ものづくり補助金平成24年度香川県

研削・研磨・めっき加工によるセンシング油空気圧部品の実用化

株式会社ユーミック

この事例のポイント

  • 取引先から求められる円筒度の精度が既存の機械では十分に出せなかった。
  • 既存の機械で研削・研磨・めっきの各工程を組み合わせて最適化を試みたが、特に円筒度で取引先ニーズとのずれが生じた。
  • めっきでセンサーをつくる試作品が完成し、大手精密ユニットメーカーから取引できるレベルとの回答を得た。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ユーミック
所在地香川県 高松市
業種金属製品製造業
技術分野めっき
設立2006年

事業の背景

創業時からめっき加工で優れた技術を持ち、工業用クロムめっき、無電解ニッケルめっき、研削・研磨などを手がけている。主要製品は油圧シリンダーロッド、加工ローラー、金型、機械部品、電子部品などへの機能性表面処理である。油圧機器及び空気圧機器(航空機用を除く)の業界規模は671,575百万円とされ、安定した市場が見込まれる。顧客から位置センサー機能を持つシャフトの製作要請を受けた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度取引先から求められる円筒度の精度が既存の機械では十分に出せなかった。
  • 新製品・新技術磁性体のシャフト表面にめっきを施してセンシング部品にする技術は、実用化に向けて寸法精度を確立する必要があった。

やったこと

既存の機械で研削・研磨・めっきの各工程を組み合わせて最適化を試みたが、特に円筒度で取引先ニーズとのずれが生じた。そこで国内トップメーカーのセンタレス研削盤を購入し、円筒度・真直度を向上させる実験を繰り返した。円周にめっきを析出させ、長さ方向の円筒度を得る実験を行い、試作に成功した。研磨・めっき工程を含めて総合的に評価・検証し、顧客見込み先から及第点を得た。

新しい製品・サービス:めっきでセンシング機能を持たせた油空気圧部品(直径10mm前後のシャフト)

事業の効果

めっきでセンサーをつくる試作品が完成し、大手精密ユニットメーカーから取引できるレベルとの回答を得た。直接的な用途は産業用ロボットの位置決めシステムと見込まれ、実用化に向けて弾みがついた。将来は航空・宇宙、ロボット、EV・電池などのエネルギー分野、自動車、医療分野への応用も見込まれる。基礎研究で得ためっき皮膜の改善も併せて成果となった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    新しさ・高付加価値めっきでセンサーをつくる技術は一般的ではなく、寸法精度を生かした高付加価値化を図る内容として具体的に読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。大手精密ユニットメーカーで取引できるレベルとの回答があった程度。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    過去のかがわ中小企業応援ファンド事業の基礎研究を引き継ぎ、めっきでセンサーをつくる取組として位置付けられている。経営戦略上の明確な位置付けは薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    油空気圧機器市場規模671.575百万円や、寸法精度に強みがあることに触れている。ただし自社の競争優位性を定量的に示す記述は少ない。

  • 課題の認識と解決3

    既存機械では円筒度で取引先ニーズと乖離があったと課題を認識し、精密研削盤導入で解決を図った。付加価値向上の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。大手精密ユニットメーカーで取引できるレベルとの回答があった程度。

  • 事業を進める体制3

    6段階の実施手順を示し、支援機関の助言でスケジュールを進めたとある。社内の人材や体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    直径10mm前後のシャフトで、ロボット位置決めシステムが直接用途と示される。顧客ターゲットは大手精密ユニットメーカーとある。

  • 事業化までの道筋3

    航空・宇宙、EV、医療など将来の展開先を挙げ、事業化の方向性を示している。ただし遂行スケジュールの詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    めっきでセンサーをつくる技術は一般的ではなく、寸法精度を生かした高付加価値化を図る内容として具体的に読み取れる。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    航空・宇宙、ロボット、EV、医療など複数分野への波及が示されるが、雇用創出や経済波及効果の定量的記述はない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果は読み取りにくい。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は明示されていないが、機能性表面処理の応用が示唆される程度。

政策面2.5
  • 成長分野への進出3

    ロボット、EV、航空・宇宙、医療など成長分野への進出が示されており、構造転換への関連がうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    香川県の企業として県の支援財団の事業を活用したとあるが、地域の雇用や成長への牽引は具体的に書かれていない。

今後の展望

航空・宇宙、ロボット、エネルギー、自動車、医療分野への参入が見込まれ、業界で技術の優位性を保てるため価格面でもリードできると考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。