ものづくり補助金平成24年度徳島県

多品種・小ロット鋳造製品の生産性向上のための設備投資事業

株式会社平田鋳造

この事例のポイント

  • 海外へ受注がシフトし国内の鋳造工場が減少する中で、多品種・小ロットの鋳造部品を短納期で供給する体制が十分ではなかった。
  • 鉄製だったサンドビンをステンレス製に変更し、保水性を高めて安定した砂を貯蔵し造型機へ送れるようにした。
  • 電気誘導炉の導入により溶解効率が上がり、1日あたりの溶解量が増えた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社平田鋳造
所在地徳島県 徳島県板野郡上板町
業種鉄鋼業
技術分野切削加工
従業員数9人
設立1972年

事業の背景

低コスト・大量生産が必要な鋳物製品の受注は国内から海外へシフトし、不況もあって国内の鋳造工場は軒並み減少している。一方で国内企業では新しい技術や製品が次々と開発・誕生しており、それに合わせた試作品や新規部品の需要があるため、鋳物には充分な国内需要がある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力海外へ受注がシフトし国内の鋳造工場が減少する中で、多品種・小ロットの鋳造部品を短納期で供給する体制が十分ではなかった。
  • 生産能力電気誘導炉の溶解効率が低く、溶解作業の能率が悪かった。
  • 生産能力砂処理の速度が遅く、迅速に注湯と砂処理を行う流れができていなかった。
  • 品質・精度鉄製サンドビンでは砂の保水性が十分でなく、安定した砂を造型機へ送ることが難しく不良率が高かった。
  • 品質・精度粘りのある砂がドラム内壁に付着し、回収砂の品質が下がり製品の品質にも影響していた。
  • 人手・技能ドラム内壁への砂の付着除去に作業者の負担がかかっていた。
  • コスト・採算取鍋のパッチング材は耐久性が低く、メンテナンスに時間がかかり能率を下げていた。

やったこと

鉄製だったサンドビンをステンレス製に変更し、保水性を高めて安定した砂を貯蔵し造型機へ送れるようにした。砂処理の迅速化のためにバケットエレベータを導入し、バケット本来の容量分の砂をすくい取って次工程へ送れるようにした。クーリングドラムの外周に電気ヒーターを設置して外壁を暖め、粘りのある砂がドラム内壁に付着しないようにした。溶解効率を上げるために電気誘導炉とキュービクルを導入した。取鍋をパッチング材からキャスタブル耐火物に変更し、取鍋一式を自社で開発・設計・製作した。

その他ステンレス製サンドビン
その他バケットエレベータ
その他クーリングドラム外周電気ヒーター
加工機電気誘導炉
その他キュービクル
その他キャスタブル製取鍋(自社開発)

新しい製品・サービス:多品種・小ロットの鋳造部品

事業の効果

電気誘導炉の導入により溶解効率が上がり、1日あたりの溶解量が増えた。バケットエレベータの導入で大量の砂を従来より迅速かつ効率よく処理できるようになった。クーリングドラムのヒーターにより砂の付着が減って作業者のメンテナンス負担が軽くなり、回収砂の品質も保たれて砂処理の効率化と高品質化が図られた。ステンレス製サンドビンにより、従来よりも安定した砂で造型できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    長年の鋳造技術力を背景に多品種・小ロット対応へ向かう方向性は読めるが、過去の取組との一貫した経緯は詳しく書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    海外シフトや国内の試作・新規部品需要に触れるが、自社の強み・弱みと競争優位の関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    課題として短納期対応と不良率、溶解効率、砂処理の遅れが挙げられ、設備更新で解決する流れは読めるが数値は示されていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、1日当たり溶解量の増加が示される程度である。

  • 事業を進める体制2

    従業員9人の体制は読めるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    多品種・小ロットや試作・本製作の受注など顧客ニーズと選ばれる理由は示されているが、ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    サンドビン、バケットエレベータ、ヒーター、電気誘導炉など工程ごとの導入内容と効果は示されるが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    鋳造の高付加価値化や高品質化に触れるが、分野の普及度や高価格化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    国内の鋳造工場が減る中で試作品や新規部品の需要があると述べ、地域雇用への貢献も示されている。

  • 費用対効果2

    溶解量が増えたと記されるが、補助金投入額に対する付加価値や生産性の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    先端的なデジタル技術やビジネスモデルの活用は書かれていないため、公開事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    日本経済の構造転換や成長分野への進出に関する記述は見当たらないため、公開事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    上板町の高齢者率の高さを踏まえ、地域の高齢者雇用を創出する目標が具体的に述べられている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

若者だけでなく上板町の高齢者を雇用し、地域雇用に貢献できる工場を目指す。生産性と売上を上げて地域雇用に貢献していきたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。