ものづくり補助金平成24年度岩手県

舌運動精密測定用ウェアラブルセンサシステムの開発

株式会社パターンアート研究所

この事例のポイント

  • 従来機は電極の一つひとつが皮膚と機能的に密着せず、表面筋電位信号に乱れが生じて正確に感知できないことが多かった。
  • 従来機よりも皮膚との密着性や対ノイズ性を高めるため、電極一皮膚間のインピーダンスを低インピーダンスに変換するバッファ回路を組み込んだ一体型筋電多チャネル電極シートを試作した。
  • 口腔内に直接計測装置を挿入することなく、安全に舌運動を計測し識別できる舌筋センサーシステムの基礎を確立した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社パターンアート研究所
所在地岩手県 花巻市
業種情報サービス業
技術分野電子部品・デバイスの実装
従業員数19人
資本金2,000万円
設立1977年

事業の背景

当社はプリント基板のパターン設計を中心に、回路設計や組み込みソフトウェア開発を手がけている。近年はライフサポート開発にも取り組み、岩手大学工学部のメンバーと共同で筋電スイッチやリハビリ遊具への応用を開発してきた。その中で4年ほど前から舌運動に関する研究を進め、平成22年には22個の銀電極を顎の下に取り付けた舌筋センサーシート電極の試作機を作製していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度従来機は電極の一つひとつが皮膚と機能的に密着せず、表面筋電位信号に乱れが生じて正確に感知できないことが多かった。
  • 品質・精度従来のアンプボックスは既存の筋電用オプアンプを使用していたため、ノイズの影響を受けやすかった。
  • 新製品・新技術従来のアンプボックスは大きさがA2サイズ程度あり、ウェアラブル化を視野に入れると小型化が必要だった。

やったこと

従来機よりも皮膚との密着性や対ノイズ性を高めるため、電極一皮膚間のインピーダンスを低インピーダンスに変換するバッファ回路を組み込んだ一体型筋電多チャネル電極シートを試作した。電極シートにバッファ回路を組み込むことは困難だったため、銀電極をワイヤーで接続してシリコンシートに挟む構造から、バッファ回路と銀電極を組み込んだ柔軟なフレキシブル基板をシリコンゴムシートで挟む構造へ変更した。出力電圧を増幅する装置として、アンプボックスを改良し、A2サイズ程度からA4サイズ程度に小型化したアンプボックスミニを開発した。舌筋や上腕の筋電でスイッチをON/OFFする単機能の筋電スイッチを試作し、ナースコールボタンの代替品として臨床試験を実施した。岩手大学佐々木研究室と共同で健常者を対象とした実験・テストを繰り返し、電極シートと舌運動計測装置の計測精度と有効性を検証した。

  • その他バッファ回路を組み込んだ一体型筋電多チャネル電極シート舌コントローラ
  • 検査測定アンプボックスミニAmpBoxMini

新しい製品・サービス:舌コントローラ(バッファ回路を組み込んだ一体型筋電多チャネル電極シート)

事業の効果

口腔内に直接計測装置を挿入することなく、安全に舌運動を計測し識別できる舌筋センサーシステムの基礎を確立した。この技術により、重度障がい者がナースコールやスマートフォン、電動車いすなどを舌の動きで制御できる生活支援が期待される。また嚥下障がい者には、舌のリハビリを兼ねたパソコンゲームでマウスカーソルを動かす訓練につながると見込まれる。

今後の展望

障がい者や高齢者を対象としたフィールドテストを行い、システムの有効性評価の幅を広げて実用化につなげる。国内の摂食・嚥下障がい者数は約500万人と推定され、そのうち約半数の250万人が本製品の利用対象と見込んでいる。後期高齢者数の増加に伴い嚥下障がい者も増えると予想され、市場の拡大を見込んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。