ものづくり補助金平成24年度鳥取県

高度化された機能性を実現するナマコ抽出物の開発

株式会社海産物のきむらや

この事例のポイント

  • ナマコ加工時に大量に発生する加工液の有効利用が課題となっていた。
  • 加工液から得られるナマコ抽出物について、鳥取大学と共同で有効性の検証に取り組んだ。
  • 鳥取大学との共同研究によりナマコ抽出物の有効利用の見通しを得た。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社海産物のきむらや
所在地鳥取県 境港市
業種食料品製造業
技術分野発酵
従業員数79人
設立1986年

事業の背景

当社は、モズク、メカブ、アジ等を加工した商品を製造し全国に販売する食品メーカーで、もずくフコイダンの研究と専用工場を持つ。ナマコ加工では加工液が大量に発生し、その有効利用が新たな利潤のための課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ナマコ加工時に大量に発生する加工液の有効利用が課題となっていた。
  • 新製品・新技術加工液に含まれる成分を新たな市場の開拓につなげられるかを検証する必要があった。

やったこと

加工液から得られるナマコ抽出物について、鳥取大学と共同で有効性の検証に取り組んだ。市販酵素を用いた分離・精製と、新規酵素の探索および分離・精製を行い、安全性評価を実施した。抽出物の抗がん作用と生活習慣病に対する有効性を試験で立証し、抗がん作用のメカニズムを解析した。

新しい製品・サービス:ナマコ抽出物

事業の効果

鳥取大学との共同研究によりナマコ抽出物の有効利用の見通しを得た。安全性を確認し、生活習慣病に対する作用を検証して有効性を立証した。血糖値低下の傾向も見られた。今後は論文発表による周知・啓蒙、2年目の実用化に向けた生産工程のスケールアップ、ナマコ抽出物のシェア拡大を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.7 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    事業化までの道筋2年目に実用化を目指す、スケールアップ、論文発表といった段階的な工程と時期が示されている。
  • 4
    新しさ・高付加価値ナマコ抽出物は加工液の有効利用という新規分野で、機能性の立証を進めている点から新市場性がうかがえる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    強み・弱みを踏まえた優位性独自の機能性研究や専用工場の強みはうかがえるが、市場や顧客動向との関係は記載されていない。
経営戦略との整合性2.7
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のもずくフコイダン研究と抽出工場を背景に、ナマコ抽出物の開発を進める流れは読み取れるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    独自の機能性研究や専用工場の強みはうかがえるが、市場や顧客動向との関係は記載されていない。

  • 課題の認識と解決3

    加工液の大量発生という課題と、新市場開拓という解決方向は書かれているが、高付加価値化の見込み額などは示されていない。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    シェア30%を目指すとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、根拠も示されていない。

  • 事業を進める体制3

    本社内の研究施設と鳥取大学との共同研究体制が書かれているが、人材や事務処理能力の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ナマコ抽出物の生活習慣病への有効性や血糖値低下の傾向など、製品価値の根拠は書かれているが、顧客ターゲットは明確ではない。

  • 事業化までの道筋4

    2年目に実用化を目指す、スケールアップ、論文発表といった段階的な工程と時期が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    ナマコ抽出物は加工液の有効利用という新規分野で、機能性の立証を進めている点から新市場性がうかがえる。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    加工液の有効利用という課題はあるが、地域経済や雇用創出への波及効果は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれておらず、読み取れるのは研究成果の一部のみ。

  • イノベーションへの貢献2

    大学との共同研究や新規酵素の探索は書かれているが、デジタル技術や地域サプライチェーンへの波及は示されていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    境港市の食品製造業という地域の立地はわかるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

今後の展望

成果をもとに論文発表を行い、ナマコ抽出物の周知・啓蒙活動を展開する。2年目には実用化を目指し、生産工程のスケールアップを進める。実用化によりシェア30%を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。