ものづくり補助金平成24年度岡山県

自律走行型農薬散布ロボットの開発

みのる産業株式会社

この事例のポイント

  • 農業従事者の高齢化が進み、農薬散布の省力化が求められている。
  • ハウス内を自律走行する農薬散布ロボットを開発した。
  • 転倒防止などの安全対策に配慮した自律走行型農薬散布ロボットを開発した。

事業者のプロフィール

事業者名みのる産業株式会社
所在地岡山県 赤磐市
業種はん用・生産用・業務用機械器具製造業
技術分野電子部品・デバイスの実装
従業員数320人
資本金7,200万円
設立1949年

事業の背景

当社は1945年創業の農業機械メーカーで、田植え機や畑作関連機械を中心に独自性のある商品を開発してきた。農薬散布機は創業時から開発・生産・販売を一貫して行っている。静電気を利用して農薬を作物に付着させ、農薬使用量を低減する独自の静電噴口技術を保有している。農業従事者の高齢化が進み、省力化や農薬被ばく回避へのニーズが高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能農業従事者の高齢化が進み、農薬散布の省力化が求められている。
  • 人手・技能農薬被ばくを避けるため、作業の無人化を求める声がある。
  • 生産能力既存の走行型農薬散布機は走行中の転倒が多い。
  • 人手・技能畝間の移動が手動操作のため、作業労力の軽減効果が小さい。

やったこと

ハウス内を自律走行する農薬散布ロボットを開発した。速度・距離・方向・傾斜・衝撃の5種類のセンサーで状態を検知し、転倒しない自律走行を実現する制御アルゴリズムとソフトウェアを作った。運行経路の分岐にマグネットマーカーを置いて磁力を検出し、無人で畝間を移動できるようにした(特許申請中)。枕地に障害物がある場合もマグネットマーカーの配置とプログラム改良で回避できる制御を構築した。旋回性に優れるメカナムホイールを岡山大学の協力を得て改良し、シミュレーション解析に基づき、どの土壌でも走行できるホイールを自社開発した(特許申請中)。車両の傾斜や衝撃を検知して転倒防止や緊急停止する制御と、障害物との接触で停止するバンパーセンサーを開発した。試作機で実農場のテスト運行を行い、重量による走行跡の陥没や稼働時間の課題を改良して量産試作機の設計に移行した。

新しい製品・サービス:ハウス内の自律走行型農薬散布ロボット

事業の効果

転倒防止などの安全対策に配慮した自律走行型農薬散布ロボットを開発した。ハウス等の園芸施設内での防除作業について労力軽減と農薬被ばく回避が可能になり、作業無人化の実現性が高まった。静電噴口を併用することで農薬使用量低減と費用削減も期待できる。今後は自律走行型農薬散布ロボットの市場開拓に取り組む。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性農業機械メーカーとして創業時から農薬散布機を開発・生産・販売し、静電噴口を商品に活かしてきたと記載があり、過去の取組との一貫性が読み取れる。
  • 4
    新しさ・高付加価値既存機にない転倒防止と自動枕地移動、業界初とされる自動化を実現し、静電噴口と組み合わせて農薬使用量低減を図る高付加価値な製品と読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    波及効果・雇用農業従事者の高齢化や農薬被ばく回避への対応がうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の具体的な記載はない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性4

    農業機械メーカーとして創業時から農薬散布機を開発・生産・販売し、静電噴口を商品に活かしてきたと記載があり、過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    既存走行型機の転倒多発や手動移動による労力軽減効果の少なさを課題とし、自社の静電噴口や転倒防止性能で差別化する方向が示されているが、市場規模などの数字はない。

  • 課題の認識と解決3

    農業従事者の高齢化と農薬被ばく回避という課題を挙げ、自律走行型ロボットで解決する方針は示されているが、高付加価値化や成長の定量的計画は書かれていない。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制3

    岡山大学との協力や量産試作機の設計・開発への移行が記載され、開発体制の一端はうかがえるが、人材や事務処理能力の具体は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    防草シートとマグネットマーカーで工事不要、転倒防止、農薬被ばく回避などの特徴が示されるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    テスト運行で判明した走行跡の陥没や枕地の障害物への対応、量産試作機への移行など課題解決の流れは記載されるが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    既存機にない転倒防止と自動枕地移動、業界初とされる自動化を実現し、静電噴口と組み合わせて農薬使用量低減を図る高付加価値な製品と読み取れる。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    農業従事者の高齢化や農薬被ばく回避への対応がうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の具体的な記載はない。

  • 費用対効果2

    農薬使用量低減や費用削減の効果が期待できると記載されるが、補助金投入額に対する数値的な費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    5種類のセンサーによる自律走行制御や独自の制御アルゴリズムを開発し、農業分野のデジタル技術活用に取り組んだことは読み取れるが、業界全体への波及は書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    高齢化が進む農業分野で省力化ロボットを開拓する方向がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は明確でない。

  • 地域経済への波及2

    ハウス等園芸施設内の防除作業の省力化が示されるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済成長への記載は薄い。

今後の展望

今後、自律走行型農薬散布ロボットの市場開拓を目指して取り組んでいく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。