数16人
資本金750万円
設立2006年

事業の背景

当社は130年の歴史があり、金山寺みそやもろみみそなどおかずみその製造を主とする味噌メーカーで、1965年(昭和40年)に現工場に移転してからも同じ製法で製造を続けてきた。おかずみそを作るメーカーは全国的にも少なく、現在は10社に満たないと見られ、いずれも昔ながらの製法で作っている。他社はアルコール添加で酵母菌の働きを抑えているが、当社は熱殺菌を行っており、これが差別化点となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度殺菌の条件を満たすことが難しく、殺菌の精度にバラつきがあり、品質を一定に保つことが困難だった。
  • 品質・精度湯煎では加熱不十分で酵母菌が残ると製品事故につながる可能性があった。
  • コスト・採算大量の湯を長時間沸かすため燃料費のコストが大きかった。
  • コスト・採算どぶ漬け殺菌では中の温度確認のため開封が必要で、殺菌のたびに廃棄ロスが発生していた。
  • 人手・技能湯煎では作業者が3時間程度つきっきりで攪拌する必要があり、長時間の人力作業だった。
  • 品質・精度大量の蒸気が充満し衛生面に問題があった。
  • 人手・技能室温が50℃に達する作業環境が作業者の健康状態に影響していた。

やったこと

温水加熱ニーダー等3機種を導入し、製品の湯煎殺菌とどぶ漬け殺菌の方法を新たな独自の殺菌方法に変更した。蒸気加熱ニーダーは外釜と内釜の間に蒸気を通して中のおかずみそを加熱し、焦げないよう自動で攪拌しながら殺菌する。蒸気スチーマーは棚状のワゴンに製品を並べて加熱殺菌し、製品1つに温度センサーを挿して殺菌に必要な温度・時間を自動で管理する。蒸気ボイラーはニーダーとスチーマーに必要な蒸気を作る。

加工機蒸気加熱ニーダー(一式)
加工機蒸気スチーマー(一式)
加工機蒸気ボイラー(一式)

新しい製品・サービス:無添加のおかずみそ(単価の高い「こだわりのおかずみそ」として販売予定)

事業の効果

  • ボイラー燃料費(年間) 256万円→84.9万円
  • 殺菌作業時間(年間) 2,160時間→131.4時間
  • 殺菌用サンプル数 10個→1個
  • 殺菌工程のスペース数 7ヵ所→2ヵ所

自動制御により確実に菌が死滅する温度・時間を管理できるようになり、殺菌不足と製品不良がなくなった。殺菌作業時間が大幅に減り、1人分の労働を他の作業に転用できるようになった。開封確認による廃棄ロスが減り、熱湯がむき出しだった危険な状況も回避され、衛生的な製造環境が整った。ボイラー燃料費も大きく削減した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    130年の歴史と昔ながらの製法を背景に、殺菌方法を見直す取組が既存の製品づくりの延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    おかずみそを作る会社は10社に満たないと書かれ差別化点は読み取れるが、市場動向との関係の記述は少ない。

  • 課題の認識と解決5

    殺菌の廃棄ロスや作業者の健康影響などの課題を示し、燃料費256万円から84万9千円への推移など数字で効果を示している。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    殺菌作業時間を年間2160時間から131.4時間に減らす目標と実績が示され、1人分を他作業に転用できると説明されている。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    無添加おかずみそや単価の高いこだわり商品、地域食材との協業など製品の方向性は示されるが、顧客ターゲットの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    無添加味噌の着手や業務用商品、海外販路への展開など今後の計画は示されるが、スケジュールや検証方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    おかずみその製造は10社に満たず、熱殺菌を行うのは同社のみと差別化点を示し、無添加おかずみそは市場にまだ類がないとする。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地産地消や雇用拡大への言及はあるが、川上・川下への波及効果を示す記述はわずかである。

  • 費用対効果4

    投資に対して燃料費が年間256万円から84万9千円に減り、殺菌時間も大幅に削減されるなど費用対効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    温度センサーとマイコン制御による自動殺菌管理がうかがえるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    地域食材とのコラボ商品や地産地消の観点が示され、地域特性を活かす方向性はうかがえるが、経済成長への効果は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

工場内衛生環境と製品事故の減少はブランド価値の向上につながる。精度の高い殺菌システムを基に、無添加のおかずみそを単価の高い商品として販売し、地域食材とのコラボ商品開発やPB・OEMの製造受託も拡大したい。殺菌精度の向上により業務用商品開発や海外販路拡大の可能性が広がり、雇用を拡大して事業拡大につなげたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。