概算要求から補助金の公募開始までの流れ|予算が決まる時期と準備

この記事の要点

概算要求から補助金の公募開始までは、早くて4〜5か月、ふつうは7か月以上かかり、補正予算か当初予算かで時期が変わります。経済産業省の概算要求の資料と公募要領の台帳をもとに、予算が決まる流れと公募前の準備を整理しました。

この記事の目次
  1. 概算要求とは?
  2. 予算が決まるまでの流れ
  3. 予算の種類で変わる公募時期
  4. 今年度の公募開始日
  5. 公募前に進める4つの準備
  6. 専門家から見たポイント
  7. 間違えやすい点
  8. よくある質問
結論

概算要求から補助金の公募開始までは、早くて4〜5か月、ふつうは7か月以上かかります。分かれ目は補正予算と当初予算のどちらで組まれるかで、補正予算なら年明けから春、当初予算なら新年度に入ってからが目安です。

来年度の概算要求で気になる補助金を見つけても、いつ申請できるのかはまだ分かりません。予算が決まる流れと今年度の公募開始日をもとに、待つ間の準備を整理しました。公募の時期を知りたい方に向けた記事です。

概算要求とは?

概算要求は、各省庁が翌年度の予算の要望を財務省に出す手続きです。締切は毎年8月末で、経済産業省は2026年8月31日に令和9年度の概算要求を公表しました。

概算要求の段階で分かるのは、事業の名前・要求額・ねらいまでです。補助上限・補助率・申請の要件は、予算が成立したあとの公募要領で決まります。

来年度の要求の中身は令和9年度の補助金はどう変わる?で取り上げています。

予算が決まるまでの流れ

国の予算は、概算要求のあと、財務省の査定・閣議決定・国会での成立という順に進みます。補助金の中身が見えてくるのは、予算が成立して公募要領が出たときです。

時期の目安 できごと 補助金で分かること
8月末 各省庁が概算要求を出す 事業の名前、要求額、新しい要件の方向
9〜12月 財務省が要求を査定する 報道で増減の見込みが出る
11〜12月 経済対策と補正予算案を閣議決定し、国会で成立 補正予算に回った事業の額
12月下旬 翌年度の政府予算案を閣議決定 当初予算の事業の額
1〜3月 通常国会で予算を審議し、3月末までに成立 予算が確定する
予算成立のあと 事務局を選び、公募要領を公表 補助上限・補助率・要件・締切

補正予算は、年によって時期も額も変わります。予算の出どころの違いは補助金の予算はどこから出る?で取り上げています。

公募要領と交付規程のどちらに何が書かれるかは公募要領・交付規程・交付要綱の違いで取り上げています。

予算の種類で変わる公募時期

補助金の公募が始まる時期は、補正予算と当初予算のどちらで組まれたかで変わります。補正予算の事業は、当初予算より早く公募が始まることがあります。

予算の種類 予算の成立 公募が始まる目安
補正予算 11〜12月ごろ 年明けから春(事務局の準備しだい)
当初予算 3月末 4月以降
基金(中小機構など) 補正予算などで積み立て 数年にわたり、回ごとに公募

中小企業向けの大きな補助金の多くは、中小機構の基金から何回かに分けて公募されます。概算要求の段階で、中小機構の運営費交付金には6,980億円が要求されています。

出典:令和9年度 中小企業・小規模事業者・地域経済関係 概算要求等のポイント p.2

制度ごとの今の公募の締切は公募中の補助金の台帳で確かめられます。

今年度の公募開始日

2026年度に公募が始まった主な補助金の受付開始日を、公募要領の台帳から並べました。同じ年度でも、補助金によって始まる時期はばらばらです。

補助金 公募・受付の開始
デジタル化・AI導入補助金 2026年3月30日(月)(通常枠)
新事業進出・ものづくり補助金 2026年6月29日(月)(第1回)
成長加速化補助金 2026年9月29日(火)(3次)
持続化補助金 2026年11月5日(木)(通常枠 第20回)

出典:デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領(第7回からの改訂版) p.20台帳で見る

持続化補助金の日程の例

持続化補助金の通常枠は、上限50万円・補助率2/3です。公募要領の公開から受付開始まで、数か月の間があります。

できごと 日付
公募要領の公開 2026年5月27日(水)
様式4の発行受付の締切 2026年12月4日(金)
申請受付の締切 2026年12月15日(火)17:00
採択発表 2027年3月頃(予定)

様式4(商工会・商工会議所が出す事業支援計画書)の受付は、申請の締切より前に締め切られます。公募要領が出た時点で動き始めると、前倒しの期限にも間に合わせやすくなります。

