2023年11月9日に発表された省力化投資補助金ですが、製造業において、一体どのように活用できるのか気になっている人も多いでしょう。今回は省力化投資補助金の製造業における具体的な活用事例を解説します。
目次
中小企業省力化投資補助事業とは
中小企業省力化投資補助事業(省力化投資補助金)は、中小企業の省人化・省力化の取組みを支援する補助金です。DX・IoT・AI導入などに係る費用を最大1,500万円、補助率1/2の条件で補助します。
上記の資料によると「中小企業省力化投資補助事業(省力化投資補助金)」の令和5年度補正予算案額は1,000億円となっています。
【2024年度】省力化投資補助金の対象となる取組みや経費
省力化投資補助金は大きく①省人化と②省力化の取組みに利用することができます。
①省人化の取組み:人的工数を削減
省人化とは、業務の工程を見直して、不要な作業を省くことなどにより、人的工数の削減を図ることです。
②省力化の取組み:作業負担の軽減
次に省力化の取り組みです。こちらは、人員を削減するのではなく、従業員の作業負担を軽減し、生産性の向上を図ることを目的としています。
製造業のAIやIoT化によるDXの必要性と背景
経済産業省は、「ものづくり基盤技術の振興施策」(令和元年度)の中で、昨今の製造業界の課題として「不確実性」の対応を挙げています。
不確実性とは、自然災害や紛争、急激なデジタル革新による影響など予測し難い事態を指しますが、記憶に新しい新型コロナウイルスの世界的パンデミックの際も、日本の製造業の多くが、海外拠点の操業停止や部品・原材料の調達寸断など、変化に弱い姿を露見する形となりました。
デジタル化の遅れ
日本の製造業はIT化が遅れており、国内企業のICT導入率は約70%で、アメリカや欧州の80%以上と比べて低いです。さらに、日本企業の環境整備率は50%未満で、海外との技術差が拡大しています。
業務の属人化
日本製造業の2つ目の課題は業務の属人化です。伝統的に高技術力を背景に国際的な優位性を築いてきた日本ですが、現在は高齢化と労働力不足が顕著です。この状況で、熟練者の経験に依存する製造体制は業務属人化を生み、技術継承の停滞や国際競争力の低下につながっています。
省力化投資補助金 製造業の製造DX事例3選
①自動組立ラインの活用
自動組立ラインは、省力化と生産性向上に大きく貢献します。例えば、自動車産業においてロボットを用いた組立作業は、従業員の作業負担を減らしながら、生産効率を高めています。これにより、高品質な製品を迅速に市場に供給し、売上の拡大が期待できます。
②精密検査用ロボットの導入
品質保証の強化は、製造業における省人化と信頼性の向上に寄与します。特に電子部品業界での精密検査用ロボットは、製品の一貫した品質を保ちつつ、人手を減らすことが可能です。これは製品の信頼性を高め、結果として顧客満足度と売上を向上させる要因になります。
③スマートファクトリーの導入
スマートファクトリーは、製造業の効率化、省力化、省人化を推進する先進技術です。自動化された製造プロセスにより、エネルギー消費の削減と生産コストの低減を実現し、競争力のある製品を市場に提供することができます。これは生産性の向上だけでなく、長期的な売上拡大にもつながります。
製造業に省力化投資補助金がおすすめな理由
①製造業は省力化投資補助金の補助対象!
製造業は省力化投資補助金の補助対象です。この機会に長期的な経営戦略として自社のDX化を推進できると競争優位性及び自社の課題解決につながります。
②最大1,500万円が補助(補助率1/2)
省力化投資補助金では、最大1,500万円、補助率1/2の経費が補助されます。新たに設備投資を行い、自社の省力化やDX化を検討する事業者にとって強力な後押しとなることでしょう。
③顧客体験・満足度の向上
顧客との対面サービスは、ホテル・旅館などの宿泊施設の成功に不可欠です。自動化技術によってキッチンや他の裏方業務が効率化されると、従業員は顧客対応により多くの時間を割けるようになります。これは、顧客満足度の向上や、よりパーソナライズされたサービス提供に直接つながります。
これらのホテル・旅館などの宿泊施設特有の課題に対して、省力化投資補助金を活用することは、業務の効率化、顧客満足度の向上、および長期的な利益向上につながるため、積極的に申請を検討していきましょう。
PROFILE
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兵庫県出身、関西学院大学卒。調達件数100社以上、成功確率80%超。
東証プライム上場の事業会社→コンサルファームを経て2023年起業。経営者の新たな挑戦をサポートするため、事業再構築補助金やものづくり補助金、融資等を活用した資金調達支援やインキュベーション事業、イベント事業を提供しています。
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