ものづくり補助金平成24年度福岡県

低炭素社会を実現する次世代パワー制御モジュール製造装置の開発

株式会社アドウェルズ

この事例のポイント

  • SiC等の次世代半導体を搭載したパワー制御モジュールでは、高温動作での高信頼性化と小型大容量化が求められ、技術革新が必要になっている。
  • ボンディングツールを装着した小型超音波ホーン、リボン供給フィーダー、リボンカッターで構成し、高密度に集積した接合ヘッドを開発した。
  • 小型化した超音波ホーンの周囲に金属リボンの供給ユニットを複数配置し、切り替えながら供給できる構成とした。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アドウェルズ
所在地福岡県
業種生産用機械器具製造業
技術分野部材の締結
従業員数16人
資本金1,000万円

事業の背景

弊社はパワーデバイス分野を成長分野と位置づけ、Liイオンバッテリーやパワー制御モジュールへの応用を中心に新製品開発と事業化を進めてきた。SiC等の次世代半導体を搭載したパワー制御モジュールでは高温動作での高信頼性化と小型大容量化が求められ、技術革新が必要となっていた。この変革を装置供給メーカーとして支援するため、独自の超音波接合技術と高精度アクチュエータ技術を融合した製造装置を開発することとした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度SiC等の次世代半導体を搭載したパワー制御モジュールでは、高温動作での高信頼性化と小型大容量化が求められ、技術革新が必要になっている。
  • 新製品・新技術電気特性に優れるCuリボンの接合では、Cuは表面が酸化しやすく、Alに比べて超音波接合時に変形しにくいため、基板やデバイスにダメージが生じる課題があった。

やったこと

ボンディングツールを装着した小型超音波ホーン、リボン供給フィーダー、リボンカッターで構成し、高密度に集積した接合ヘッドを開発した。20kHz(振幅50μm)から60kHzの超音波ホーン技術と独自の超音波ホーン支持技術を用い、今回の開発テーマに適合する小型超音波ホーンを開発した。Cuリボン接合の課題については、独自のABB(adwelds bind bonding、特許申請中)工法を開発してきたものを本装置で評価し、将来のCuリボン接続に備えた開発を実施した。パワー制御モジュールのサイズを調査し、その仕様に基づいて大型基板に対応する装置開発を実施した。

新しい製品・サービス:次世代パワー制御モジュールに実装された半導体の配線を行うリボンボンディング装置。異なる材質・形状のリボンを1台の装置内で同時に使用でき、Alリボンに加えてCuリボンも供給可能。

事業の効果

小型化した超音波ホーンの周囲に金属リボンの供給ユニットを複数配置し、切り替えながら供給できる構成とした。これによりAlリボンに加えてCuリボンも供給可能になった。単に材料を切り替えるだけでなく、デリケートなデバイス上に軟らかいAlを先に接合し、その上にCuで配線するなど、今までにない新たな配線構造も作れるようになった。2015年1月に東京ビッグサイトで開催されたEV/HEV駆動システム技術展に出展し、対象市場の主要顧客と情報交換を行うことができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性パワーデバイス分野を成長分野と位置づけ、Liイオン電池やパワー制御モジュールへの応用を中心に進めてきた経緯が書かれている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性SiCやGaNの普及とEV/HEV化の動向を述べ、独自の超音波接合技術と高精度アクチュエータ技術を強みとして挙げている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け複数のリボン材料を1台で切り替えて供給でき、接合ダメージを抑えたAl先行接合など新しい配線形態を示している。主要顧客との情報交換もある。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員16名と企画開発・マーケティンググループの記載はあるが、補助事業を遂行する人材や体制の詳細は書かれていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性4

    パワーデバイス分野を成長分野と位置づけ、Liイオン電池やパワー制御モジュールへの応用を中心に進めてきた経緯が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    SiCやGaNの普及とEV/HEV化の動向を述べ、独自の超音波接合技術と高精度アクチュエータ技術を強みとして挙げている。

  • 課題の認識と解決3

    高温動作での高信頼性化と小型大容量化という課題は示されているが、事業計画の具体的な数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制2

    従業員16名と企画開発・マーケティンググループの記載はあるが、補助事業を遂行する人材や体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    複数のリボン材料を1台で切り替えて供給でき、接合ダメージを抑えたAl先行接合など新しい配線形態を示している。主要顧客との情報交換もある。

  • 事業化までの道筋2

    制御モジュールメーカーと製品を洗練させる過程で早い段階から市場へ浸透させると述べるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    Cuリボン対応とAl・Cuの組み合わせ配線は従来のリボンボンディング装置の枠を超えると述べられているが、市場の普及度を示す数値はない。

公的補助の必要性3.5
  • 波及効果・雇用3

    EV/HEV化で開発された技術が他産業に波及するとの見通しは示されているが、雇用や経済波及の数値的な根拠はない。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献4

    独自の超音波接合技術とABB工法を開発し、SiC等の次世代パワーデバイスの配線課題に対応する新しい配線構造を示している。

政策面2.5
  • 成長分野への進出3

    次世代半導体のSiC・GaNへの移行とEV/HEV化によって構造転換が進むと見込み、その中で装置を供給する方針が述べられている。

  • 地域経済への波及2

    本社は福岡にあるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出についての記載はほとんどない。

今後の展望

次世代半導体のSiCやGaNデバイスへの移行は、自動車のEV・HEV化により顕著かつ大規模になると予測している。自動車は開発規模が大きく開発競争も激しいため、このトレンドの牽引役になると考えられる。開発された技術は時間とともに一般化し、他産業にも波及していくと見込んでいる。国内の制御モジュールトップメーカーと共に製品をさらに洗練させ、早い段階から市場に深く浸透させていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。