ものづくり補助金平成29年度製造業大阪府

ステンレス鋼帯の偏肉修正向け高付加価値研磨ベルトの生産性改善

永塚工業株式会社

この事例のポイント

  • ステンレス鋼帯の偏肉部の厚さ補正を精密に行える高機能広幅研磨ベルトの生産に、従来の職人頼りの工程では生産効率と品質の安定化に限界があった。
  • ステンレス鋼帯の偏肉部の厚さ補正を精密に行える高機能広幅研磨ベルトの製造ラインに新たな加工設備を導入した。
  • 製造工程の刷新による自動化で省人化を達成し、ステンレス鋼帯を研磨する広幅研磨ベルトの生産効率が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名永塚工業株式会社
所在地大阪府 東大阪市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野機械制御,機械制御,精密加工,精密加工,製造環境,製造環境
従業員数47人
資本金1.92億円
設立1892年

事業の背景

永塚工業は明治25年創業の研磨布紙の老舗メーカーで、研磨布紙やブラシロールなどの研磨用品を製造・販売している。研磨布紙は30種類以上を製造し、扱うアイテム数は1万点を超える多品種少量型の事業である。日本の金属素材メーカーは高機能・高品質・高付加価値の製品で海外メーカーに対する競争力を維持・強化しており、その要求に応える研磨ベルトの開発・提供が求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ステンレス鋼帯の偏肉部の厚さ補正を精密に行える高機能広幅研磨ベルトの生産に、従来の職人頼りの工程では生産効率と品質の安定化に限界があった。
  • 人手・技能研磨ベルトの製造が熟練技能に依存しており、脱技能化と省人化が課題であった。

やったこと

ステンレス鋼帯の偏肉部の厚さ補正を精密に行える高機能広幅研磨ベルトの製造ラインに新たな加工設備を導入した。製造工程を刷新し自動化を進めることで、生産効率の向上と品質の安定化、脱技能化を図った。広幅の研磨ベルトは1メートルを超える幅のものを対象としている。

事業の効果

製造工程の刷新による自動化で省人化を達成し、ステンレス鋼帯を研磨する広幅研磨ベルトの生産効率が向上した。品質の安定化と脱技能化が進み、製品の競争力アップを目指している。今後も更なる生産性向上の取り組みを継続する計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性明治25年創業で研磨布紙を手がけ、平成10年に自社開発の100m規模プラントを稼働など過去の機械化の取組が連続しており、今回の自動化も一貫している。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性取扱アイテム1万点超、30種類以上製造、120年以上の知識を体系化し研磨ベルトの評価が高いなど、強みと市場評価が具体的に示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けステンレス広幅ベルトは付加価値が高く、顧客の要望に短納期・小ロット・特注で応える点や試験機による技術支援など選ばれる理由が明確。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標生産効率向上や労働生産性向上は掲げられているが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は記載されていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性4

    明治25年創業で研磨布紙を手がけ、平成10年に自社開発の100m規模プラントを稼働など過去の機械化の取組が連続しており、今回の自動化も一貫している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    取扱アイテム1万点超、30種類以上製造、120年以上の知識を体系化し研磨ベルトの評価が高いなど、強みと市場評価が具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決3

    ステンレス広幅ベルトの生産を自動化で効率化し脱技能化を進める方針が示され、課題に対応した計画になっている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産効率向上や労働生産性向上は掲げられているが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制3

    ISO9001取得、自社開発プラントの稼働実績、研磨試験機を使った技術支援体制があり、遂行体制は一定程度確保されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ステンレス広幅ベルトは付加価値が高く、顧客の要望に短納期・小ロット・特注で応える点や試験機による技術支援など選ばれる理由が明確。

  • 事業化までの道筋2

    今後も生産性向上の取組を継続すると述べるのみで、遂行方法やスケジュール、課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    ステンレス鋼帯の広幅研磨ベルトは付加価値が高く、高機能・高品質品として他社に真似のできない製品と位置づけられている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    日本の金属素材メーカーの競争力維持に貢献すると述べ、産業界への貢献や海外からの引き合いによる波及が示されている。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    製造ラインの自動化と研磨試験機による技術支援で顧客の生産ラインの改善に貢献する点が示されている。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    海外への輸出を今後強化する考えが示されるが、日本経済の構造転換に資する分野への進出との関係は薄い。

  • 地域経済への波及2

    東大阪の企業として高付加価値製品を手がけるが、地域の雇用創出や経済成長を牽引する点の記述は弱い。

今後の展望

今後は更なる生産性の向上に向けた取り組みを継続し、単なる安価提案ではなく新しい価値を製品に付与することで顧客のモノづくりの改善に貢献していく。基板研磨用などの一部製品は海外からの引き合いも多く、輸出にも力を入れていく考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。