この事例のポイント
- 検査員6人の目視でも、ヒケや黒点の見逃しが年38件あり、主要の取引先から検査の強化を求められていた。
- 良品の光り方のちがいで誤判定が多かったため、ラインの横に不良品の箱を置いて半年集め、撮り直して学ばせた。
- 流出が年2件になり、検査員のうち3人が金型の段取りに回った。
事業者のプロフィール
| 事業内容 | 自動車の内装部品をつくる樹脂成形の会社(成形機22台) |
|---|
| 所在地 | 栃木県 |
|---|
| 業種 | 製造業 |
|---|
| 従業員数 | 従業員48名 |
|---|
課題と取り組み
抱えていた課題
- 成形機22台で月に約40万個をつくる。外観検査は検査員6人の目視で、シボ面のヒケや黒点、ショートを見ていた。
- 客先への不良の流出は年38件。主要の取引先から「このままなら検査の人を常駐させてもらう」と言われた。
- 慣れた人ほど午後に見逃しが増え、勤続15年の検査リーダーは「人の目は夕方には信用できない」と話していた。
▼
やったこと
- 流出の多いドアトリムの1品番から始め、成形機の取り出し口にAIの外観検査のカメラと照明を付けた。
- 最初の2か月は、仕入れ先によって表面の光り方がちがう良品まで不良と判定し、誤判定が1割を超えた。不良の写真が200枚しかなかったため、ラインの横に不良品の箱を置き、半年で約800個を集めて撮り直した。
- 見逃しを出さないことを優先して判定の基準を厳しめにし、AIが不良とした品だけを検査リーダーが見直して、その結果を毎週AIに戻す決まりにした。
- 誤判定が1%を切ったのを確かめてから、売上の大きい5品番に広げた。
▼
事業の効果
- 客先への不良の流出:年38件から2件に
- 外観検査の人員:6人から3人に(3人は金型の段取りに移った)
- 不良の写真と成形の条件がひもづいて残るようになり、ヒケの多い金型を2型直した
- 取引先の監査で検査の記録が評価され、新型車の部品の見積の依頼が来た
今後の展望
集まった不良の記録から、成形の温度や保圧のずれを先に知らせる仕組みをつくり、不良そのものを減らす。
同じ使い方に補助金は使える?
AIの外観検査の装置と、それに合わせたラインの改造は、ものづくり補助金や省力化投資補助金(一般型)などが対象になりえます。カメラを足すだけか、検査の工程をどう変えるかで計画の書き方が変わり、御社の使い方が対象になるかは公募要領の条件で変わります。
AI導入に使える補助金を見る補助金を使ったAIの採択事例を見る ›
出典・補足
この一覧には、採択事例のほかに参考事例も含まれています。