採択されたあとの手続きは持続化補助金の採択後の手続きで取り上げています。

デジタル化・AI導入補助金や持続化補助金など、今公募中の制度のうち御社に合いそうなものは、会社のURLを入れるとAIで確かめられます。

AIで対象か確認する

公募前に進める4つの準備

公募要領が出てから締切までは、1〜2か月ほどのことが多くなります。そこから準備を始めると、間に合わない書類があります。

  1. GビズIDプライムを取っておきます。電子申請に必要で、発行までに日数がかかります。
  2. 直近の決算書と、従業員の給与の推移をそろえます。
  3. 入れたい設備やサービスの見積もりを、2社以上から取ります。
  4. 加点になる認定(事業継続力強化計画など)を先に申請します。

持続化補助金では、事業継続力強化計画の加点は申請受付締切日までに認定を受けていることが条件です。認定の審査にも日数がかかるため、公募要領を待たずに申請しておくと間に合わせやすくなります。

加点になる認定の取り方は補助金の加点一覧で取り上げています。

選べる加点の数の決まりは補助金の加点はいくつまで?で取り上げています。

申請までの準備の流れは「補助金ガイドブック」にまとめています。公募が始まる前に、そろえる書類と段取りを確かめられます。

申請準備の資料を無料で受け取る

専門家から見たポイント

予算の段階から準備した会社は、公募が始まってから慌てずに計画書を仕上げられます。持続化補助金の最新の採択率は47.2%(第19回)で、審査があり不採択になることもあります。

予算の段階から動く会社

入れたい設備やシステムが決まっていて、来年の春から夏に投資したい会社です。補正予算の事業は、公募から締切までが短いことがあります。年内に見積もりと計画の骨組みをそろえておくと間に合います。

公募要領を待ってよい会社

投資の時期がまだ決まっていない会社は、予算案が出る12月まで様子を見ても遅くありません。要件が変わる補助金は、公募要領を読んでから計画を書き直すことになるためです。

よくある失敗

「来年度の予算で新しい補助金が出る」と聞いて、公募の前に設備を発注してしまうことです。補助金は後払いなので、採択されたあとも立て替えの資金が要ります。

入金までの流れと立て替えの準備は補助金はいつ入金される?で取り上げています。

来年度の新しい補助金を待つか、今公募中の回に申請するかで段取りが変わります。投資の時期が迫っていて迷う場合は、専門家に無料で相談するのが早いです。

専門家に無料で相談する

申請の流れは、資料で先につかめます。

間違えやすい点

概算要求から公募までの間違いは、予算の段階の情報を確定したものと受け取ることから起こります。

  1. 概算要求の額は確定ではない:査定で減ったり、事業ごと補正予算に移ったりします。
  2. 予算成立の日に公募は始まらない:事務局を選び、公募要領を作る時間がかかります。成立から公募まで、さらに待つことになります。
  3. 公募要領の公開は受付開始ではない:持続化補助金の通常枠では、公開から受付開始まで数か月空いています。申請できる日は受付開始の日付で確かめます。
  4. 今の公募回を見送らない:来年度の新しい制度を待つ間も、今公募中の回は使えます。
注意

交付決定より前に契約・発注した経費は、多くの補助金で対象外です。持続化補助金でも、採択の通知を受けただけでは発注できず、交付決定を待つ必要があります。

交付決定の前にやってはいけないことは補助金を申請できる会社・できない会社でも取り上げています。

よくある質問

概算要求に載っていない補助金は来年度なくなる?

概算要求に名前が無くても、基金で続く補助金や、補正予算で新しく組まれる補助金があります。来年度の公募があるかは、補正予算と政府予算案が出たあとに確かめます。

概算要求に書かれた新しい要件は、そのまま公募要領に入る?

そのまま入るとは限りません。概算要求は予算の要望の段階で、申請の要件は予算が成立したあとの公募要領で決まります。

今の公募回に申請すると、来年度の補助金に申請できなくなる?

決まりは制度ごとに違います。持続化補助金の通常枠では、採択されて補助事業を行った事業者は、報告(様式第14)を出したあと一定の期間が過ぎるまで次の回に申請できません。同じ内容で国のほかの補助金と重ねて採択されることもありません。

公募の予告はどこで分かる?

各補助金の事務局サイトと、中小企業庁の予算のページで告知されます。公募中の補助金は公募中の補助金の台帳で毎日確かめています。

ほかの質問はよくある質問にまとめています。

ほかの質問も見る補助金のよくある質問
出典

まだ相談は早いと感じる方は、まず資料で全体をつかんでください。

この記事の更新履歴
  • 最新の公募要領と照らして、数字や制度名を直しました
  • 最新の公募要領に合わせて全面的に書き直しました

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