ものづくり補助金平成24年度宮崎県

メディカル向け耐溶剤性特殊ラベル開発

株式会社サニー・シーリング

この事例のポイント

  • 関東・関西の臨床検査企業から耐キシレン性のあるラベルの要望が相次いだが、既存の材料メーカーには対応できるところがほとんどなかった。
  • 粘着剤・コーティング剤の配合条件を抽出して検討し、溶剤に長時間浸しても剥がれず、印刷した検体情報を識別できるかを確認するため試作品を開発した。
  • 開発したラベルを関東・関西の展示会に出展したところ大きな反響があり、大学病院、総合病院、病理臨床検査企業との取引が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社サニー・シーリング
所在地宮崎県 都城市
業種印刷・同関連業
技術分野高機能化学合成

事業の背景

臨床検査の病理細胞診断では、キシレンやアルコールなどの薬品を使う工程があり、ラベルが剥がれ印字が消えるため、工程管理用バーコードラベルはほとんど使われていなかった。医療事故の背景には検体の取違えがあることが分かった。医療分野の特殊ラベルはニッチな市場で開発に時間がかかるため、大手メーカーは参入しにくい状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術関東・関西の臨床検査企業から耐キシレン性のあるラベルの要望が相次いだが、既存の材料メーカーには対応できるところがほとんどなかった。
  • 品質・精度薬品の使用で工程管理用ラベルが剥がれたり印字が消えたりするため、バーコード管理ができず、検体の取違えなどのヒューマンエラーが起きやすかった。

やったこと

粘着剤・コーティング剤の配合条件を抽出して検討し、溶剤に長時間浸しても剥がれず、印刷した検体情報を識別できるかを確認するため試作品を開発した。試作品は県立宮崎病院や協力研究機関の評価を受け、自社の専門チームでも評価した。評価情報をもとに改良試作を繰り返し、病理・臨床検査の全工程を管理するラベルとして「メデイカル向け耐溶剤性特殊ラベル」を開発した。当初はサーマルタイプと熱転写タイプの両方に耐キシレン性を持たせる計画だったが、病院への聞き取りから、サーマルタイプは耐酸性・耐アルカリ性を持つ消毒液対応の管理用ラベルに、熱転写タイプは耐キシレン性に特化した臨床検査専用ラベルに方向を変えた。

新しい製品・サービス:メディカル向け耐溶剤性特殊ラベル

事業の効果

開発したラベルを関東・関西の展示会に出展したところ大きな反響があり、大学病院、総合病院、病理臨床検査企業との取引が実現した。医療分野だけでなく、自動車業界、塗装・メッキ業界、化成品業界などにもニーズがあることが分かり、溶剤や薬品を使う現場での導入や市場拡大につながると見込まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性病理検査の取違えや材料メーカーが対応できない状況を踏まえ、ニッチ市場で大手が参入しにくい点を示している。
  • 4
    課題の認識と解決医療事故検体の取違えという課題を特定し、耐溶剤性ラベルの開発と市場開拓で解決を図る計画が具体的に示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け耐キシレン性やラベル剥がれ防止という製品価値と、病院や臨床検査企業というターゲットが明確に示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性事例はラベル開発の経緯を述べるが、既存事業との連続性や経営戦略上の位置付けは書かれていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性2

    事例はラベル開発の経緯を述べるが、既存事業との連続性や経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    病理検査の取違えや材料メーカーが対応できない状況を踏まえ、ニッチ市場で大手が参入しにくい点を示している。

  • 課題の認識と解決4

    医療事故検体の取違えという課題を特定し、耐溶剤性ラベルの開発と市場開拓で解決を図る計画が具体的に示されている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標数値は書かれておらず、大学病院や総合病院との取引実現のみが記載されている。

  • 事業を進める体制3

    協力研究機関、県立宮崎病院、社内専門チームでの評価と改良を繰り返す体制が読み取れるが人員等の具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    耐キシレン性やラベル剥がれ防止という製品価値と、病院や臨床検査企業というターゲットが明確に示されている。

  • 事業化までの道筋4

    サーマルと熱転写の用途見直し、試作・評価の反復、今後の社内営業体制強化など遂行方法と段階が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    耐溶剤性の医療用特殊ラベルはニッチで普及度が低く、大手が参入しにくい分野であることが示されている。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    医療ミス減少という社会的意義はうかがえるが、雇用創出や経済波及効果の数値や記述は見当たらない。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献2

    バーコードによる工程管理や識別管理の提案はあるが、先端的デジタル技術や新ビジネスモデルは記載されていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    医療や自動車・化成品など市場拡大の方向性は示されるが、日本経済の構造転換に言及する記述はない。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

溶剤や薬品を使う様々な現場に導入できるため、社内営業体制を再構築・強化して市場拡大に取り組む。各業界共通の識別管理や部品トレーサビリティの課題に対応するバーコードラベルとして提案し、市場開拓につなげていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。