ものづくり補助金平成24年度鹿児島県

鹿児島黒豚肉を用いた発酵食肉製品の新商品の研究開発

南州農場株式会社

この事例のポイント

  • 鹿児島黒豚を原料とした発酵食肉製品は国内に少なく、製品化の道筋が立っていなかった。
  • 鹿児島大学で生ハム表面の細菌叢から乳酸菌の分離を試み、7株を分離した。
  • 鹿児島県由来の乳酸菌7株が新規に分離され、そのうち2株を用いて黒豚を原料とした生サラミの試作に成功した。

事業者のプロフィール

事業者名南州農場株式会社
所在地鹿児島県 鹿屋市
業種食料品製造業
技術分野発酵
従業員数170人
資本金1億円
設立1951年

事業の背景

発酵食肉製品は主にヨーロッパなどから輸入され、高級品として認識されつつある。非常に高価で嗜好性の強い食品だが、市場規模は拡大している。鹿児島黒豚を原料とした製品はほとんどなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術鹿児島黒豚を原料とした発酵食肉製品は国内に少なく、製品化の道筋が立っていなかった。
  • 新製品・新技術ヨーロッパからの輸入発酵食肉製品は高価で市場は拡大しているが、国産で鹿児島県由来の乳酸菌を用いた製品はなかった。

やったこと

鹿児島大学で生ハム表面の細菌叢から乳酸菌の分離を試み、7株を分離した。性状検査の結果、7株すべてが乳酸発酵能を示した。分離菌株群からDNAを抽出し、16SrDNAをPCR増幅して塩基配列を決定し、近隣結合法で系統解析を行ったところ、スタフィロコッカス属、ラクトバチラス属、カルノバクテリウム属の細菌と相同性が高いことが示された。発酵臭の強い2株(NH404株、NH303株)を用いて様々なタイプの生サラミを試作した。

新しい製品・サービス:鹿児島黒豚肉を用いた発酵食肉製品(生サラミ)

事業の効果

鹿児島県由来の乳酸菌7株が新規に分離され、そのうち2株を用いて黒豚を原料とした生サラミの試作に成功した。これにより付加価値の高い発酵食肉製品を製造し、首都圏の富裕層へ販売することが可能になった。大阪・福岡の百貨店の直営店での販売を想定しており、今後は国内の有名百貨店や高級スーパー、レストラン、輸出への販路拡大を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.7 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    新しさ・高付加価値輸入中心の発酵食肉で国産品が少ない状況を示し、鹿児島黒豚由来の乳酸菌を使う点で新規性がうかがえます。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性過去の取組との一貫性は読み取れず、補助事業が菌株分離から始まったという経緯のみがうかがえます。
経営戦略との整合性2.7
  • これまでの取組との一貫性2

    過去の取組との一貫性は読み取れず、補助事業が菌株分離から始まったという経緯のみがうかがえます。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    輸入発酵食肉は高級品として市場が拡大しており、国産が少ない点に触れていますが、自社の強みの詳細は薄いです。

  • 課題の認識と解決3

    国産の少なさを課題に挙げ、高付加価値の発酵食肉製品で解決する方向は示されていますが、数値や計画の具体性は薄いです。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制3

    大学との共同研究体制や鹿児島大学での分離・遺伝子解析は読み取れますが、事務処理体制の記述は薄いです。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    鹿児島黒豚を用いた発酵生サラミを首都圏富裕層に販売する想定が書かれていますが、ニーズの裏付けは示されていません。

  • 事業化までの道筋3

    今後は販路拡大や商品開発を進める方針が示されていますが、スケジュールや課題解決方法は具体的ではありません。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    輸入中心の発酵食肉で国産品が少ない状況を示し、鹿児島黒豚由来の乳酸菌を使う点で新規性がうかがえます。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    地域特産品の黒豚を活用する点はうかがえますが、波及効果や雇用創出の数値は書かれていません。

  • 費用対効果2

    分離菌株7株や試作品の数はありますが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は書かれていません。

  • イノベーションへの貢献2

    乳酸菌の遺伝子解析を用いる点はうかがえますが、地域やサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていません。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    国内で国産発酵食肉が少ない点に触れ、市場拡大分野への進出がうかがえますが、構造転換への言及は薄いです。

  • 地域経済への波及3

    鹿児島県の特産品である黒豚と県由来の乳酸菌を活かす点が書かれており、地域特性の活用はうかがえます。

今後の展望

今後はNH303株の遺伝子解析を続けるとともに、7株すべての発酵能力を食肉で調べ、さまざまな商品展開と生サラミの商品化を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。