ものづくり補助金平成24年度鹿児島県

レアメタル(タングステン・モリブデン・タンタル等)の切削加工における加工条件を見出すための試作開発

株式会社南光

成果タングステンの加工時間は鉄・ステンレスと比べて最低でも5倍以上かかる

この事例のポイント

  • 当社の主な材質は鉄・ステンレス・アルミ・銅であり、これらの加工は大手メーカーの海外調達率上昇や設備・技術の海外流出により国内単価が下がり、付加価値を見出しにくくなっていた。
  • レアメタルのタングステンを対象に、外周加工、段付加工、ポケット加工、ならい加工の4加工を中心に、材質の特性、加工条件、刃具の選定、他金属に比べた切削性を検証した。
  • タングステンの加工時間は鉄・ステンレスと比べて最低でも5倍以上かかる。タングステンにおける精度(公差)内に収めるための基準となる加工条件を見出すことができた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社南光
所在地鹿児島県 鹿児島市
業種金属製品製造業
技術分野切削加工
従業員数188人
資本金1億円
設立1971年

事業の背景

切削加工(機械加工分野)では、鉄・ステンレス・アルミ・銅を主な材質としている。これらの材質では、大手メーカーの海外調達率の上昇と設備や加工技術の海外流出が進み、国内市場での単価が下がっている。そのため付加価値を見出すことが年々難しくなっていた。一方、レアメタルの切削加工は付加価値が高く需要増が期待されたため、本事業に取り組んだ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術当社の主な材質は鉄・ステンレス・アルミ・銅であり、これらの加工は大手メーカーの海外調達率上昇や設備・技術の海外流出により国内単価が下がり、付加価値を見出しにくくなっていた。
  • 生産能力レアメタルの切削加工は付加価値が高く需要増が期待されるが、タングステンなど材質に合った加工条件が確立されていなかった。

やったこと

レアメタルのタングステンを対象に、外周加工、段付加工、ポケット加工、ならい加工の4加工を中心に、材質の特性、加工条件、刃具の選定、他金属に比べた切削性を検証した。鉄(SS)、ステンレス、アルミと比較するテスト加工を行い、回転速度・送り速度・切込量の条件を見直した。その結果、加工条件を大幅に落とさなければ工具の消耗が激しく、鉄の4倍以上の工具が必要で破損の恐れも高いことが分かった。工具の消耗で目標寸法から外れる問題や、硬度が高いため加工中に欠けたりはがれたりする現象も確認した。

事業の効果

  • タングステンの加工時間は鉄・ステンレスと比べて最低でも5倍以上かかる
  • タングステンの加工では鉄に比べて4倍以上の工具が必要

タングステンにおける精度(公差)内に収めるための基準となる加工条件を見出すことができた。タングステンは鉄・ステンレスに比べ加工条件が格段に厳しく、加工時間は最低でも5倍以上かかることが明らかになった。今後は製品製作での工程・時間短縮の改善活動を進め、独自技術を高める必要がある。また、半導体関連装置を製作する得意先などにレアメタル加工の対応力を周知し、マーケット拡大につなげていく。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.7 / 514観点のうち11観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    新しさ・高付加価値鉄・ステンレスに比べ加工時間が5倍以上かかるタングステンを対象とし、一般性の低い高難度加工で高付加価値を狙っている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制試作・検証を行ったとの記述はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制への言及は薄い。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の機械加工技術を基にレアメタル加工へ展開しており、過去の加工技術蓄積との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    鉄・ステンレス等の国内単価低下を踏まえ、高付加価値なレアメタル加工に取り組む外部環境認識が示されている。

  • 課題の認識と解決3

    海外調達率上昇で単価が下がる課題を示し、レアメタル加工で付加価値を高める方向性が述べられている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制2

    試作・検証を行ったとの記述はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制への言及は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    半導体関連装置の得意先へ周知しマーケット拡大を図る方針が示され、顧客像と選ばれる理由が一定程度ある。

  • 事業化までの道筋3

    タングステン加工の課題(工具消耗、欠け)を検証し、今後の工程改善と周知策を示している。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    鉄・ステンレスに比べ加工時間が5倍以上かかるタングステンを対象とし、一般性の低い高難度加工で高付加価値を狙っている。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    新たな雇用や波及効果への言及はなく、国が補助する積極的理由は薄い。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    海外流出が進む国内加工からレアメタル加工へ転換する点に触れるが、構造転換との関連は弱い。

  • 地域経済への波及2

    鹿児島の企業として地域雇用や地域経済への波及に触れる記述は見当たらず、薄い。

今後の展望

今後は実際に製品をつくる加工において製作工程や時間短縮するための改善活動に取り組み、独自の技術を高めていく必要がある。得意先などへレアメタルの加工ができることを周知し、マーケット拡大につなげていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。