ものづくり補助金平成24年度宮崎県

超微小半導体チップ部品への最先端複合めっき技術

ミクロエース株式会社

この事例のポイント

  • 既存技術では微小半導体チップ部品の一部に約0.5〜2%の不具合が発生しており、これがダウンサイジング・高密度化・高性能化の障害となっていた。
  • 微小半導体チップへの複合めっき処理にあたり、めっき液の浸漬実験を行い、超音波装置などの外部機関試験装置で画像確認をした。
  • 試作開発の結果、チップ部品の材料に含まれる耐薬品性の強い成分を踏まえてめっき液を調合し、効果のあるめっき成分と配合割合を突き止めた。

事業者のプロフィール

事業者名ミクロエース株式会社
所在地宮崎県 宮崎市
業種金属製品製造業
技術分野めっき

事業の背景

微小半導体チップ部品は近年、小型化・高性能化が急速に進んでいる。Bluetooth、ワイヤレスLAN、次世代通信のWiMAXやUWBなどの無線通信分野で注目を集めており、世界をリードする競争力のある商品開発が必要と判断された。社内では長年にわたりめっき技術のシーズが蓄積されていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度既存技術では微小半導体チップ部品の一部に約0.5〜2%の不具合が発生しており、これがダウンサイジング・高密度化・高性能化の障害となっていた。
  • 新製品・新技術チップ電極部は約0.05mm2と非常に小さく電流が流れにくいため、めっき効率が低下してめっきがつかない懸念があった。

やったこと

微小半導体チップへの複合めっき処理にあたり、めっき液の浸漬実験を行い、超音波装置などの外部機関試験装置で画像確認をした。既存めっきで不具合要因となる物質と官能基を特定し、めっき時に発生する水素イオンアタックの影響とめっき電圧との因果関係を解析した。バレル回転中の電圧変化やPLS状電圧の発生の有無、不良率が増減する電圧の境目を見極める実験を行った。チップ母材の成分を特定し、既存めっき液で浸食要因となる物質を突き止めた上で、製品の要求特性を満たすめっき液を自社で開発した。

新しい製品・サービス:微小半導体チップへの複合めっき技術(自社開発のめっき液を含む)

事業の効果

試作開発の結果、チップ部品の材料に含まれる耐薬品性の強い成分を踏まえてめっき液を調合し、効果のあるめっき成分と配合割合を突き止めた。内部欠陥については界面活性剤濃度を下げると欠陥率が減り、ある濃度で内部欠陥を完全にゼロにできることが分かり、内部欠陥防止に効果のあるめっき液の成分と濃度を特定した。これにより微小半導体チップへの複合めっき技術が確立され、新たな事業展開が見込まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決約0.5~2%の不具合が課題と具体的に認識され、内部欠陥率を界面活性剤濃度で減らしゼロにできたと結果が示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け無線通信分野の微小チップ向けという対象と、不具合解消による要求特性の充足が明確に書かれている。
  • 4
    新しさ・高付加価値超微小半導体チップへの複合めっきで、既存技術では困難な高精度の不具合ゼロを実現した点が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標高付加価値化や賃上げの目標値は書かれておらず、受注の期待があるとの記述にとどまる。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    社内で長年蓄積した技術シーズを応用したと書かれているが、経営戦略上の位置付けや過去の取組との関係は具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    無線通信分野で注目されていることや大手半導体メーカーからのオファーがあると書かれているが、競争優位の根拠は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    約0.5~2%の不具合が課題と具体的に認識され、内部欠陥率を界面活性剤濃度で減らしゼロにできたと結果が示されている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化や賃上げの目標値は書かれておらず、受注の期待があるとの記述にとどまる。

  • 事業を進める体制2

    研究開発の実施方法は書かれているが、人材や事務処理体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    無線通信分野の微小チップ向けという対象と、不具合解消による要求特性の充足が明確に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    浸漬実験や電圧解析など段階的な検証過程は書かれているが、今後のスケジュールや課題解決方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    超微小半導体チップへの複合めっきで、既存技術では困難な高精度の不具合ゼロを実現した点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    小型化・高性能化の半導体部品の障害を解消すると書かれ、産業への波及は読み取れるが雇用や経済波及は示されていない。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す投入額や付加価値額の数字は書かれておらず、不具合率の改善のみが示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    半導体チップの高密度化・高性能化への貢献が述べられているが、デジタル技術やサプライチェーンへの言及は限定的。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    無線通信分野という成長分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換との関連は書かれていない。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

Bluetooth、ワイヤレスLAN、WiMAXなどの無線通信分野からの受注を期待しており、大手半導体メーカーからのオファーがすでに寄せられている。今後は既存ユーザーに加え、県内外の新規ユーザーへのアプローチを強化する方針である。今後も不具合解消に対応しためっき技術・管理技術を開発し、半導体チップのさらなる小型化・高密度化・高性能化に貢献する考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。