令和7年度 <経産省>概算要求を分かりやすく解説

補助金

令和7年度の経済産業省が発表した概算要求では、個人・中小企業支援に対して1300億円が計上され、令和6年度と比べて218億円の増額が行われました。この大幅な増額は、中小企業や小規模事業者、そして地域経済の活性化に向けた補助金や助成金などによる経済支援強化を意味しています。

この記事では、中小企業庁が発表した「令和7年度概算要求資料」をもとに、来年度に向けた具体的な支援策やその影響を詳しく見ていきます。

国税庁の国税庁の公式サイトによれば、概算要求とは、次年度の国家予算編成に向けて各省庁が財務省に提出する予算に関する方針を指します。財務省は、各省庁から提出された金額やその内容の妥当性を検討し、承認の可否を判断します。その結果は内閣に報告されます。

内閣は、財務省からの報告を基に「予算案」を作成します。この予算案は、国会の議決を経て初めて正式な予算として成立します。したがって、概算要求は来年度の国家政策の指針となりますが、必ずしも予算案に反映されるわけではありません。

経済産業省の要望の要点

経済産業省は2024年8月30日に、令和7年度の概算要求および税制改正に関する要望を財務省に提出し、その内容を公表しました。一般会計や特別会計、脱炭素に向けたグリーントランスフォーメーション(GX)推進対策費を含む総額は2兆3596億円となり、2024年度の当初予算から約4500億円の増加が見込まれています。

経済産業省 令和7年度予算概算要求額

経済産業省関連の要求総額は、2兆3596億円(前年度比24%増)、そのうち、金額が大きいのはGX推進対策費の9818億円で、これは前年度の6429億円から52%増加しています。

また、一般会計は4415億円で、中小企業対策費として1300億円を計上しています。

https://www.meti.go.jp/main/yosangaisan/fy2025/pr/pdf/pr_ippan.pdf

出典:令和7年度 経済産業省関係 概算要求等概要

なお以下の項目は、金額を示さない「事項要求」とし、予算編成過程で検討します。

  • 産業競争力強化・経済成長及び排出削減の効果が高い GX(グリーントランスフォーメーション)の促進
  • AI・半導体分野における量産投資や研究開発支援等の重点的投資支援
  • 物価高騰等の中で生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者等の成長の下支え
  • 大阪・関西万博の会場整備に関する施策
  • 重要経済安保情報保護活用法の施行に向けた対応
  • 福島復興の着実な実施

経済産業省の7つのテーマ

令和7年度は、以下7つに向けた取り組みを行います。

(1)国内投資拡大の継続・対日投資の拡大:1兆6335億円(令和6年度当初予算 1兆2892億円)
国内での新しい事業や設備への投資を積極的に行い、経済を活性化させます。同時に、海外からの投資を呼び込み、日本の産業をさらに発展させていきます。

 

(2)イノベーション・新陳代謝の加速:3135億円(令和6年度 2673億円)※(1)のうち 1460億円(1181億円)含む
AIなどこれからの社会を支える新しい技術やサービスの事業環境の整備を行います。

 

(3)国民の所得向上:1394億円(令和6年度 1112億円)※(1),(2)のうち358億円(265億円)含む
地域の中堅・中小企業・小規模事業者の支援や、ロボット等活用による人手不足等対策、デジタル人材育成などを行います。

 

(4)GXの実現とエネルギー安定供給の確保 ※(1),(2)で記載
エネルギー自給率向上にかかわる脱炭素エネルギーの供給を拡大するための事業環境整備や、新たな脱炭素技術の社会実装・サプライチェーン構築等を推進します。

 

(5)経済安全保障の確保:78億円(令和6年度 62億円)
サイバーセキュリティ対策を強化し、脅威やリスク分析の体制を構築します。また、新たな貿易管理の枠組みを含む技術管理を強化し、技術優位性を得るための投資を支援します。

 

(6)大阪・関西万博:312億円(令和6年度 24億円)
大阪・関西万博の成功に向けて、会場建設や安全確保、各国の参加準備を万全に進めます。

 

