ものづくり補助金平成24年度岩手県

呼吸サイクルリアルタイムモニタリングによる高精度同調&高節約型デマンドバルブの開発

株式会社新興製作所

この事例のポイント

  • 既存のデマンドバルブは呼吸と酸素供給のタイミングが合わず、患者が違和感を覚える。
  • 医師、患者、医療機器販売業者から既存機器の課題や改良点を聞き取り、その内容をもとに開発仕様を作成した。
  • 電子式の特徴である呼吸同調精度の高さと、それに関連する酸素節約率の高さを実現する見通しが立った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社新興製作所
所在地岩手県 花巻市
業種業務用機械器具製造業
技術分野組込みソフトウェア
従業員数179人
資本金1億円

事業の背景

当社は昭和25年に日本初の和欧文印刷電信機を開発して以来、テレックスや金融機関の自動通帳記帳機、アミューズメント施設の紙幣搬送装置などを手がけてきた。新規事業として介護事業を検討する中で、組み立てトランク型自動ラップ式トイレの開発・製造を受託し、販売パートナーにもなった。この事業をきっかけに医療現場との距離が近づき、医療機器事業への参入を決めた。在宅酸素治療の患者が使う医療用酸素濃縮装置に着目し、2年半をかけて「エアリーライフ 爽」を製品化した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度既存のデマンドバルブは呼吸と酸素供給のタイミングが合わず、患者が違和感を覚える。
  • 新製品・新技術患者が正しく使えるよう、機器や呼吸の状態を表示できる電子式が求められていた。
  • 新製品・新技術外出時に携帯用ボンベの酸素残量が気になるという声があった。
  • 品質・精度酸素ボンベを脱着する際にパッキンが外れやすいという課題があった。

やったこと

医師、患者、医療機器販売業者から既存機器の課題や改良点を聞き取り、その内容をもとに開発仕様を作成した。外観デザインは宮城大学の日原広一教授に依頼し、酸素流量設定の簡易化を重視した。試作機では呼吸検知性能や酸素の流量調整を確認できるよう設計し、机上計算、原理試作機、デモ機を製作してその都度データを採取した。開発担当者3名の平常時と運動時の呼吸データを取り、誤検知を減らす圧力値の設定範囲を明確にした。脱落を防ぐパッキンの形状は特許を申請し、外観デザインや医療機器事業のロゴ、CIマークは意匠登録や商標登録を行った。ダイヤル操作に特化したA案と液晶で設定値を大きく表示したB案の2案の意匠権を取得した。

新しい製品・サービス:呼吸同調式デマンドバルブ(電子式)

事業の効果

電子式の特徴である呼吸同調精度の高さと、それに関連する酸素節約率の高さを実現する見通しが立った。アラーム機能も盛り込み、製品化に向けて解決すべき点が明確になった。外出時の酸素残量への不安に対しては、机上計算で既存製品と同等以上の酸素節約が見込まれる。一方で血中酸素飽和度の確保を優先する必要があるため、供給量の決定を今後の課題としている。

今後の展望

今後は製品の使いやすさ、在宅酸素療法患者が使うための十分な性能、医学的な有効性、要求仕様や価格の妥当性を確認し、事業化に向けた計画を立てる。既存の「エアリーライフ 爽」との関連性を強めてシリーズ化を目指し、本事業で得た技術の展開も進めて医療機器事業を育成する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。