ものづくり補助金平成24年度鹿児島県

小規模農業者向けの低価格な小型土壌水分センサーの開発

株式会社A・R・P

この事例のポイント

  • 小規模農業者にとっては既存の水分センサーの価格が高い。
  • 補助事業により、回路規模の簡略化としてデバイス選定や回路方式を最適化した回路設計を行い、小型化と低コスト化を実現した。
  • 小型・低コスト・高性能な水分センサーにより、小規模農家でも手軽に土壌の水分管理ができるようになる。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社A・R・P
所在地鹿児島県 鹿児島市
業種その他の製造業
技術分野電子部品・デバイスの実装
従業員数183人
資本金2,000万円
設立2005年

事業の背景

当社は平成21年に水分センサーを開発し市場に投入した。採用した農業関連団体からはフィールド実験で高い評価を得た。一方で、小規模農業者が購入するには価格が高く、サイズも大きいという改善点が明確になった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力小規模農業者にとっては既存の水分センサーの価格が高い。
  • 人手・技能既存センサーはサイズが大きく、取り付けなどの作業効率が低い。
  • 新製品・新技術使用できる範囲を広げるため、より小さいサイズへの小型化が必要である。

やったこと

補助事業により、回路規模の簡略化としてデバイス選定や回路方式を最適化した回路設計を行い、小型化と低コスト化を実現した。アナログとデジタルの実装レイアウトを基板設計で最適化し、小型化を実現した。プローブ縮小に伴う感度特性は、伝送路シミュレーションで信号パターン幅、GNDパターン幅、ギャップを決定し、プローブ基板の試作評価で確保した。プローブ形状も小型化に伴う感度特性の維持を目的に決定した。これらにより小型・低コスト・多機能化・精度確保を実現した「WD4」小型土壌水分センサーの試作を完了し、変換アダプタと組み合わせてスマートフォンやPCとの通信を可能にした。

新しい製品・サービス:「WD4」小型土壌水分センサー

事業の効果

小型・低コスト・高性能な水分センサーにより、小規模農家でも手軽に土壌の水分管理ができるようになる。変換アダプタを介してスマートフォンやPCでデータ管理ができ、水分管理を容易にするシステムを構築し、農業ICTの活性化に貢献できる。小型化と低コスト化の実現により市場からの支持が広がることが見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決価格が高いこと、サイズが大きいことという課題を明確に認識し、小型化と低コスト化で解決する計画が書かれている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け小型・低コストの水分センサーで、小規模農家向けの価格とサイズのニーズに応える点が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。試作完了と今後の試験・量産対応の記述のみ。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    平成21年に水分センサーを発売済みで、その改善として小型化・低コスト化を進める流れが読み取れる。ただ経営戦略上の位置づけの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    小規模農業者向けの低価格・小型化ニーズと農業ICT活性化への貢献が書かれるが、競合比較や自社の強み分析は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    価格が高いこと、サイズが大きいことという課題を明確に認識し、小型化と低コスト化で解決する計画が書かれている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。試作完了と今後の試験・量産対応の記述のみ。

  • 事業を進める体制3

    鹿児島事業所の所長名や従業員数183人は書かれるが、補助事業を遂行する人材配置や事務体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    小型・低コストの水分センサーで、小規模農家向けの価格とサイズのニーズに応える点が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の進め方としてフィールド試験、品質保証試験、量産対応が挙げられているが、スケジュールや課題解決方法の詳細はない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    農業向け土壌水分センサーは普及途上とうかがえるが、高付加価値化や高価格化を図る内容は明示されていない。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    農業ICT活性化への貢献や小規模農家の水分管理の高度化が書かれ、国が補助する理由の一端がうかがえる。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す数値や付加価値増加の見込みは書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    スマートフォンやPCとの通信によるデータ管理が書かれ、農業ICTへの貢献が示されるが、サプライチェーンへの波及は不明。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    農業ICT化の活性化に触れるが、日本経済の構造転換への言及はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及2

    鹿児島で事業を行う点はうかがえるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域成長への言及は薄い。

今後の展望

試作開発は完了した。今後、フィールド試験、品質保証試験、量産への対応を進めていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。