(7)経済社会の基盤を支える最重要課題:856億円(令和6年度 648億円)※(2),(3)のうち 84億円(67億円)含む
ALPS処理水の安全確保と風評対策を行い、日本産食品の輸入規制撤廃に努めます。また、帰還困難区域の復興を進め、新産業の創出や交流人口の拡大などに取り組みます。
 

個人・中小企業向け概算要求のポイント

これらの7つのテーマは、互いに関連し合いながら、経済成長を支える重要な要素となります。

以下は、主な項目の施策名と要求額です。重点的に推進される分野で、どのような補助事業が計画されているかを把握しましょう。※令和7年度概算要求額の後に、( )で令和6年度当初予算額を記載しています。

GX・省エネ投資の推進

■省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費【1743 億円】(GX)
■省エネルギー設備への更新を促進するための補助金【350 億円(110 億円)】(エネ特)
■高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金【580 億円】(GX)
■中小企業等エネルギー利用最適化推進事業費【32 億円(10 億円)】(エネ特)

原子力など、脱炭素エネルギーの供給拡大

■GXサプライチェーン構築支援事業【777 億円(548 億円)】(GX)
■需要家主導型太陽光発電及び再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業【113 億円(100 億円)】(エネ特)
■再生可能エネルギー導入拡大に向けた分散型エネルギーリソース導入支援事業【101 億円(15 億円)】(エネ特)
■再生可能エネルギー導入拡大に向けた系統用蓄電池等の電力貯蔵システム導入支援事業【310 億円(85 億円)】(GX)
■エネルギー構造高度化・転換理解促進事業費補助金【79 億円(72 億円)】(エネ特) など

電動車普及に向けた車両購入・インフラ整備や、蓄電池の製造基盤の確立

■クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金【205 億円(100 億円)】(エネ特)
■クリーンエネルギー自動車導入促進補助金【1000 億円】(GX) 
■蓄電池の製造サプライチェーン強靱化支援事業【1778 億円(2300 億円)】(GX) など

地域の中小企業の発展と良質な雇用創出を目指す取り組み

■中小企業資金繰り支援事業【230 億円(192 億円)】
■中小企業活性化・事業承継総合支援事業【216 億円(146 億円)】
■成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech 事業)【142 億円(128 億円)】 など

ロボット等、最先端の機械や省力化できる設備の活用で人手不足に対応する取り組み

■中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金【20 億円(新規)】
■デジタル・ロボットシステム技術基盤構築事業 【6.0 億円(新規)】
(※ 中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金【1000 億円(R5 補正)】)
(※ 中小企業省力化投資補助事業(カタログ事業)【1,000 億円(R5 補正)】)

経済安全保障の確保

■産業サイバーセキュリティ対策の強化に向けた環境整備事業【57 億円(44 億円)】 など

福島復興・能登半島復興・レジリエンス

■自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金【110 億円(122億円)】(復興特)
■福島イノベーション・コースト構想推進施設整備等補助金(地域復興実用化開発等促進事業)【45億円(45億円)】(復興特) など

今後、PR資料などが出ましたら、こちらの記事も更新してまいります。

ものづくり補助金や持続化補助金、IT導入補助金はどうなる?

ものづくり補助金、持続化補助金、IT導入補助金、事業承継・引継ぎ補助金の4つの補助金を行う「生産性革命推進事業」について、令和7年度予算としての記載がありました。

令和6年度の補正予算にて追加される可能性があるため、今後の動きにも注目しながら、最新情報をお届けします。

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全国には経済産業省をはじめとする官公庁や市区町村など様々な行政機関から公募される補助金は何千種類とあります。主要な補助金をリストアップし、皆様にご活用いただきやすい形でご提供します。

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PROFILE

稲野 健夫(代表取締役)
稲野 健夫(代表取締役)
兵庫県出身、関西学院大学卒。調達件数100社以上、成功確率80%超。
東証プライム上場の事業会社→コンサルファームを経て2023年起業。経営者の新たな挑戦をサポートするため、事業再構築補助金やものづくり補助金、融資等を活用した資金調達支援やインキュベーション事業、イベント事業を提供しています。

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