公庫の創業融資に審査落ちする人の特徴や対策を解説

融資

「新創業融資制度に申し込たいけど審査に落ちないか心配」とお客様から多くお問合せをいただきます。この記事では、公庫の創業融資に審査落ちする人の特徴や対策を解説します。創業融資の申込前にチェックしてみましょう。

創業融資制度とは

新創業融資制度は、新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方を対象にしています。原則として無担保・無保証人で、最大3,000万円(そのうち運転資金は1,500万円)までの融資が可能です。創業当初の人でも借入することができる融資制度となっています。

創業融資に審査落ちする人の特徴

創業融資は実績や売上がなくても借入やすい側面がある一方、必ず融資されるとは限りません。審査を経て信用を付与された人に対して、銀行は貸し付けることができるのです。

以下のような項目に該当すると創業融資がNG(謝絶)される可能性があります。一度、申込前に確認してみましょう。

  1. 事業経験が2年以下
  2. 自己資金が創業資金総額の4分の1以下
  3. 通帳の定期的な引き落としに遅延や滞納が多くある
  4. 信用情報に大きなキズがある
  5. 創業計画書に計画性がない

①事業経験が2年以下

日本政策金融公庫では創業する業種の経験が6年以上あれば最大の評価とされており、事業経験が2年以下の方や経験が全くない方は審査に落ちる可能性が高くなります。しかし、日本政策金融公庫では「事業経験」「自己資金」「信用情報」などを総合的に見て審査を行いますので、事業経験が6年以下の場合でもほかのポイントでカバーできれば、審査が通る可能性を上げることができます。

②自己資金が創業資金総額の4分の1以下

日本政策金融公庫の自己資金の申し込み要件は創業資金総額の10分の1以上とされていますが、実際には5分の1以上の自己資金を貯めておかないと審査は厳しくなります。さらに、自己資金は自分で貯めたお金、又は出処がはっきりしたものしか認められません。

③通帳の定期的な引き落としに遅延や滞納が多くある

日本政策金融公庫では通帳の6か月分を確認されます。その際家賃、水道光熱費などの毎月の支払に延滞などがないかも確認されます。多く遅延や滞納が確認されれば審査に通る可能性は低くなります。

④信用情報に大きなキズがある

日本政策金融公庫は個人の信用情報を「CIC」で確認します。「CIC」とは借り入れ情報やローン、クレジットカード等の支払い状況を確認できる信用情報機関です。その情報のキズの度合いにもよりますが頻繁に延滞などがある場合、審査に通る可能性は低くなり、数年以内に自己破産や債務整理をされてる方は完全にNGとなります。まずは自身で申し込み前に「CIC」情報を確認しましょう。WEBで「CIC」と検索し情報機関のHP上から確認する事ができます。日本政策金融公庫では通帳の6か月分を確認されます。その際家賃、水道光熱費などの毎月の支払に延滞などがないかも確認されます。多く遅延や滞納が確認されれば審査に通る可能性は低くなります。

⑤創業計画書に計画性がない

自己資金、事業経験、信用情報が問題ない方でも、創業計画書に計画性や整合性がないと審査に通る可能性は低くなります。日本政策金融公庫の創業計画書はシンプルに設計されていますが、作成する計画や数字を裏付ける一定の整合性が必要となります。追加資料などを作成してアピールすることが重要です。

創業融資に審査落ちしない対策3選

①事業資金xの1/3は、自己資金で用意

  • 事業資金(自己資金と融資希望額の合計)の1/3は自己資金として準備することが理想的です。
  • 自己資金が資金総額の10%でも審査には進めますが、希望する融資額が減額されるリスクがあります。
  • 自己資金を3分の1以上用意できると、希望通りの融資を受けやすくなります。

②事業計画を作成し自ら説明する

  • 税金や公共料金の滞納がある場合は、融資申し込み前に支払いを完了させることが必要です。
  • 信用情報に不安がある場合は、CICなどの信用情報機関で事前に信用情報を開示し確認することが推奨されます。
  • 法人の場合は、他の役員の信用情報もチェックすることが重要です。問題のある役員がいる場合は、審査前に役員を解任することを検討してください。

③信用情報の問題を解決する

  • 税金や公共料金の滞納がある場合は、融資申し込み前に支払いを完了させることが必要です。
  • 信用情報に不安がある場合は、CICなどの信用情報機関で事前に信用情報を開示し確認することが推奨されます。
  • 法人の場合は、他の役員の信用情報もチェックすることが重要です。問題のある役員がいる場合は、審査前に役員を解任することを検討してください。

まとめ:創業融資NGケース

日本政策金融公庫では「自己資金」「事業経験」「使用情報」「計画性」を総合的に見て融資の判断を行います。今回上げたポイントでどれか一つでも当てはまると融資が受けれないという訳ではありませんが、複数重なってくると当然融資は厳しいという判断になる可能性は高くなります。この点を留意して審査を進めていきましょう。

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PROFILE

稲野 健夫(代表取締役)
稲野 健夫(代表取締役)
兵庫県出身、関西学院大学卒。調達件数100社以上、成功確率80%超。
東証プライム上場の事業会社→コンサルファームを経て2023年起業。経営者の新たな挑戦をサポートするため、事業再構築補助金やものづくり補助金、融資等を活用した資金調達支援やインキュベーション事業、イベント事業を提供しています。

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