ものづくり補助金平成24年度島根県

精密微小歯車の世界標準仕上加工機の開発

清和鉄工株式会社

この事例のポイント

  • 外歯車仕上げ加工機では歯合い率が低く、精度が出しにくく安定しなかった。
  • ワーク側にもスピンドルを設けて駆動させ、砥石軸と同期させることで高精度な仕上げを可能にする外歯車仕上げ加工機を開発した。
  • 開発機で砥石軸とワーク軸の同期駆動が実現し、試作加工で同期加工を確認した。

事業者のプロフィール

事業者名清和鉄工株式会社
所在地島根県 出雲市
業種生産用機械器具製造業
技術分野切削加工
設立1920年

事業の背景

同社は大正9年創業の歯車加工機メーカーで、45年以上の歴史を持ち、ギヤホーニング盤では国内シェア70%を誇る。自動車など機械構造物には歯車が必ず使われ、装置の小型化・微細化により歯車製造の精度向上が求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度外歯車仕上げ加工機では歯合い率が低く、精度が出しにくく安定しなかった。
  • 生産能力従来の内歯砥石方式は加工部へのアクセスが悪く段取りの障害となり、微小歯車には特に不向きだった。
  • コスト・採算内歯砥石は製作が困難で高価かつ大きく、ツーリングやローディングも難しく、加工機のコストも高く大型だった。

やったこと

ワーク側にもスピンドルを設けて駆動させ、砥石軸と同期させることで高精度な仕上げを可能にする外歯車仕上げ加工機を開発した。ワーク軸にはビルトインモーターを採用し、ワーク軸20,000rpm、砥石軸6,000rpmを目標とした。エンコーダの許容回転数19,000rpmを上限とし、高回転時の同期化を実現した。ワーク軸の高回転化に伴う熱対策として切削油冷却装置を配置し、熱伸びによる精度不良を防いだ。機械本体を完成させ、テスト加工を繰り返して同期加工を試作で確認した。

  • 加工機同期型微少歯車仕上加工機
  • その他ワーク軸用スピンドルビルトインモーター切削油冷却装置

新しい製品・サービス:同期型微小歯車仕上げ加工機(ホーニング盤)

事業の効果

開発機で砥石軸とワーク軸の同期駆動が実現し、試作加工で同期加工を確認した。加工精度の評価までは至らなかったが、同期方式の可能性と商品化の課題が明確になった。実用化に向けた行うべきステップが見え、社内の機運も高まった。本事業終了2年後までに販売用機械を完成させ、年間受注5台を目標としている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性国内シェア70%や従来の内歯砥石の問題点(段取り、コスト、大きさ)を顧客要望として挙げ、外歯車加工機で解消する強みと課題認識が具体的に書かれている。
  • 4
    新しさ・高付加価値微小歯車向けに低コスト・コンパクトな外歯車加工機を開発し、国内シェア70%の歯車仕上げ機械分野で高付加価値化を図る内容と読める。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標年間受注5台の目標はあるが、高い付加価値創出や賃上げの目標値は書かれておらず、加工精度の評価にも至っていないとされる。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    創業大正9年で45年以上の歯車加工機メーカーとして、ギヤホーニング盤で国内シェア70%とあり、事業の延長線上にある開発と読める。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内シェア70%や従来の内歯砥石の問題点(段取り、コスト、大きさ)を顧客要望として挙げ、外歯車加工機で解消する強みと課題認識が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    精度不足や熱対策など課題は明確だが、販売用機種の完成時期と年間受注5台という目標はあるものの、付加価値や成長の数値目標は乏しい。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    年間受注5台の目標はあるが、高い付加価値創出や賃上げの目標値は書かれておらず、加工精度の評価にも至っていないとされる。

  • 事業を進める体制3

    機械設計から試作加工まで実施したと書かれ、社内の機運向上も述べられているが、人材や事務処理体制の具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    微小歯車の高精度仕上げと低コスト・コンパクト化へのニーズが顧客要望として記載され、ターゲットと選ばれる理由の一部が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    本事業終了2年後までに販売用機械を完成させる時期と、テスト加工で課題を一つずつ解決する方針が書かれているが、詳細なスケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    微小歯車向けに低コスト・コンパクトな外歯車加工機を開発し、国内シェア70%の歯車仕上げ機械分野で高付加価値化を図る内容と読める。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    あらゆる機械装置や自動車の歯車生産を支える基盤技術として、日本のものづくりを支える役割が述べられている。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額、生産性向上の数値は書かれておらず、費用対効果は具体的に読み取れない。

  • イノベーションへの貢献2

    ワーク軸と砥石軸の同期駆動という新技術の開発は書かれているが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献の記述は薄い。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    微小歯車の需要拡大に触れ、精密部品の小型化トレンドに対応する記述はあるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    島根県出雲市の地域企業であることは示されるが、地域の特性を活かした雇用創出や経済成長への言及は乏しい。

今後の展望

本事業終了2年後までに販売用機械を完成させ、国際工作機械見本市などの展示会を通じて受注を増やす予定である。当面は年間受注5台を目標とし、世界で生産される歯車に貢献する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。