金融機関の格付け|区分・内容・決められ方を専門家が解説

融資

この記事では、これから起業・開業する方や起業して3年以内の方に向けて、新創業融資制度をわかりやすく解説します。

金融機関による格付けとは

銀行融資における企業格付けには「信用格付」というものがあります。その格付を行う前提として債務区分というものがあります。

まず下記の6段階の債務者区分を基準に格付けがなされます。債務者区分は、債務者の財政状況、資金繰り、収益力等により返済能力を判断して6段階に分類されます。

金融機関による債務者区分

実際に金融機関による格付けは存在します。名称や階級はそれぞれですが、大きく以下のように分類されていることが多いです。

【金融機関による債務者区分】

  1. 正常先
  2. 要注意先
  3. 要管理先
  4. 破綻懸念先
  5. 実質破綻先
  6. 破綻先

債務者区分の解説

1.正常先

正常先は、業況や財務内容に大きな問題がない企業(債務者)です

2.要注意先

要注意先は業況が不安定、あるいは財務内容にやや問題がある債務者です。また、金利の減免や返済が延滞している場合も含まれます。なお、要注意先と要管理先(元本返済を猶予している債務者など)と、さらに細分化する場合もあります。

3.要管理先

3か月以上の延滞や貸出条件緩和債権として管理される企業

4.破綻懸念先

事業を継続してはいるものの、経営破綻に陥る危険性が高い債務者が破綻懸念先です。債務超過や、長期の延滞などで融資の回収に懸念がある企業などが当てはまります。

5.実質破綻先

実質破綻先とは、自己破産など法的な手段を講じていなくても、ほぼ経営破綻に近い状態であり、かつ再建の見通しがない債務者のことです借入金が過大で、債務超過の状態も連続している企業などが該当します。

6.破綻先

破綻先とは、法的手段をとり、現実に経営破綻している債務者です。自己破産、民事再生、あるいは不渡り(手形交換所の取引停止処分)など、いわゆる倒産の状態を意味します。

金融機関は、監督官庁である金融庁の指示で自己査定、銀行格付けを行っています。債務者区分も、こうした金融庁の指示文書によるもので、銀行員は金融検査マニュアルに従い格付け業務を行っています。

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銀行格付けは知ることができない

銀行から自社の格付け結果(債務者区分など)を知ることは不可能です。法的に、銀行は格付け結果を公開することが禁じられており、これを融資の承認や拒否の基準として用いることもできません。

しかし、実際には、低い債務者区分の企業に対しては融資が行われない傾向があります。

格付けと融資の可能性

銀行格付けが低い企業でも、融資を受けることは可能です。例えば、「正常先」と評価された企業には新規融資のハードルがそれほど高くありません。また、「要注意先」であっても、財務状況が数年以内に改善する見込みがあれば、融資を受けることが可能です。

しかし、「破綻懸念先」や「実質破綻先」と評価された企業には原則として新規融資は行われません。

格付けが借入れ条件に与える影響

融資条件には、融資金額、金利、返済期間などが含まれます。債務者区分が高い企業は返済リスクが低いと見なされ、一般的に有利な融資条件が提供されます。逆に、格付けが低い企業は、融資を受けにくくなるだけでなく、仮に融資を受けた場合でも、返済条件や金利はより厳しいものになります。

さらに、プロパー融資(保証協会を介さない直接融資)の場合、金融機関は全ての貸付リスクを負うため、格付けの結果が融資審査により大きな影響を与えます

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PROFILE

神谷 恒一
神谷 恒一
中小企業診断士 / 資金調達・補助金コンサルタント / 外資系戦略コンサルティングファーム出身。独立後、事業再構築補助金・ものづくり補助金を中心に200社超の資金調達を支援し、採択率80%以上を継続して維持しています。補助金申請において最も難しいのは「書類を書くこと」ではなく、「Googleや審査員に刺さる事業計画を設計すること」です。戦略コンサルとしての経験を活かし、単なる申請代行ではなく、事業計画の立案から採択後の実行フェーズまでを一気通貫でサポートすることを強みとしています。これまでの支援先は製造業・小売業・サービス業など幅広く、初めての補助金申請から複数回採択の実績づくりまで対応しています。また、補助金メディアの執筆者として1,000本超の記事を執筆。最新の制度情報・審査傾向を常にアップデートしながら、読者と支援先の双方に正確な情報を届けることを使命としています。

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